僕だけがいない街のレビュー・感想・評価
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うまく2時間にまとまってはいる。
原作漫画とアニメ版のふたつの結末を先に知って観たぼくとしては、どうしてもそんな感想になってしまう。
この作品の本来のメインディッシュは小学生時代の事件で、現代のエピソードは時間SF的な導入とラストの大団円を演出するためのものだろう。映画版はその比重が逆転している。まあ、藤原竜也と有村架純をキャスティングしておいて、子役がメインというわけにもいかなかったのかもしれない。
ただし、人気子役を配した加代だけは例外で、彼女を虐待から救う話はよくできていたと思う。ただ、実はそうすることで「誘拐殺人犯から守る」という本筋は随分と薄味になってしまっていた。白鳥が嵌められていく経緯や、八代との緊張関係もほとんど描かれず、澤田のセリフ一発で容疑の目が真犯人向けられる急展開は大団円の興を削ぐ性急さだ。
ところで、個人的に原作で唯一食い足りなかったところがある。愛梨の描き方だ。加代に比べて愛梨とのエピソードはあまりに貧弱で、愛梨が悟の心の支えにまでなっていることにあまり説得力が感じられなかった。原作を読んでいた多くの人にとって、ヒロインは愛梨ではなく、加代だったはずだ。その点、映画版はちゃんと愛梨がヒロインとして機能していた。
だからこそ、原作ともアニメとも異なるあの三つ目の結末に、ぼくは悪い意味で唖然としてしまった。いまどき、あんな陳腐な悲劇のヒーローを見せられるとは思わなかった。映画版だけが説得力を持って描けたかもしれない、悟と愛梨との未来への明るい予感みたいなもの。まさか、それをあんな形で放り出してしまうなんて…。
勇気ある行動の結末は悲劇でいいはずがないんでしょ?
映画「僕だけがいない街」(平川雄一朗監督)から。
正直、設定があまり理解出来ず、そのまま観終わってしまった。
タイムトラベルでもないし、過去を変えることにより、
今の事件・事故・犯罪等を防ぐ、という視点はわからなくはないが
あまりにプライベート過ぎて・・・。
そんなことが出来る能力があるのならなら、
もっと大きな事件・事故・犯罪を防いだほうが・・と思うが、
そんな設定にはなっていないようだ。(汗)
気になる一言は、先生が生徒に教えた台詞、
「勇気ある行動の結末は悲劇でいいはずがない」を、数年後、
事件の真相が解明された時に、その先生に生徒が訊き直す台詞。
「勇気ある行動の結末は悲劇でいいはずがないんでしょ?」
聖職である先生の一言は、小さい子どもたちにとって影響力が強い。
その言葉を支えに生きていく人たちもいるくらい。
だから、その台詞を覆すようなことを先生が起こすと、
そのショックの大きさは計り知れない。
最後に、主人公が呟く。「先生は、正義じゃなきゃダメだろう」
そのとおりである。
面白かった
残念!
としか言いようがない。
ノイタミナのアニメは素晴らしかった!
なので、原作も読んだ。
映画化されると聞き、絶対に劇場に足を運ぼうと思っていた。
しかし、空いてからと思っていたら、意外に早く終わってしまって機を逃した。
これだけの話題作なのに、早々に終わってしまった理由が分かるような気がする。
悟が川に落とされるまでのストーリーに、大きな不満はない。
だが、その後の展開は予算が尽きたのかと思えるほど拙速でドタバタだ。
編集でこうなったのか、元々のシナリオなのか。
いずれにしろ酷い。
キャスティングにも不安と不満を感じていたが、
この展開に比べれば些細なことだ。
アニメに遠く及ばない駄作!
