関ヶ原

劇場公開日:

関ヶ原

解説

司馬遼太郎の名作小説を、岡田准一、役所広司、有村架純ら豪華キャスト共演で映画化。「日本のいちばん長い日」「わが母の記」の原田眞人監督がメガホンをとり、石田三成の義を貫いた生き様を軸に、関ヶ原の戦いを真っ向から描き出す。幼くして豊臣秀吉に才能を認められ、取りたてられた石田三成は、秀吉に忠誠を誓いながらも、正義ではなく利害で天下を治める秀吉の姿勢に疑問も抱いていた。そんな三成の下には、猛将として名高い島左近や伊賀の忍びの初芽らが仕えるようになるが、秀吉の体調が思わしくないなか、天下取りの野望を抱く徳川家康は、言葉巧みに武将たちを自陣に引き込んでいった。そして1598年8月、秀吉が逝去。1600年9月15日、毛利輝元を総大将に立てた三成の西軍と、家康率いる東軍が関ヶ原で天下分け目の決戦に挑むこととなる。主演の岡田が不器用で人間味あふれる新たな三成像に挑み、役所が天下取りの野望に燃える家康役を演じる。さらに三成を命がけで守りながら彼に密かに恋心を抱く忍び・初芽役で、有村が本格時代劇に初挑戦した。

2017年製作/149分/G/日本
配給:東宝、アスミック・エース

スタッフ・キャスト

監督
原作
司馬遼太郎
脚本
原田眞人
製作
市川南
佐野真之
共同製作
中村邦晴
吉崎圭一
弓矢政法
木下直哉
藤島ジュリーK.
宮崎伸夫
広田勝己
東実森夫
大村英治
松田誠司
林誠
杉田成道
荒波修
吉川英作
井戸義郎
鯉沼久史
企画
鍋島壽夫
エグゼクティブプロデューサー
上田太地
豊島雅郎
プロデューサー
山本章
撮影
柴主高秀
照明
宮西孝明
録音
矢野正人
美術
原田哲男
装飾
籠尾和人
衣装
宮本まさ江
ヘアメイク
竹下フミ
編集
原田遊人
音楽
富貴晴美
VFXスーパーバイザー
オダイッセイ
Bカメラ撮影
堂前徹之
音響効果
柴崎憲治
スクリプター
川野恵美
殺陣
森聖二
アクションコーディネーター
中村健人
キャスティング
石垣光代
助監督
谷口正行
馬術指導
田中光法
馬担当
芳川透
製作担当
鎌田賢一
プロダクション統括
佐藤毅
中澤サカキ
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受賞歴

第41回 日本アカデミー賞(2018年)

ノミネート

最優秀作品賞  
最優秀監督賞 原田眞人
最優秀主演男優賞 岡田准一
最優秀助演男優賞 役所広司
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(C)2017 「関ヶ原」製作委員会

映画レビュー

5.0堂々たる大作

2017年9月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

知的

こうした堂々たる大作映画を作る監督は、もう日本には原田眞人しかいなくなってしまった。観客に対して親切な作りではない。方言の訛もすごいし、一部には聞き取れないセリフもあるだろうし、関ヶ原の合戦に詳しくないものには、勢力図がわかりにくいかもしれない。しかし、逆に言うとこの映画は観客を子ども扱いすることをやめている。いくらかの教養がなくては楽しめない作品なのは確かだが、知識は人を豊かにするものだ。この映画は観客の教養を信頼している。
役者の芝居も素晴らしいし、映像も美しい。合戦シーンは美しさを追求するのではなく、血みどろの乱戦として描いたのも見事。
徳川家康役の役所広司の存在感は際立っていた。もはや日本映画史に残る名優となった言って差し支えない。

このような映画が大ヒットした事実は頼もしい。一から十まで説明してくれる映画ばかりが求められているのではないというのは、頼もしいことだ。原田監督にはこうした教養ある作品をこれからも作ってほしい。

