トイレのピエタ
劇場公開日:2015年6月6日
解説
手塚治虫が死の直前までつづっていた病床日記に着想を得たオリジナル作品で、人気ロックバンド「RADWIMPS」の野田洋次郎が映画初出演で初主演を務めた。余命3カ月を宣告された青年が、偶然知り合った少女との交流を通して、生きる喜びや輝きを見出していく姿を描いた。美大を卒業したものの画家への夢に破れ、窓ふきのアルバイトをしながらフリーターとして生活していた青年・園田宏は、ある夏の日、突然倒れて病院に運ばれる。精密検査を受け、その結果を家族と聞かなくてはならない宏だったが、郷里の両親に連絡する気になれず、偶然知り合った女子高生の真衣に妹役を演じてもらい、検査結果を聞く。そこで余命3カ月を宣告された宏は、死への漠然とした恐怖におびえながら入院生活を送ることになるが……。ドキュメンタリー映画「ピュ~ぴる」で高い評価を受けた松永大司監督の初の長編劇映画。
2015年製作/120分/G/日本
配給:松竹メディア事業部
スタッフ・キャスト
全てのスタッフ・キャストを見る
2021年12月20日
iPhoneアプリから投稿
ネタバレ! クリックして本文を読む
手塚治虫の最後の手記から着想されたということで賛否両論だったが、ひとつの映画として見ると本当に良い映画だと思った。
私はこの映画の主題を「生きる目標を見失った主人公が最後の人生をかけて目標を再発見する成長物語」だと思った。
プールの中に金魚を放つシーンがあったが、綺麗な画の為に作られたような気がした。しかし結果的には幻想的な画に仕上がったので良かったのではないかと思った。
杉咲花の演技がとても役に合っている。破天荒で繊細。
野田洋次郎の演技があまり感情を顕にしないからこそ対照的で、目標を再発見した時の目の輝き、またそれを補えるカットが多かったので監督が良かった。
この映画を通してやりたいことを粗末にしてはいけない、人生をかけて何かを創り自分の生きた証を残したいと思った。未熟で荒くてもいいから自分の人生を生きようと思った。ありがとう。
2021年10月26日
iPhoneアプリから投稿
このバランスのギリギリなところをずっと歩いているような不安定な心地悪さが、なぜか嫌じゃない不思議な映画。
全てにおいて良い攻め方で日本人らしい心理と芸術センスが心地いい。
真っ直ぐに言葉をぶつける杉咲花さんと
自分のうちに言葉を通して少し自信なさげに怒りを投げる野田さんの喧嘩のシーンが好きでした。
ご都合主義じゃないところが、かゆいけれど、
それでよかったなと思いました。
(宮澤りえさんに、「俺、絵描きます!」なーんて言っちゃわないところ、子供にもらったケーキ捨てるところ…)
結局は、わたしは、映画を見ているとき、
絵を描くことで心を変える?
子供にもらったケーキと塗り絵で心打たれる?
と期待していたのかと…
でも結局、野田さんの心を動かしたのは、
花さんだったのだ!
なんやかんや、リリーフランキーさんが最高でした。
癖あるのに、こんな人いる!いたら面白い!と、いや、ありえないのギリギリラインOKで、素敵です。
プールでのキスシーンを見て、
セーラー服と機関銃のラストのセリフを思い出しました。
2021年6月19日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
RADのボーカル野田洋次郎が主演を務めたことは知ってたけど、公開された当時、劇場に足を運ぶことなく6年経ってしまった。
杉咲花ちゃん演じるまいの家庭環境だったり思春期の不安定さだったりが目の奥や細かい表情から読み取れて苦しくなる。
洋次郎からはもちろん、花ちゃんのお芝居からも洋次郎が普段詩に込めるような深い想いと似たようなものを感じた。
主題歌「ピクニック」昔から好きでよく聴いてたけど、より一層好きになった。良い曲。
「私が生きてるんだから、生きろよ」
「僕、生きてますよ、今」
素敵な映画でした。