劇場公開日 2016年3月19日

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「(色んな意味で)悲劇しかいない映画」僕だけがいない街 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

2.5(色んな意味で)悲劇しかいない映画

2016年8月9日
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鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

難しい

萌える

アニメ化もされた同名コミックの映画化。
主演は漫画実写化の帝王、藤原竜也。

原作は人気作らしいが、いつも通り未読。
内容もほとんど知らずに見たので、設定や話を把握するのにちとてこずった。

主人公・悟には、身の周りで起きた事件や事故を察知し、その数分前に戻れる“リバイバル”という不思議な能力があるが、それは本人の意思に関係なく未然に防ぐまで延々と繰り返される。
ある時上京した母が何者かに殺され、“リバイバル”した先は18年前。
18年前、小学生時代に起きた同級生含む幼児連続殺人事件と母親の殺害事件に関連があり…。

時間の逆行、淡い恋、上手くいかないやり直し、グッドでもバッドでもあるほろ苦い結末…これはもう、日本版「バタフライ・エフェクト」。
設定や題材、一つ一つのエピソードは確かに面白味があるが、それらが活かし切れず、原作の魅力が随分と損なわれ、はしょられてるのもありありと分かる。
だって、唐突な展開やしっくりこない点も多々感じたし。
まず、こんな事言ったら物語は始まらないが、何故主人公にそんな能力があるのか。
“リバイバル”した小学生時代のエピソードは甘酸っぱい気持ちにさせられるが、いざミステリーの展開になるとスリリングさやハラハラドキドキに欠ける。
真犯人もあの会話ですぐ分かってしまう。
伏線も色々と散りばめられているが、見事な回収とはいかず。
小学生時代の事件と母親殺害事件がそう鮮やかに繋がりを感じなかったのが致命的。
二つの事件は間接的なのだろうが、過去を変えそれが未来にどう影響を及ぼしたか、説得力と言うか納得感に欠けた。
そしてラストシーン、唐突に居たアノ人にびっくり! そこら辺説明らしき描写あっても…。

何と言うか、何処のシーンがどんな風にとか詳しく書けず表面的な事をなぞって言ってるだけに過ぎないかもしれないけど(ネタバレの事もあるから致し方なく)、それが映画の不完全燃焼そのまま。
“勇気ある行動の結末が悲劇になる筈はない”
劇中のいい台詞だが、皮肉な事にタイムリープものの作品に於いては必ず悲劇となり、また本作は、
“面白味のある題材も演出や脚本で傑作にならない悲劇”
脚本執筆前や企画段階に“リバイバル”する事が出来れば…。

大した理由も無く主人公を助けるヒロイン有村架純は可愛いが、それ以上に石田ゆり子の美貌にクラクラ。
そう、美しく、若いのだ。
息子・藤原竜也と13歳差…。

近大