これ以上語るべき言葉を持たない。
星の評価は原作への配慮。
(色んな意味で)悲劇しかいない映画
アニメ化もされた同名コミックの映画化。
主演は漫画実写化の帝王、藤原竜也。
原作は人気作らしいが、いつも通り未読。
内容もほとんど知らずに見たので、設定や話を把握するのにちとてこずった。
主人公・悟には、身の周りで起きた事件や事故を察知し、その数分前に戻れる“リバイバル”という不思議な能力があるが、それは本人の意思に関係なく未然に防ぐまで延々と繰り返される。
ある時上京した母が何者かに殺され、“リバイバル”した先は18年前。
18年前、小学生時代に起きた同級生含む幼児連続殺人事件と母親の殺害事件に関連があり…。
時間の逆行、淡い恋、上手くいかないやり直し、グッドでもバッドでもあるほろ苦い結末…これはもう、日本版「バタフライ・エフェクト」。
設定や題材、一つ一つのエピソードは確かに面白味があるが、それらが活かし切れず、原作の魅力が随分と損なわれ、はしょられてるのもありありと分かる。
だって、唐突な展開やしっくりこない点も多々感じたし。
まず、こんな事言ったら物語は始まらないが、何故主人公にそんな能力があるのか。
“リバイバル”した小学生時代のエピソードは甘酸っぱい気持ちにさせられるが、いざミステリーの展開になるとスリリングさやハラハラドキドキに欠ける。
真犯人もあの会話ですぐ分かってしまう。
伏線も色々と散りばめられているが、見事な回収とはいかず。
小学生時代の事件と母親殺害事件がそう鮮やかに繋がりを感じなかったのが致命的。
二つの事件は間接的なのだろうが、過去を変えそれが未来にどう影響を及ぼしたか、説得力と言うか納得感に欠けた。
そしてラストシーン、唐突に居たアノ人にびっくり! そこら辺説明らしき描写あっても…。
何と言うか、何処のシーンがどんな風にとか詳しく書けず表面的な事をなぞって言ってるだけに過ぎないかもしれないけど(ネタバレの事もあるから致し方なく)、それが映画の不完全燃焼そのまま。
“勇気ある行動の結末が悲劇になる筈はない”
劇中のいい台詞だが、皮肉な事にタイムリープものの作品に於いては必ず悲劇となり、また本作は、
“面白味のある題材も演出や脚本で傑作にならない悲劇”
脚本執筆前や企画段階に“リバイバル”する事が出来れば…。
大した理由も無く主人公を助けるヒロイン有村架純は可愛いが、それ以上に石田ゆり子の美貌にクラクラ。
そう、美しく、若いのだ。
息子・藤原竜也と13歳差…。
悲しくて泣いた。矛盾が気になる。
幼年期の悟役が素晴らしかった。
最後、ひたすら泣いてしまったけど、感動とかではなくてただただ悲しくて泣いていた。
全体的にはよかったのだけど、悟が橋から突き落とされるところだけが理解できなくて、ひっかかった。
あそこさえ綺麗に説明してもらえればもっと楽しめたと思う。
結末は少し???
原作を確認してませんが、橋から落とされた後、どうなったの?
とか、
過去を修正したら、親より自分が先に死んじゃうっていう結末アリ?
とか、そうかなぁ、と思いました。
でも、石田ゆり子と有村架純が一本で拝めるので、ほくほく。
僕もいる街
ぼろぼろのお話を補う、すごい役者力
劇場予告篇だけの知識ですが、
藤原竜也さんが好きなので劇場へ。
悪い出来事を防ぐのに
リバイバルしてやり直すというのは、
なかなか新しい解釈で興味深かったです。
だから別の自分に出会うはずもなく、
タイムスリップとは概念が違うんですね。
そのリバイバルは、
自分の意志じゃなくて突然現象が起こるのだけど、
一体何で起こるのか?の説明が置き去りです。
あとは、都合よくお話は進んでいきます。
とにかく、辻褄が合わないことばかりで。
まぁ漫画原作ですから、
細かいことは気にせずにと見ましたが、
途中から我慢できなくなりました(笑)
ほぼ主役の一人称として、
ミステリーが展開しますが、
藤原竜也さんの力量すごい。
混乱や葛藤や苦悶などを心の声と
表情で描ききっているのは、
さすがです。
そ して映画の半分ほどの時間を、
主人公の子供時代に費やすのですが、
その子役たちの存在感に脱帽。
中川翼くんと鈴木梨央ちゃんの、
シリアスでリアリティのある迫力の演技に、
しばしスクリーンに見入ってしまいました。
最近の日本の子役は、
ホントに上手いですね。
これからが楽しみです。
けどやっぱり、お話は本当にテキトーでした。
たくさんの伏線も落としっぱなしで、
ラストもかなりの無責任さ。
秀悦らしい原作を映画尺におさめるのは、
至難の技。
できないのなら、
プロとして映画化を断念するべきでは?とも
思ってしまいますよ。
けどそんな脚本の煩雑さを、
この映画も演者たちの力が補っています。
最近の邦画に多いパターン。
そういう意味じゃ、
好きな役者さんが出てるなら、
まぁ悪くない時間ですけど。
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