青天の霹靂

劇場公開日:

解説

お笑いタレントの劇団ひとりが、自身の書き下ろし小説を初監督で映画化。売れないマジシャンの男が40年前にタイムスリップし、生き別れたはずの両親との出会いを通して自分の出生の秘密を知っていく姿を笑いとユーモアを交えながら描く。39歳の売れないマジシャンの晴夫は、母に捨てられ、父とは絶縁状態。ある日、父の訃報を聞いて絶望した晴夫は、気がつくと40年前の浅草にタイムスリップしていた。そこで若き日の父・正太郎と母・悦子と出会い、スプーン曲げのマジックで人気マジシャンになった晴夫は、父とコンビを組むことに。やがて母の妊娠が発覚し、10カ月後に生まれてくるはずの自分を待つ晴夫は、自身の出生の秘密と向き合うこととなる。主人公・晴夫役で大泉洋が主演。劇団ひとりが父・正太郎に扮し、母・悦子を柴咲コウが演じる。

2014年製作/96分/G/日本
配給:東宝
劇場公開日:2014年5月24日

スタッフ・キャスト

監督
製作
市川南
共同製作
石川豊
畠中達郎
見城徹
磯野太
鈴井亜由美
吉川英作
高橋誠
宮本直人
エグゼクティブプロデューサー
山内章弘
企画
川村元気
プロデュース
川村元気
プロデューサー
澁澤匡哉
プロダクション統括
佐藤毅
ラインプロデューサー
鈴木嘉弘
原作
劇団ひとり
脚本
劇団ひとり
橋部敦子
撮影
山田康介
照明
川辺隆之
録音
郡弘道
美術
杉本亮
装飾
田口貴久
編集
穗垣順之助
音楽
佐藤直紀
主題歌
Mr.Children
スタイリスト
伊賀大介
音楽プロデューサー
北原京子
マジック総合監修
魔耶一星
助監督
藤江儀全
制作担当
鎌田賢一
ヘアメイク
横瀬由美
音響効果
大塚智子
衣裳
荒木里江
VFXスーパーバイザー
石井教雄
キャスティング
田端利江
全てのスタッフ・キャストを見る

インタビュー

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

フォトギャラリー

  • 画像1
  • 画像2
  • 画像3
  • 画像4
  • 画像5
  • 画像6
  • 画像7
  • 画像8
  • 画像9
  • 画像10
  • 画像11

(C)2014「青天の霹靂」製作委員会

映画レビュー

3.5長野・上田映劇を取り巻く、あらゆるシーンが秀逸

2020年12月3日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

撮影は2013年なので、もう7年も前のことになります。酷く暑い夏のある日、長野の老舗劇場「上田映劇」での撮影現場を訪れましたが、その周辺一帯が40年前の浅草に様変わりしていた。
監督を務めた劇団ひとり、主演の大泉洋の丁々発止のやり取りがテンポ良く、目を離すことができない。設定として目を見張るような目新しさがあるわけではないが、“あの時代”に対する憶景としか表現できない感情が呼び起こされ、大泉、劇団ひとり、柴咲コウらの安定した芝居を最後まで堪能することができる。

コメントする (0件)
共感した! 3件)
大塚史貴

3.0筋は良いが …

2024年8月6日
スマートフォンから投稿

公開時に観て…気がつけば10年たっていた。

印象は当時も今も同じ
話の筋は良い、良いが
散漫さを感じる。

うだつの上がらない息子役に大泉洋、飽きっぽくぶっきらぼうな父役に劇団ひとり、母役に柴咲コウがいる。何もかも上手くいかない人生、それを出生のせいにする売れないマジシャン轟晴天は、ある日雷に撃たれて自分の生まれる前の世界に行く。そこには父と母の姿が有った。

自分の運命再確認するが、人間の描き方が軽い感じがする。そこに生きている人の深い思いが生かされていない演出が残念だった。

筋は良いだけに惜しい。
初見後10年、忘れられない映画。
雑ささえなければ良作になった。



因みに劇場の支配人役で出演している風間杜夫氏は、大林監督の「異人たちとの夏」で、父母の時代にタイムスリップする息子役を好演している。こちらは内容・演出・演技共に良く、ノスタルジー溢れる映画だった。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
星組

5.0劇団ひとりすごい!

2024年6月6日
iPhoneアプリから投稿

劇団ひとり&大泉洋、最高の2人でした!

