少女は自転車にのって

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少女は自転車にのって

解説

映画館の設置が法律で禁じられているサウジアラビア初の女性監督ハイファ・アル=マンスールが、同国俳優を起用し、すべて国内で撮影したサウジアラビア初の長編映画。10歳のおてんば少女ワジダは、幼なじみの少年アブドゥラと自転車競走がしたいが、母親は女の子が自転車に乗ることに反対する。そんな時、学校でコーラン暗唱コンテストが行われることになり、ワジダはその賞金で自転車を買おうと一生懸命コーランの暗唱に取り組むが……。女性がひとりで外出することや車を運転することが禁じられている同国で、ひとりの少女が女性として生きることの厳しさに直面しつつも、前向きに生きる姿を活写する。

2012年製作/97分/G/サウジアラビア・ドイツ合作
原題または英題:Wadjda
配給:アルバトロス・フィルム
劇場公開日:2013年12月14日

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(C)2012, Razor Film Produktion GmbH, High Look Group, Rotana Studios All Rights Reserved.

映画レビュー

5.0サウジから生れた傑作映画

2019年1月27日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

スニーカーとデニムを履いたサウジアラビアの少女が躍動する。自転車で男の子と競争したい彼女は自転車を手に入れるために奔走する。戒律の厳しいサウジアラビアでは大っぴらにそんなことはできないが、彼女は持ち前のポジティブさで諦めない。コーランの暗唱大会の賞金に目をつけた彼女は、コーランの猛練習をする。よこしまな動機でコーランを学ぶという皮肉が面白い。

一夫多妻制のサウジアラビアでは父親は常に家にいるわけではなく、別の妻の家と行ったり来たりしている。仕事に出かける時も、自分で車が運転できないので、男性のドライバーを雇わなくてはならない。サウジアラビアでの女性の不遇な扱いを描くことを監督は忘れていないが、告発めいたそぶりをこの映画は見せずに、快活な少女の成長物語としてさわやかに描ききっている。

シンプルでリアルな映像はキアロスタミなどのイラン映画にも近い印象を受ける。子どもたちの自然な佇まいも素晴らしい。

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杉本穂高

4.5サウジアラビア

2024年2月16日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

知的

幸せ

サウジアラビアの厳しい戒律が分かり、
今の時代の日本に生きててよかったと
感じながら、サウジアラビアの生活や
学校の様子が分かる。
おてんばな女の子ワラジの成長や
ワラジの母親が本当に大切なものに
気付き、自転車のシーンは感動する!

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ほんのり

3.5自由

2020年8月7日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

知的

サウジアラビアの女性の話。自叙伝?

慣習を守る母と、慣習の枠組みを超える娘の生き方の対比が見事。
しかもこの母子を対立構造で描かない。
慣習から踏み出せなかった母の変化が心に残る。切ないね。

この母子を中心に話が進むが、
慣習をものともしない母の同僚、
そんな同僚を同僚として認めて働く男性職員、
昔は主人公の少女のようだったと語るのに、今は…という校長。
同級生や先輩。
そして父、
少女に恋心を抱く少年、
自転車を、”少女のために”と取っておく店主、
運転手
と様々なスタンスを持つ人々が描かれる。

うん、慣習を守ることを信条とする人、強要する大人もいれば、
あまり気にしない人々もいるんだね。
監督ご自身も、このような国の出身で、USAに留学しているから、皆が皆、この学校で強要されていることに甘んじているわけではなさそうだ。

一夫多妻制も、
アフリカのある国は第一夫人が許可しないと、第2夫人を娶れないとか、
江戸・明治~昭和初期の日本や、昔の中国では、妾がいることが男の財力の証で、正妻はそんな妾をうまく管理することが”よき御寮さん(妻)”の証だったとか、
それぞれの国、時代で変わってくる。
通い婚が普通だった平安時代は、地位は男性に、財産は女性に受け継がれていたから、お互い佳き伴侶を得るために、簡単に他に乗り換えるし、多夫多妻状態もあったようだ。勿論、そこには相手を引き留める駆け引きもあり、相手の不実をなじっている人もいたけれど。
この映画のサウジでは、姑の力が大きくて、基本、日本の武家社会と同じで、跡取りとなる男児を得ることが目的とは切ないね。
女性は子を産む道具という発想なのかな?それは今の日本にも残る発想。

サウジの風習を見られて面白かった。

そして、
この少女を慣習をものともしないで自由へはばたくとみるとすがすがしい映画。
でも、私的には、少女の振る舞いがあざとすぎて、ちょっと評価を下げてしまった。

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とみいじょん

3.0サウジ版「赤毛のアン」って感じ?

2020年6月25日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

2013年岩波ホール公開だって。あぁ、そんな感じ。

この映画を観て一番印象的だったのはストーリーではなく、
イスラム文化圏の生活模様でした。

知識では多少は聞いていましたが、
例えばワジダのお父さんが第二夫人探しているとか、
ワジダの通う女子校のクラスメートが結婚しているだとか、
人を区別する物差しとして「部族」があるとか。
今までの自分が見てきたことのない文化、習慣に
衝撃を受けたのでした。

そんな厳格なイスラム教社会でも
ワジダのようなおてんばが抑圧されない位に
変わりつつあるのかな、とも知ることができました。

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nopasanada

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