トイレのピエタ

劇場公開日:

トイレのピエタ

解説

手塚治虫が死の直前までつづっていた病床日記に着想を得たオリジナル作品で、人気ロックバンド「RADWIMPS」の野田洋次郎が映画初出演で初主演を務めた。余命3カ月を宣告された青年が、偶然知り合った少女との交流を通して、生きる喜びや輝きを見出していく姿を描いた。美大を卒業したものの画家への夢に破れ、窓ふきのアルバイトをしながらフリーターとして生活していた青年・園田宏は、ある夏の日、突然倒れて病院に運ばれる。精密検査を受け、その結果を家族と聞かなくてはならない宏だったが、郷里の両親に連絡する気になれず、偶然知り合った女子高生の真衣に妹役を演じてもらい、検査結果を聞く。そこで余命3カ月を宣告された宏は、死への漠然とした恐怖におびえながら入院生活を送ることになるが……。ドキュメンタリー映画「ピュ~ぴる」で高い評価を受けた松永大司監督の初の長編劇映画。

2015年製作/120分/G/日本
配給:松竹メディア事業部
劇場公開日:2015年6月6日

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(C)2015「トイレのピエタ」製作委員会

映画レビュー

4.0威風堂々

2015年6月23日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

プールを泳ぐ金魚の群れ、金魚の化身のように生き生きと泳ぐヒロイン、めくるめく「ピエタ」の制作過程など、印象深く美しいシーンは多々ありますが、何と言っても心に残ったのは、主人公・園田が口ずさむ「威風堂々」でした。悔しいとき、やりきれないとき、ふっとほとばしるメロディー。淡々と全てをやり過ごしているかに見える彼が、なぜ勇ましいこの曲を、という不可思議さが、いつしか必然に思え、胸に迫るものがありました。 そもそもこの映画に惹かれたのは、松永大司監督の新作だったから。「ピュ〜ぴる」が文字通りの力作で、息詰まるほどのひたむきさを感じました。こんな作品を撮ってしまって、次回はどんなものを撮るんだろう…と、ナマイキながら期待と不安を抱いていたのです。 そして、本作。驚くほど多彩なキャストやスタッフがかかわっており、この映画が、松永監督をはじめとするたくさんの人の手に掛かり、いかに丁寧に作られているかが伝わってきました。 …それにしても。難病、両極端に見える二人のひょんな出会いと接近。髪の長い美少女が全力でひたすら走って、制服でプールに飛び込んで、若い男女が自転車を二人乗りして…と、ありがちな設定、ありがちなシーンの連続なのに、どうしてこんなに引き込まれるのでしょうか。 感情を一切表に出さない園田と、怒りやいらだちを外へぶちまけるマイ。対照的なふたり。そんな彼女が、園田にはちょっと違った感情や表情を見せ始め、彼にも少しずつ変化が訪れます。そして、絵から遠ざかったはずの彼が、再び向かい、描いた絵。小児病棟の少年のために作った塗り絵、最後のピエタ…。筆遣いが、雄弁に彼について物語ります。さらには、園田の最後の制作過程を見届ける、リリー・フランキーさん演じる横田の存在も、じわじわと効いていました。よくある患者仲間、隣人と思いきや、なんと恋のキューピッド⁈ まで。 さりげなくも存在感があり、重くなりがちな物語に、軽みと動きを与えていました。横田と園田が心を通わせていく過程も、マイと主人公と同じくらい、あたたかく印象的的です。 ちなみに、じーっと付き合ってくれた3歳児は、映画を観終えてからひたすら「それならきっと僕らー」と歌っていました。映画自身から生まれた主題歌「ピクニック」と「威風堂々」、ふたつの音楽に愛された、幸福な映画と言えると思います。

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cma

3.5【”浄化と昇天。”野田洋次郎氏、映画初主演作。数々の名優が脇をガッチリ固めた作品。10代の杉咲花さんの演技に驚嘆した作品でもある。】

2024年8月18日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

幸せ

■画家になる夢を諦め、空虚な生活を送っていた宏(野田洋次郎)。バイト中に倒れ、病院に運ばれた彼は、医者から余命宣告を告げられる。絶望の中、偶然出会った女子高生の真衣(杉咲花)や入院患者の臨床の横田(リリー・フランキー)と接するうちに”生きる意味”を見出していく。 ◆感想<Caution!内容に触れています。> ・野田氏の脇を固める名優たち。  1.宏の両親を演じた岩松了、大竹しのぶ  2.入院していた息子が、宏と仲が良かった母親を演じた宮沢りえ  3.宏の臨床の、少しエロいオジサン、横田を演じたリリー・フランキー   - 矢張り、このマルチな才能を誇る方は、抜群に巧く存在感が凄い。宏に影響を与えたオジサンを、飄々と演じている。-  4.”一緒に死のう”と言って来た女子高生、真衣を演じた杉咲花   - 私は、この方の出演映画は名作と思っている「湯を沸かすほどの熱い愛」を劇場で観て、吃驚したものであるがこの作品での存在感、演技力も図抜けている。     近年、多数の映画で物凄い演技を披露しているが、凄い女優さんである。10代とはとても思えない。 ・野田氏の演技はあくまで淡々としているが、晴天下、風景を眺めながら静に涙を流すシーンや、”浄化と昇天です。”と言いながら、最後トイレの天井に絵を描くシーンなどは、ナカナカである。  そして、彼が遺した天井画の数々の真衣の顔。 <余命宣告を受けた青年が、病院内外で最後の日々を過ごす中、様々な人たちと出会った事で、”生きる意味”を悟って行く過程を描いた作品。  私は、佳き作品であると思います。>

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NOBU

4.0人生の才能

2023年4月26日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

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悲しい

難しい

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TOY

3.5杉咲花の存在感

2023年2月14日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

淡々と流れるメリハリの少ないストーリーの中で杉咲花の存在感は半端ありませんでした。 野田洋次郎は独特の雰囲気ありました。良かったです。

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tuna