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杉本穂高

4.0役所広司演じる家康が憎らしくも貫禄十分

2017年8月29日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

興奮

知的

難しい

司馬遼太郎の原作をあいにく未読のため、詰め込んだ台詞(息継ぎの部分を編集でカットして、たたみかけるような効果を出している)と膨大な情報量についていくのが大変だったというのが正直なところ。司馬のファンなら余裕を持って楽しめるのかもしれない。

徳川家康を演じた役所広司が貫禄たっぷりで、ほどよく笑わせてもくれて、大作時代劇の重みをしっかり担っている。三船敏郎や仲代達矢の域に近づきつつあるのではないか、と思わせる瞬間がときどきあった。有村架純は忍びの役だが、少々鈍い印象を受けた。アクションを求められる役には向かないかも。

終盤の合戦シーンはさすがに見応えあり。勝敗は最初からわかっていても、やはり三成側に感情移入して応援し、ハラハラドキドキしてしまう。

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高森 郁哉

3.0完璧ではなくても無難にまとめ切った印象

2023年5月19日
PCから投稿

個人的眼目点は画作りや演技の俯瞰的統率力に一目置く原田監督が戦国時代大合戦記をどう見せてくれるか。

細かいことを抜きにした総論としてはまずまず無難にまとめ切ったといったところか。
少なくとも見ていて嫌になるような大きなほころびはなかった。とはいえ戦国時代ものには明るくない素人なので玄人筋的にはいろいろ突っ込み所もありそうな気はしたが。

司馬遼太郎「関ケ原」が原作とのことなので小説がそもそも脚色された物だろうし、映画の脚本で更なる脚色が重ねられ史実と異なる部分もあるだろうから、そこら辺の判断もしようがない。

有村架純のくノ一は思いっきりぼろが出てもおかしくないミスキャストと思われたが、アクションはカメラワークと編集でどうにか誤魔化しきったね。笑

合戦場面は槍で突くのではなく叩き合う場面に失笑するも、俯瞰的統率力のある監督でも戦国大合戦はやはり相当難しかったのだろうと推察される。
※黒澤明作品でも大合戦場面に納得した記憶はない。

どの武将がどちら側につくか、小早川の裏切り程度しか知らない人間では完全掌握はできなかったし、こちらの勉強不足も痛感させられたちょっとほろ苦い映画でしたね。
岡田准一:三成と役所広司:家康の適性に関しても何も判断できないもの。苦笑

2103-1

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resuwisshu311

3.0メイクアップに圧倒された

2023年3月2日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 日本史が苦手なのでざっくり言うと、石田三成と徳川家康がなぜにこうもいがみ合っているのか伝わってこなかった。原田真人監督作品はこれまでも数多く観てきましたが、役者の演技や重厚な演出力によって迫力ある作品といった印象が残る割に、人間の内面に迫るドラマという点では疑問符が投げかけられていたと思います。ハッキリ言うと苦手です。

 原作は上中下巻にわたる大作であり、かなりの部分が割愛されていたと想像できますが、朝鮮出兵における石田三成に対する遺恨や憎悪、三成襲撃事件での緊迫感、さらに徳川家康の上杉景勝討伐といった事実が省略されていたような気がします。この辺りはNHK大河ドラマ『軍師官兵衛』や『真田丸』を思い起こして脳内補填するしかありません。ちなみに『軍師官兵衛』の黒田官兵衛を演じていた岡田准一がこの作品では石田三成を演じているので、恵瓊と対峙するところなどは混乱をきたしてしまいました。

 司馬遼太郎はどのように描いていたのか知りませんが、石田三成といえばやはり部下からの信頼がない、人望がないといったところを見たかった。特に加藤、福島との確執部分。それを秀頼公に忠義を尽くすことでカバーし、三成を再評価するに値する描き方というか、その内面をもっと打ち出してくれれば良かった。関ヶ原では小早川秀秋がキーマンとなって日和見的な存在が情けなく映るのはどの作品でも同じですが、石田三成に対しても、なぜだかひ弱さが目立ちました。せめて処刑前の干し柿のエピソードを加えてくれたら、生への執着といった印象が持てたのに、残念です。

 役者さんは全体的には良かったのですが、終盤になるにつれ早口になり、聞き取れない言葉が多すぎたのも残念でした。

【2017年9月映画館にて】

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kossy
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