脳男

劇場公開日:

解説

生田斗真主演で、第46回江戸川乱歩賞を受賞した首藤瓜於の同名小説を映画化。並はずれた身体能力を誇りながら、生まれつき感情を持たない殺人鬼「脳男」の姿を描くアクションサスペンス。都内近郊で無差別連続爆破事件が発生し、犯行には舌を切り取られた女性の全身に爆弾を巻きつけた「人間爆弾」が使われていた。正義感の強い刑事の茶屋は犯人・緑川のアジトを突き止めるが、確保できたのは身元不明の男・鈴木一郎のみ。共犯とみなされた一郎は、その犯行手口の異常さから精神鑑定を受けることになり、担当の脳神経外科医・鷲谷は、一切の感情を表に出さない一郎に興味を抱く。やがて一郎は本庁に移送されることになるが、その途中で緑川が護送車を襲撃。緑川と一郎は逃走してしまう。共演は松雪泰子、江口洋介、二階堂ふみ、太田莉菜ら。「イキガミ」「犯人に告ぐ」の瀧本智行監督がメガホンをとり、「八日目の蝉」の成島出も脚本に参加。

2013年製作/125分/PG12/日本
配給:東宝
劇場公開日:2013年2月9日

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(C)2013 映画「脳男」製作委員会

映画レビュー

3.0【”21世紀のスキッツォイドマン達。そして、正義感溢れる”感情なき”殺人ロボット。”激烈な数々の爆破シーンと、表情なき生田斗真と、若き二階堂ふみの姿が印象的な作品。】

2024年11月15日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

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興奮

■都内近郊で無差別連続爆破事件が発生する。
 刑事の茶屋(江口洋介)は犯人・緑川(二階堂ふみ)のアジトを突き止めたが、 確保できたのは身元不明の男(生田斗真)だけだった。
 緑川の共犯者と見なされた男は、精神鑑定を受け、担当の精神科医・鷲谷真梨子(松雪泰子)は、彼の過去を調べ始めるが、そこから衝撃の事実が浮かび上がる。
 男は、入陶大威と言う名の富豪(夏八木勲)の孫で、表情は一切出さないが驚異的な頭脳と体力を持つ男だった。
 そして、入陶大威の主治医(石橋蓮司)から”脳男”と呼ばれていたのである。

◆感想<Caution!内容に触れています。>

・映画としては、豪華キャストで構成されている。
 特に、余命幾許もない緑川を演じた、当時19歳だった二階堂ふみさんは、もっとスクリーンに出して欲しいとさえ、思った程である。

・今作は、尺が2時間と少しだが、原作の余りにも膨大な内容を無理に押し込んだため、主要登場人物の背景(特に、志村(染谷将太)の様な、サイコキラー)の描き込みが足りない気がする。
 脚本の粗さも気になるかな。

・主演の”脳男”を演じた生田斗真さんは魅力的な俳優だが、今作は感情を出さない役なので、苦労したと思う。

 <だが、そんな”脳男”が、且つて弟を志村に殺された精神科医・鷲谷真梨子に対してだけは、”貴方だけが、涙を流してくれた。”と言い、彼女が担当していた志村が世に出た後に、再び罪を犯そうとしていた事を察知し殺害した後に、川に架かる二つの橋の上で対峙し、少しだけ、微笑みを浮かべるラストは、ナカナカだった作品である。
  突っ込み処満載の映画ではあるが、エンターテインメント作品としては一定レベルに達していると思った作品でもある。>

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NOBU

2.5二階堂が痛い

2024年10月22日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:その他、VOD

ここは役者を変えるべきだったと強く思う。見た目も実力もまったく足らなすぎ。

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nky

2.5ありきたりな映画

2024年8月14日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

単純

俳優陣の演技は良かったけど、内容は特に斬新さがあるわけでもなく普通の映画。
松雪泰子好きなんだけど、聞き取りづらい声なのが残念。
見ていて気持ち悪くなるほどの残酷さでもなくそこそこ面白かった。

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mare

4.5感情と意志

2024年8月6日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

2013年の作品
この作品は当時のエンタメ小説を究極まで煮詰めた感がある。
しかし原作とは多少違うようだ。
「脳男」
感情がないと思われた男 イリスタケキミ
財を築いたタケキミの祖父は、息子夫婦がひき逃げされたことと残されたタケキミの奇妙な精神状態に、人を使ってタケキミを訓練し始めた。
実際感情を失ってしまっていたのは祖父だったのかもしれない。
ひき逃げ犯に対する憎悪が、いつの間にかすべての悪に対する憎悪に変わってしまう。
その悪をせん滅するために「スズキイチロウ」を作ったのだ。
しかし山岳トレーナーのイノオは言う。
「人間らしい感情は見受けられないが、自分自身の意志を示した」
リスを手に乗せるタケキミ それを掴みたたきつけて殺す祖父
感情の揺らぎ 悪をせん滅する使命
屋敷で起きた強盗による放火から、自分で始めた悪のせん滅
この作品は、感情のない人間の行動基準を、与えられた使命と感情丸出しの精神科医ワシヤマリコによって描いている。
そして、タケキミという人物の背景と感情のない彼の無表情を「行動」で表現させている。
さて、
幼少時に殺人を犯した緑川ノリコ
友人の水沢ユリア
この二人の連続爆破事件の根拠が希薄すぎ、派手なアクション馬ばかりが目立つが彼女らの動機がわかりにくい。
最後に茶屋が緑川に銃弾数発をぶち込んで射殺するが、そのあとタケキミにも引き金を引く。
彼の心情がそこでよく表現されていた。
しかし、志村の再犯に気づいたタケキミは、志村に何を感じたのだろう?
感情を持たない男には、まるで機械のように人間の感情の揺らぎを関知するのだろうか?
このあたりの設定は興味深いものがあった。
また、
志村の再犯によって、マリコの推していたナラティブプログラムなるものの信頼が失墜する。
このあたりの追い込み方も面白かった。
まだ何も解決されていないことが伺える。
タケキミの「先生の過ちを見逃すわけにはいかないんです」と言った根拠はどこにあったのだろう?
彼は「志村の腕に子供の歯型を見た」と言っていたので意味は分かるが、そもそも志村の再犯を関知していたのだ。
そうであれば、彼女のプログラムにそもそも問題があったことになる。
タケキミは「先生は僕のために泣いてくれた唯一の人だったから感謝している」と言った。
彼は「答え」を教えてくれないのだ。
ずっと嫌がっていた母の新しい治療法 ナラティブプログラム
母はニュースで志村が逮捕されたことを知り、「それをやってみようかしら」というが、そもそも無理になってしまった。
このすれ違いもこの作品の面白さだろう。
連続爆破テロ犯の緑川と水沢 よくわからなかった彼女らの思想 動機
後天的理由で鬱となった人々を助けるための新しい治療法 その欠陥
罠にかかりまくる警察
警察の手から逃げたタケキミ
解決したことなど何もないように思うが、ある種の正しさがあるとすれば、タケキミの思考だろうか?
おそらく感情がない訳ではない彼の思考は、正しいのは何かと自分自身に問いかけながら決めていくのだろう。
それが彼の「意志」
ある意味機械のようでもあり、ダークヒーローの新しい形かもしれない。
何も解決されない中でもひとつひとつ使命を実行していく意志は、今でも人々が彼の存在を求めているように思う。
面白い作品だった。

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