エレニの帰郷

劇場公開日:

解説

カンヌ映画祭パルムドール受賞作の「永遠と一日」(1998)をはじめ、「旅芸人の記憶」(75)、「アレクサンダー大王」(80)、「シテール島への船出」(83)、「ユリシーズの瞳」(95)など数々の名作を残したギリシャの巨匠テオ・アンゲロプロスの遺作。「エレニの旅」(2004)から始まった20世紀を題材とした3部作の第2部で、男女3人の半世紀にわたる愛の叙事詩。93年、ギリシャにルーツを持つアメリカの映画監督が、母エレニと彼女を思い続けた男ヤコブ、そしてエレニが愛したスピロスの男女3人の映画を制作していた。53年、トシケントで再会したエレニとスピロスはソ連当局に捕らえられ、再び離れ離れになってしまうが、その時エレニはスピロスとの子どもを宿していた。エレニはシベリアの牢獄に抑留されるが、そこへ彼女に思いを寄せるヤコブも送られてくる。監督のアンゲロプロスは3部作の3作目を撮影中の12年に事故で他界。3部作は未完となっている。

2008年製作/127分/PG12/ギリシャ・ドイツ・カナダ・ロシア合作
原題または英題:Trilogia II: I skoni tou hronou
配給:東映
劇場公開日:2014年1月25日

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映画レビュー

3.520世紀を生き抜いて

2021年11月29日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

興奮

知的

幸せ

現在と過去を交互に描きながらエレニを含めた三人の過酷な運命と今を生きる子と孫の三世代を奇妙にも思える時間軸の唐突な変動に戸惑いながら、登場人物それぞれの感情が哀しくも最後は幸せに満ちてゆく。

時代背景やセリフでの説明を極力排した演出描写、エレニとヤコブ、スピロスの関係性と今を生きながら破綻している家族三人の物語を、静かに優しく時に不親切ながら難しくも魅入ってしまう感覚に。

孫であるエレニの部屋の壁全面に貼られた無数の映画や役者にミュージシャンなどの切り抜きやポスターがセンス良過ぎで、それだけでテンションも上がる。

恥ずかしながらテオ・アンゲロプロスを知らずに今まで、全作品を観てみたいと好きな映画監督がまた増えてしまった喜びはありながらも、若松孝二と同じように逝ってしまった驚きと無念さが残念でならない。

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万年 東一

2.5dust of time

2015年2月2日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

寝られる

ブルーノガンツ、ミシェルピコリ、ウィレムデフォー、イレーヌジャコブ。イレーヌジャコブが好きじゃないからか、ファーストカットからなんだがちょっと違和感が。前作が圧倒的すぎたっていう話もあるが。孫のエレニの部屋のポスターが良い感じ。羊たちの沈黙、ジムモリソン、ザッパ、ゲバラ、ルーリード。

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ssspkk

3.5追悼アンゲロプロス。

2014年8月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

幸せ

「エレニの旅」に続くアンゲロプロス監督の第二弾。
三部作構想だった撮影の最中に事故で急逝しこれが遺作となる。
男女三人の愛の行方と、政治背景・歴史的事実が複雑に絡み合い
過去と現在を行き来するという難解な内容は、乗り切れないと
最後まで観るのが辛くなってくる。好きな人には壮大な叙情詩。
それにしてもW・デフォーがI・ジャコブの息子役とは恐れ入った。

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ハチコ

3.0ヤコブの最後に涙しました

2014年2月7日
iPhoneアプリから投稿

悲しい

もう、叙情たっぷりのアンゲロプロス監督の映画は見られないのかと思うと、さみしい限りです。旅芸人の記録、アレキサンダー大王。分かりにくいのですが、なんとなく私たち日本人の琴線に触れる映画ではないかとおもいます。昔ほどの精彩はないものの惜しみなくしっかり胸に刻みました。

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cacaomaru

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