セッションのレビュー・感想・評価
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映画の新しい風を感じる
この、気持ちがいいとは言えない物語の本作が面白い理由は、演出にある。
観る者に圧迫感をあたえる、迫ってくるような映像の連続は、音楽という本来は美しいものであるはずのものと対をなし、正体不明の高揚感を発現させる。
演奏シーンで演者を捉えるのではなく、楽器、演奏する手を映すのは斬新だ。
ありそうでなかったカメラワークといえる。
罵りと汗と演奏する手、本編のほとんどがそれだけで構成されていたような、正に映像体験。
近いカメラ。早いカット割り。デイミアン・チャゼルの特徴かと思う。
忙しない作品になりやすいともいえる。そのせいか苦手な人も多いみたいだ。
カルト的な人気の監督といえるのかもしれない。私は好きだ。新時代の監督という感じがするのもいい。
「ラ・ラ・ランド」「バビロン」「ファーストマン」と観たがどれも傑作に近いと思う。そして本作も。
監督がデイミアン・チャゼルというだけで内容に関わらず観たいと思う。
そんな監督は数えるほどしかいない。
パワハラ音楽教師に呆然。J・K・シモンズの怪演が光る。いや〜音楽の...
演技はすごい、演技はね
相手がクソ野郎かどうかは実は全く関係無い。
偉業を成し遂げるためには狂うことも必要!
情熱的で振り切った映画でした。「great」な音楽家を育成する、あるいは「great」な音楽家になることを志した2人が、激しくぶつかりあうさまは、僕にとってはリアルでした。「good job」は、ある意味でその人の可能性を奪う、最低の言葉として、高い基準で指導するフレッチャー先生の指導はある意味理にかなっているが、教える側も教わる側もお互いに振り切ってないと調和できない指導の基準と方法だなと感じました。この映画は、エンディングもそうですが、いろんな解釈があると思います。僕自身は、突き抜けた実績をつくり、「偉大」になっていくことを求めているため、これくらい一つのことに狂ったように集中することが必要だなと日々の仕事の基準を見直すきっかけになり、襟が正されました。
死ぬ気で練習する
2014年製作。この映画も日本初公開時未鑑賞で、
特集上映でTOHOシネマズ シャンテで鑑賞。
ポスターの写真そのままの印象。日本語題「セッション」
よりも原題:Whiplash(むち打ち症と訳される)の方が
映画の中身を上手く表現している。スポーツで筋肉痛に
なるがごとく音楽でも身体が受けるダメージが大きい
ということか。
自分の年代だと「巨人の星」の星一徹と星飛雄馬、あるいは
「愛と青春の旅だち」(An Officer and a Gentleman・
1982年製作)のフォーリー軍曹とザックの関係を思い出す。
特訓に次ぐ特訓で身も心もボロボロになりながらそれを
乗り越えて一人前になっていくのが上記2作品に共通する。
「セッション」はどうか。
ネタバレになるから書かないが予定調和では終わらない。
起承転結で言えば転の部分が意外な方向に進み、これで
終わりかと思ったらまだその先があって意外性があった。
説明的な描写は最小限に、軍隊の鬼教官のごとくダメ出し・
罵声を浴びせる教師フレッチャーと、それこそ血の滲む
ような努力で応えようとするニーマンを軸に過酷なレッスン
風景を描いていく。練習漬けの毎日で青春を謳歌する
余裕はない。
はっきり言ってしまうとパワハラや言葉の暴力、時には
手も出しているから現代社会では完全にアウトの指導方法。
耐えられず脱落する者や精神が崩壊する者が出てきて当然。
相手を憎むこともあるだろう。
ただ、この映画ではだから駄目という単純な話ではなく、
善し悪しは観客の判断に委ねられている。
この映画のような極端な例は別として、音楽でもスポーツでも
その他いろいろなことについても一流になるためには死ぬ気で
練習する時間というのは必要だと思う。フレッチャーが何を
目指して鬼のような指導をしているかが分かるからこそ
この映画を観て嫌悪感以外のものを感じ取ることができる。
終盤で見せるアイコンタクトが秀逸。
自分に当てはめてみたら(とは言え楽器を習ったことがない
ばかりか楽譜を読むことすらできない。名門音楽学校に
入学するとか全く未知の世界)、度が過ぎる指導にはきっと
耐えられないと思った。
フレッチャーをJ・K・シモンズが好演(怪演?)、ニーマン役
のマイルズ・テラーは当時はそんなに知名度が高くなかったが
主人公を見事に演じきった。(演奏シーンのために本人も相当な
練習を積んだことだろう)そして「トップガン マーヴェリック」
(Top Gun: Maverick)のルースター役に抜擢され現時点で彼の
代表作になった。今後が楽しみだ。デイミアン・チャゼル監督は
その後「ラ・ラ・ランド」(La La Land)や「バビロン」
(Babylon)などの大作を監督。今思うと出演者も監督も
凄い人材が携わっていた作品だ。
音がいい
狂気とヒリヒリ
最高にかっこいい
2023/5/20再見。
🎥ハンガーとの比較で話題になり見直してみた!今回改めて見直すと映画のつくりそのものとしては★4くらいかと思う。インパクトは落ちたし設定は不可解である。しかし楽しめる点は変わらない。いい作品ではある事には変わりない。
怖い。
前提として
・デイミアン・チャゼル監督の他作品だと『ラ・ラ・ランド』を視聴済
俳優陣が素晴らしい。眼で全てを物語る。
狂気ってこうやって出すのか……ってなる。
ただただ怖い教官にパワハラされるストーリーではない。スカッとする瞬間もある。
アンドリューとフレッチャー。この二人がジャズという土俵において、どのように変化していくのか。
この二人、精神的な中身がめちゃくちゃ似てることが面白い。この上でプライドのぶつかり合いとなっていくクライマックス。
何かが通じ合った瞬間のアイコンタクト。
『セッション』という日本語版タイトルも素晴らしい。
……みたいなアツい部分もあるけど、ずーーーっと怖い部分が蠢いている。
感情というか情熱というか、期待というか狂気というか……
心臓の鼓動がなかなか止まらない、不安なのめり込みがずっとある。
この二人、自分なりの優しさを持ってるクズだな……
パワハラ的な指導も必要になるよな、的な自分の感覚も怖くなる。のめり込むと、どれだけボロボロでも周りのことが気にならなくなるよな、みたいな熱中と狂気の紙一重感にも怖くなる。そしてこの狂気が通じ合った瞬間の最強コンビ感たるや……
あー、怖い。けど面白い。
芸術を志している人ほど胸が痛くなる作品。正直、人にオススメしづらい……
超絶パワハラムービー
奏者を撮るカメラワークも素晴らしい
息くるしさを感じる
謎が多い映画
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