魔性の香り

劇場公開日:

解説

夫の暴力に耐えかねて川に身を投げた女と、彼女を助けた中年男の姿を描く。結城昌治の同名小説の映画化で、脚本は「夢犯」の石井隆、監督は「湯殿山麓呪い村」の池田敏春、撮影は「花と蛇 地獄篇」の山崎善弘がそれぞれ担当。

1985年製作/90分/日本
配給:にっかつ
劇場公開日:1985年12月27日

ストーリー

江坂は仲間二人と小さな出版社をやっている。ある夜、江坂は目黒川に身を投げた女を助けた。女は滝村秋子といい、夫の暴力に耐えかねて家を出たと話した。それから二人の奇妙な生活が始った。二カ月も過ぎると、二人はすっかり夫婦きどり、行きつけの飲み屋でも、いつも二人の姿が見られた。そして秋子は、夫、豊に離婚を迫った。その話に豊は驚いた。というのは、大学病院に勤める豊は、看護婦の三代江とただならぬ関係になり、秋子に離婚を迫ったことがある。しかし、嫉妬深い秋子は離婚にはガンとして応ぜず、家中の家具を金属バットで壊したことがあった。その秋子が離婚を求めてきたのだが、今度は豊が応ぜず、二人でやり直そうと言い寄った。その頃、行きつけの店の客の一人、桑野という男が自宅の風呂場で殺された。事件の前に、店に秋子という女から桑野に電話があったそうで、さらに現場には滝村の名刺が落ちていた。秋子のことを思い浮かべた江坂は新聞記者の義兄の青柳に話を聞き、滝村も訪ねた。二人から聞く秋子の姿は、彼女が江坂に話したこととは正反対であった。暴力に必死に耐える女どころか、嫉妬深い女だった。江坂は桑野を殺したのは秋子ではないかという疑いを抱いた。翌日、休日出勤した江坂を、秋子が陣中見舞に立ち寄った。執拗に問いつめる江坂に、秋子は滝村のことはウソをついていたことを認めた。しかし、桑野殺害についてはまったく身に覚えのないことで、江坂にここまで問いつめられ、絶望するのだった。その時、江坂の机の電話が鳴った。青柳からで、殺人事件の犯人が逮まり、滝村の内妻の三代江の犯行だったという。秋子を落し入れようとする三代江の罠だった。秋子がいなくなったことに気付いた江坂は屋上に駆け上ると、手すりを飛び込える彼女の姿が見えた。

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映画レビュー

3.0天気雨 魔性の、香り

2022年4月16日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

 1986年、一線を退いて数年経った70年代のスーパーアイドル天地真理が、ロマンポルノに出演したのだが、既に大した話題ならなかった気がする(畑中葉子の方が話題になった)。名古屋の駅前にっかつで見たのではないか。当時は天地真理というより傑作「天使のはらわた 赤い淫画」池田敏春の新作として見に行った。内容は全く覚えていないが作品には満足した記憶。そもそもファンでもないし綺麗だと思っていなかった天地真理が、ラストに微笑んだんだと思う、その笑顔がキラキラ光って美しく見えた。
 公式タイトルは「魔性の香り」しかし画面に写った文字は「魔性の、香り」だったように思う。

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またぞう

3.0ぼくらのマリちゃん

2019年6月1日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

 70年代、国民的アイドルだった天地真理のヌード、濡れ場で話題となった作品。原作は読んだことないけど、石井隆脚本なので安心して見られる。マリちゃんが投身自殺を試みて、それを助けたジョニー大倉。これをきっかけに二人の生活が始まるのだが、夫にDV被害を受け、いつもストーカーがいる気配がすると訴えるマリちゃん。やがて正式に離婚してもらい、結婚しようと思ってた矢先に、斉藤洋介が殺されるという事件発生・・・

 自然な感じで同棲生活がスタートする展開がとてもよくて、一人じゃないって~♪と思わずメロディが浮かんでくるくらい。その嬉しそうな表情からはとても魔性とは思えないのだが、殺人事件の現場にマリちゃんの夫の名刺が落ちていたことから疑心暗鬼へと変わる展開もぞくぞくしてくる。

 ヌードがどうとか言うより、金属バットを振り回すマリちゃんの顔が怖い。アイドル時代の幸せいっぱいの歌からは想像できない表情でした。そして悲しい結末。演出次第ではかなり泣けてくるはずだ。

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kossy