八日目の蝉のレビュー・感想・評価
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NHKドラマ版との比較
酷い。時間返せ。金返せ。
NHKドラマ版を再放送した方が数100倍面白い。
ドラマ版と比べて、子供との幸せな時間が長く感じられない、愛情の深さが伝わらない、何もかも短い浅い。
深く長いから、最後に感動するのに、短く浅いと、永作の演技力だけで感動するしか無い、それはあまりにも、お客にも永作にも酷な要求。
完璧な母親とは彼女のこと
たとえそれが誘拐だったとしても、誰よりも子供へ愛情を注ぎ、子供を想っていた。
時代は違うものの、永作さんと井上さんからは本物の親子のようなものを感じた。
過去の数年間、大事な幼少時代を一緒に過ごした女性と同じ道を進んでいる主人公、というのもまた親子を感じるシーン。
最後の永作さんが警察に連行されるシーンでの「その子、何も食べてないんです」で涙が止まらなかった。
心に残ります
小池栄子演じる千草の存在が・・原作とTV版とは異なってこの物語に大きな影響を与えています。小池栄子良い演技です。
何か一物を持ってエリナに近づいていく・・ちょっと気持ち悪い感じとかそのくせどこか悲しみが漂ってくる感じ・・すごく伝わってきました。
誘拐された女(希和子)を本当の母親と思い過ごした幼少期。。無理やりその母親と引き離され本当の両親だがそう思えず(当たり前ですね・・)生きてきた今までの自分の人生。その人生をリセットする為には封印してきた希和子との過去と向き合うしかなかった訳ですが、、やっぱり千草の存在なしでは前向きに考えられなかったのでは??と思ってしまいます。
希和子役の永作博美や井上真央が注目されましたが、、私は断然小池栄子の
演技が光ってたと思います。。
逮捕前後が印象的
NHKのドラマ版を観た後にこれじゃ
善悪を超えた愛情
総合:90点
ストーリー: 85
キャスト: 90
演出: 90
ビジュアル: 75
音楽: 75
誘拐などもちろん許されるものではない。永作博美演じる野々宮希和子は、一つの家族のそれぞれの人生を大きく狂わせた犯罪者であることを否定など出来ない。法的見地から善悪で判断すれば悪であることは明白である。裁判では謝罪よりも礼を述べるなどというのも、その身勝手さを表している。
しかしそのような裁判劇や善悪の判断を見せる作品ではなく、たとえそれがどんなに間違っていようとも、とにかく自分には得ることが出来なくなったささやかな幸せを追い求めて愛情豊かに暮らそうとした疑似親子のせつなさと、それがもたらす残酷さが真っ直ぐに伝わってくる作品だった。彼女にとって薫は全てだったのだというのがよくわかる。野々宮希和子も井上真央演じる秋山恵理菜も、そんな単純な善悪で割り切れないからこそ苦悩し何年たっても忘れることが出来ないし、だから島を訪ねることになる。誘拐事件以降普通ではなくなってしまった本物の家族との生活を経験した彼女にとって、無償で本物の愛情だけをもって接してくれたのは皮肉にも誘拐犯だったのだから。起こってしまった過去の事実は消せないし、疑似の親子とはいえ一緒に愛情を持って過ごした四年間は二人にとって本物であろう。
そしてそれを演じきった二人の演技力に引き込まれた。緊張しながらたどたどしく接近してくる小池栄子や、薫役の子役も良かった。物悲しく儚い物語を紡ぎながら、いつ発見されるかと怯えながら生きることを表す演出力も見事。
今の大河の主役を井上真央にやらせたい
命を奪ったら死刑なのに、心を奪っても死刑にはならない
映画「八日目の蝉」(成島出監督)から。
何年も何年もの長い間、地中で生活するのに比べ、
地上に出てから七日しか生きられない蝉に対して、
もし、八日目を生きる蝉がいたとしたら、
それは悲しいことなのか、素晴らしいことなのか。
角田光代さん原作「八日目の蝉」も同じことを問いかけている。
今回の一言は、親子の絆が育まれる大切な期間、
生まれてから4歳までの間、わが子を誘拐された母親の叫び。
体は戻ってきたが、心は奪われたままで、なついてくれない。
母親にとって、こんな辛いことはないのだろう。
「命を奪ったら死刑なのに、心を奪っても死刑にはならない」
こんな台詞が心に響いた。
しかし、どうしてあの時、あんなちっちゃな乳児を置いたまま
ご主人と車で出かけたんだろう?、私の疑問も残ったままだ。
心配ではなかったのだろうか、その謎が解けない。
P.S.
