特捜部Q キジ殺し
劇場公開日:2016年2月27日
解説
デンマークの人気作家ユッシ・エーズラ・オールスンによる世界的ベストセラー「特捜部Q」シリーズの映画化第2弾。コペンハーゲン警察署の未解決事件捜査班「特捜部Q」に配属された個性的な刑事たちの活躍を描く。特捜部Qの刑事カールのデスクに、なぜか20年前に捜査終了したはずの双子惨殺事件のファイルが置かれていた。何者かの意図を感じたメンバーたちは再捜査に乗り出し、事件当時に重要情報を知る少女キミーが失踪していた事実にたどり着く。すぐにキミーの行方を追いはじめる一同だったが、キミーを探し続けている人物は他にもいた……。ミケル・ノルガード監督をはじめ前作のスタッフ・キャストが再結集し、「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」のニコライ・アーセル&ラスムス・ハイスタバーグが脚本に参加。「天使と悪魔」のニコライ・リー・カースが主人公カール役を、「ゼロ・ダーク・サーティ」のファレス・ファレスが相棒アサド役を引き続き演じた。ヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル梅田で開催の「未体験ゾーンの映画たち 2016」上映作品。
2014年製作/119分/デンマーク・ドイツ・スウェーデン合作
原題:Fasandaeberne
配給:マグネット・コミュニケーションズ、アクシー
スタッフ・キャスト
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2022年11月23日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
推理モノのシリーズはあまり見ないのだが、この特捜部Qは別物だ。確かに面白い。
その面白さとは、まずは特捜部メンバーのカール、ローセの奇人・変人ぶりと、アサドがその調整役となって苦労する姿が絶妙に嚙み合って、安定したいい雰囲気を醸し出していることから生まれている。
次に、犯罪・推理モノにありがちな非現実的な犯罪動機や異常な人間関係や環境設定が、このシリーズでは控えめで、動機に納得できるものが多く、犯人らに共感しやすい。なおかつ社会背景もきちんと描かれている。
第三に、主役級に必ず北欧の美少女が登場し、男性観客の目を引き付けるw 透き通るように肌の白い、絵の中から抜け出してきたような少女たちが、日常でふと見せる肉感的なシーンは魅力的だ。
以上のような要素が作品の基盤となっているから、ストーリーの内容にかかわらず面白いのだが、中でもキジ殺しは得意の絶頂の学園生活から転落した美少女が、社会の底辺で苦しみつつ、最後には内に秘めた愛憎の塊を曝け出し、実現する点でドラマティックな佳作となっている。
ただ、シリーズの売り物である主役カールの奇人・変人ぶりがもうちょっと甚だしく、警察内の軋轢がもっと激しければ、さらに面白いのになと残念に思う。
カールとアサドのコンビ。新たに秘書も加わる。カール、もう少し愛想良くしようよ。新しく入って、上司があんなに不機嫌だと大変!
でもなかなか優秀な女性で、届いた大量の資料や写真をきちんと壁に、整理して貼っている。
今回もなかなかの強引な捜査をするカール。振り回されるアサドだが、なかなかのいいコンビ。今回は警察上層部に犯人の友達がいたりと、ちょっと捻りもあり面白い。
息子も度々泊まりに来る様で、今回は父として息子に近づこうと努力するカールも親しみを感じた。
2022年8月9日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
権力者が悪党という最悪の組み合わせを、
解きあばいたが、
救えなかった無念さの残る終わり方。
原作を読んでいないが、散りばめられた要素が謎解きでつながっていく展開は、こきみよく進行されるので、見ていてストレスがなかった。派手なアクションはないかわりに、リアル感が高い。
リアル感であえて言うならば、少年期の無邪気な残忍性は理解できるが、それが大人になるまで、特に家族・子供をもつ大人になってまで、継続するものなのか、違和感は残った。
一方で、罪悪感にさいなまれ続け大人になった目撃者が描かれているから、なおさらそう感じたのかもしれない。
(原作には、その辺りがもっと詳細につづられているのかもしれない・・・ゴメンなさい、読んでません。)
全体としては、しっかりと作られたミステリーで、ストーリー展開もテンポが良いので、楽しめる作品だと思う。
個人的に、ラストシーンは良かった。直前のシーンとの相対で、観ている側がある程度救われる感があった。