僕が跳びはねる理由 劇場公開日:2021年4月2日
解説 会話のできない自閉症という障害を抱える作家・東田直樹が13歳の時に執筆し、世界30カ国以上で出版されたエッセイ「自閉症の僕が跳びはねる理由」をもとにしたドキュメンタリー。世界各地の5人の自閉症の少年少女たちの姿やその家族たちの証言を通して、自閉症と呼ばれる彼らの世界が、普通と言われる人たちとどのように異なって映っているのかを明らかにしていく。そして、自閉症者の内面がその行動にどのような影響を与えるかを、映像や音響を駆使して再現。彼らが見て、感じている世界を疑似体験しているかのような映像表現を紡ぎ、「普通とは何か?」という抽象的な疑問を多角的にひも解いていく。
2020年製作/82分/G/イギリス 原題:The Reason I Jump 配給:KADOKAWA
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2021年6月2日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会
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会話のできない自閉症という障害(発達障害のひとつ)を抱える作家・東田直樹さんが13歳の時に執筆し、世界30カ国以上で出版され、現在117万部を超える世界的ベストセラーとなっている「自閉症の僕が跳びはねる理由」が、この映画のもとになっている。自閉症者の内面を語った内容が反響を呼び、世界中の自閉症者、その親や家族に希望と感動を与え続けているエッセイだ。 映画のオープニング、暗闇の中に潮風と波の音が聞こえてきて、灯台の光が闇を一定の間隔で照らす。この作品の全体のトーンが光と闇、音、視覚にこだわりを持っていることが伝わってくる。世界各地のそれぞれ個性の異なる5人の自閉症の少年少女たちやその家族が登場するが、各エピソードをつなぐ少年が海辺などを歩く姿に東田さんの言葉がナレーションでかぶる。 そして、「言いたいことが言えない生活を想像できますか?」という問いかけが見る者の心に突き刺さる。映画は点滅する光や闇の中に浮かび上がるカーテンの揺れ、そこに重なる生活音、扇風機の音、雨音、ブランコの鎖、電力の音などで、自閉症者が見て感じている世界を表現しようとしている。そうやって映し出される場面や音は、なぜか懐かしい。 タイトルにある「僕が跳びはねる理由」とは。感情がないとか、創造的な知性を持たない、また多くの文化で恥とされるといった自閉症者への偏見を東田さんの言葉が覆した。そして、「普通とは何か?」を自らに問い直すきっかけをくれ、“普通”と言われる世界とは異なる世界の見方、感じ方があることに気づかせてくれる作品である。
We often consider how much technology has changed in the past half-century; but in the sphere of psychology and health, we might not think enough about the progress humanity made. Reason shows us how the bridge to the cognitive world of autistic people has only materialized in the past few decades--and for many places in the world, they are still outcasts. You will pause and think upon reality.
今までに自閉症でない医者が書いた本はよんだことがあるけど、自閉症の人が自分の感じ方を本にしたものを映画化されていることに興味を持った。 世界にも当たり前に自閉症の子がいて、親は理解しようと寄り添うけど難しくて、周りからはあなたの子は悪魔・魔女と言われ、なんなら川に捨てて楽になれと言われる…。自閉症の子が思いを言語化するのは難しいけど文字盤があれば自分の言葉で語れること、会話してなくても初めての友だちだと喜んでいることなど、思いを伝え合う術はあるんだと思った。理解して、行動に移すことは大事だ。学校を作って近所の人も味方につけ、学べる場所を作った両親は凄いと思った。 皆1度はこの映画または本を読んで自閉症の人が見て、感じていることについて知るべきだと思う。
2021年7月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
自閉症の僕が跳びはねる理由という、会話のできない自閉症作家の東田直樹さんが13歳のときに綴ったエッセイを題材に、自閉症者とその家族へのインタビューをドキュメンタリーとして映画化した本作。映像が美しく詩的なのだが、エッセイ本もそうらしい。 しかし個人としては本を読んでいないので、語られる内容がとても興味深かった。タイトルにもなっているが、どうしてこういう行動をするのか、こういうことはどういう風に受け止められるのかなど、想像の域を出なかったことが説明されてて新情報だらけだ。 電話よりメールが好まれたり。「思ってもないことを言ったり」。それらは決して全くわからないわけでもない。 一人の親が、日本語ではよく「健常者」という単語が使われる文脈で、自閉症ではない人たちのことを「typical」と呼んでいて、それもまた新しく学んだ。