実はこの気になる一言、恋愛でも使えそうだ。(笑)
「命を奪ったら死刑なのに、心を奪われても死刑にはならない、
君は罪深い」・・なんちゃって。
解決できないことってあるんだなって思います。
感動作ではあると思うし、内容としてはかなり見ごたえありました^^受け取り手によってかなり印象が変わる作品だと思います。
少し作品の主題とズレるかもしれませんが、私は登場人物たちを取り巻く環境が気になりました。赤ちゃんを誘拐し、エンジェルホームや離島の人々の温かさ触れながら子供を育てることができた希和子。一方恵理菜や千草は周囲の偏見の目によって、気苦労のある生活をして育っていたり。滑稽なものだな、と悲しくなりました。本当の親が恵理菜を抱えてマスコミ陣に囲まれるシーンも印象的です。
なんとなくこういう作品を見ると、じゃあ誰が悪かったんだろうって思います。もちろん誘拐は犯罪です。不倫も良くないです。でも何となく熱くなって観入ることができませんでした。妙に冷めた感じで観てしまう。あぁ、現代日本の映画だなって感じ。
演技はどの役者様も素晴らしかったです!
他の方の感想を読んで、またゆっくり見たいと思います。
許されない家族愛
永作博美と井上真央へお互いへの許されない愛情が、痛いほど伝わってくる作品。2回目だったけどやっぱり泣けた。
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この映画を見て、家族って一体何なんだろうってすごく考えさせられました。血のつながりがあるからといって真の「家族」にはなれなくて、そこには愛情とか、一緒に過ごした時期や時間っていうものが重要なんだなって。
映画を見ている途中、本当に悪いのは誰なんだろうって何度も考えました。確かに一番悪いのは犯人で、彼女が不倫もせず、誘拐さえしなければ誰も不幸にならずに済んだはず。でも、育てられた「薫」にしてみたら、犯人は愛情を注ぎ育ててくれた母親で、大学生になった今も心の底では彼女の愛情や彼女との思い出を懐かしみ、できることなら何も知らず幸せだったあの頃に帰りたいって思ってるはず。
映画の冒頭で、犯人が証言台で話してるシーンがありました。「薫を育てさせてくれたご両親に感謝している」と言った意味が、初めはよくわかりませんでしたが、最後まで見てその言葉に込められた想いがはっきりとわかりました。短かったけれど、薫との幸せな時間は、子供を産むことができない犯人にとって、一生のうちで本当にかけがえのない時間だったのでしょう。
ちなみに、永作博美がすごくハマリ役だって思いました。薫と幸せな時間を過ごしながらも、どこかいつも寂しく切ない表情をしていて、警察に連れて行かれる最後の最後まで薫への愛情を貫いたところシーンでは、涙が止まりませんでした。
本当に深い映画でした。見てよかったです。
産みの親か育ての親かそれは誘拐犯なのか
ほんとうの主演女優賞は
皆さん、こんにちは(いま3月19日pm5:15頃です。
日本アカデミー賞をとりましたね。
僕は日本の映画はそれほど見ないのですが、どれくらいのレベルかな
と思って見てみました。
それに永作博美も井上真央も好きな女優ですだから。
特に井上真央はNHKの朝のドラマ「ひまわり」で、うまい役者だな〜と
思っていました。永作博美は前に3本くらい見ていて、独特の存在感を持ってましたね。
でも、この映画のほんとうの主役はかおる役の渡辺このみちゃんでしょう。
男の子の洋服を着た5歳くらいの女の子。
この可愛さがなければこの映画が成立しない。
そして、その後のかおるになる井上真央も生きてこない。
そのお母さんたる永作博美の思いも生きてこない。
そんなこのみちゃんこそ、この作品の主役だと思いました。
それとそのルーツの場所を旅するときの船上で流れた曲
ビーチハウスの「ゼブラ」。
去年のフジロックで見た聴いた曲だ。
アルバム全体で聞くとちょっと重たいのだが、
こういう場面ではすごくいい曲だなと再発見したのでした。
とにかく、この映画。ストーリーテリングといい、
映像といい、役者の熱演といい3拍子そろった映画でした。
もしも誘拐犯が良い人だったら…
ドリフのコントになりそうな題材だけど、奥が深い作品だ。もちろん誘拐は犯罪である。誘拐を肯定するつもりは毛頭ないが、4歳の子には理解できないだろう。まして愛情を持って接してくれていれば、その子にとってみれば母親以外の何者でもない。それを法律は無情にも引き裂く。「その子はまだご飯を食べてないんです」逮捕された時に叫んだ言葉はまさに母親の言葉だった…。
誘拐された悲劇、母親(誘拐犯)と引き離される悲劇、実の母親と打ち解けられない悲劇、悲劇の連鎖だ。だが、本当の悲劇はこの子の事を本気で考えてあげる人がいなかったことではないのか?誘拐犯の愛は所詮自己満足に過ぎない訳だし、実母の被害者意識に子は入っていない。不倫相手には家族がある。この子を第一に考える愛がどこにも無い。それが一番の悲劇だ。そんな悲劇に絶妙な立ち位置で存在する人がいた。小池栄子である。彼女なくしてこの映画は成り立たないのではないだろうか?なぜなら、彼女だけが真の愛をカオル(井上真央)に向けた唯一の人だからである。
心に残る名作!
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