コメントする (0件)
共感した! 0件)
こじたん

5.0心にしみるファンタジー

2024年4月12日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

幸せ

劇団ひとりさんの小説「陰日向に咲く」を読んだことがある。
「泣いてもいいですよ」というコピー 不覚にも泣いてしまった。
この作品も知ってはいたが、タイトルに魅力を感じず、今まで見ていなかった。
しかし、また不覚にも泣いてしまった。
主人公の轟晴夫はマジックバーで働きながら貧しい生活をしていた。TVでは後輩が活躍し、プロデューサーを連れて店にまでやってきたが、晴夫にもうやる気は見られない。
同じバーテン仲間に、「母はオレを生んで男と逃げた。二人が出会ったのがラブホテルの清掃、親父とは高校卒業以来会ってない」
荒川警察署から電話がかかってきて、お父様が亡くなったと告げられ、仕方なく遺骨を引き取りに行く。
親父が死んだ場所 浮浪者の住む段ボールハウス。その中で見つけた「小さな自分と父の写真」
思わず漏らした本音「生きるって難しいよな。毎日みじめだよ。オレって何のために生きているのかな。なんで俺なんか生きているのかな…」
そうつぶやいた直後、落雷に打たれて倒れる。
少年たちにつつかれて顔を上げると、少年が持っていた新聞紙には「昭和48年10月5日」の文字。
どこかの路地の階段に座り暇つぶしにコインマジックをしていると、それを見ていた少年に声を掛けられる。
こうして晴夫は浅草ホールで芸人として働き始める。
彼のアシスタントとしてエツコが指名される。エツコはもともと「チン」のアシスタントだったが、彼の失踪で晴夫のアシスタントになった。
やがて晴夫は、少年の得意芸から、彼はバーで働く仲間ではないかと気づく。
そして美人で気さくなエツコにほのかに恋心を抱くが、彼女はチンと同棲中だった。
警察に補導されたチンを迎えに行く晴夫。
チンは、親父だったのだ。事の次第がわかってきた晴夫。チンと組んで「ペペとチン」というコンビで売り出す。二人はお互い癇に障る仲だったが、次第に名コンビになる。
エツコの臨月も近づいたころ、彼女は胎盤剥離で入院する。これがどんなものかをチンは医師に教えられ、彼は芸人というおぼつかない仕事を辞めてラブホテルの清掃員として働く。
一方TVという大きな媒体に挑戦し始めた晴夫は、途中で抜けたチンを横目に「轟晴夫」として最終オーディションへ。
5月10日 晴夫の誕生日 オーディションは順調に進み、病院では分娩室で必死の出産が始まった。
晴夫はこのオーディションへ行く前に、エツコの病室を訪れる。
エツコは晴夫と出会ってから彼の不思議な言葉が彼女のアンテナに引っ掛かるようになる。
巨人のV9 ユリゲラー… 彼女は未来を見通すことができると思われる晴夫に「この子の将来」を訪ねる。
晴夫は彼女に彼の少年時代を話す。同時に自分は何もかもうまくいかないけど、その人生をどれだけ母が望んでいたのかを知る。
そして彼女にこう伝えた「エツコさんは生きる理由です。そんな母さんの子供に生まれてきてよかった。そう思います」。
最後のオーディション 空中に浮かぶあの「紙の花」 それがバラに変わり…
分娩室では「おぎゃー」という鳴き声…
突然の落雷…
バラを持ったまま、消えてしまった「晴夫」
気が付くと彼は元の世界に戻っていた。
電話が鳴る 荒川警察が「浮浪者のいたずらで、遺骨を返してほしい」
そこに現れた「父」 「あ~あ、あんなこといわなきゃよかった」
そこでちょっと時間が戻り、河川敷でチンと話す晴夫 「ありがとう」
少々終わり方が今一つなのだが、劇団ひとりさんらしい心温まるストーリーだった。

バックトウザフューチャーのように過去に行って親に会うという型はいくつもある。
しかしどれも「現実を変えよう」というのが根幹にある。
晴夫もまた「子供を堕せ」と現実を変えようと叫ぶが、必死になって生きている親を見て、それ以上は何も言えなくなる。
晴夫は、チンとは組まずに自分の芸で舞台に立つ。彼らの奮闘に関わろうとしない。
それは、母エツコとの会話がそうさせたのだろう。
「生きる理由」
いまの自分がこうなってしまったのは両親の所為。
この考えを変えたことで、彼は生まれ変わったのだろう。
そして現実は何も変わってはいない。
変わったのは「オレ」なのだ。
父が嘘をついて息子を呼び出したことをきっかけに、天の母は雷となって、晴夫の性根を叩いたのだろう。
美しい物語だった。

コメントする 1件)
共感した! 7件)
R41