八日目の蝉のレビュー・感想・評価
全201件中、101~120件目を表示
小説も読んだ・・
直木賞作家の角田光代の小説が原作。原作が良くて役者もいいと当然映画も素晴らしい。作品としてはクォリティが高く、ストーリー性もあり、最初から最後まで涙無しには観られない。小さく幼い薫は可愛いし、小豆島にも行ってみたくなる。2011年の邦画。
愛されないと愛せない
地上に出ると7日で死んでしまう蝉。8日目を生きる蝉は、一人ボッチかもしれないが、誰も見た事の無い世界を見るかもしれない。
生まれて4歳まで誘拐犯に育てられた恵理奈は、誰も経験した事がない幼少期を過ごし、8日目の蝉のように一人ボッチで苦しんでいた。
娘を誘拐された本当の母、恵津子は夫の浮気相手であり、娘を誘拐した希和子への恨みと嫉妬に捉えられていた。
希和子との4年間を辿る旅で、恵理奈は希和子が自分を愛してくれていた事を思い出し、愛とは何か、人を好きになるとはどういう事かという事に気づき、これから生まれてくる自分の子供に愛を与えて育てる事を決心する。
本当の親ってなんだろう。娘が生まれて親になった今では、何度も何度も...
本当の親ってなんだろう。娘が生まれて親になった今では、何度も何度も考えなおすストーリー。もちろん実親の立場としてはあるまじきこと。私の妻などは本当に気分を害する話らしい。
ただ私自身も実の親にあまり良い思い出がない以上、本当に自分のことを愛してくれる別の存在がいたら、単なる犯罪者としてその人の意義を否定できるだろうか。永作博美の演技力の高さから、彼女が母親そのものを演じきったので、与えられた命題は大きかった。
母親と思って過ごしていた人が実は自分を誘拐した誘拐犯だったという衝...
母親と思って過ごしていた人が実は自分を誘拐した誘拐犯だったという衝撃的なストーリー。
誘拐されていた娘は、本当の家に戻ってきましたが、本当の家族なのにうまくいかず、家を出でて、一人暮らし。
そしてさらに誘拐犯の母と同じく不倫相手の子を身ごもってしまい、生むと決意している。
八日目の蝉のタイトルの意味については、
蝉は地上に出てから七日で死んでしまうのが普通だが、八日生きた蝉もきっといて、その蝉は仲間の蝉がいない中、孤独に一日を生きている。
だけど、他の蝉が見ることができなかった景色を見れているんだ、と。
その八日目の蝉と自分を主人公が重ねているということですね。
登場人物の誰の気持ちになっても心が重くなります。。
誘拐犯の母と誘拐された娘の再会シーンが見たかったです。
男も女もない世界で
不倫相手の子を中絶した希和子がその相手の娘を誘拐し、4年間愛情たっぷりに育てるが、逮捕。その後成長した誘拐された子・恵理菜がかつて2人ですごした場所に訪れる話。
誘拐は決して許されないことだけど元を辿れば本妻・恵津子があんな言葉を言わなければ良かったわけで、もっと元を辿れば「ちゃんとする」と言ってちゃんとしない旦那のせいでもあるし。希和子も恵津子も恵里菜も全員その男女関係のねじれよる被害者。
なので、逃亡する希和子と薫が男も女もない場所で過ごしていくのも納得。最初に匿われる女性だけの園"エンジェルホーム"が駆け込み寺であり、その後小豆島で男の子の服を来て育つ薫。女だけの世界で最初に育ったから男女の概念を希和子に教えられる薫、その後千種に一緒に母親にならないかと言われる恵理菜。
男女の関係の無い場所がどんなに心地が良いかを示しながらも、それがミサンドリー(男性嫌悪)になりかねないことも提示している。ささやかな女性同士の絆の話でもあった。
これはひどい。
極悪映画です。涙を搾り取られました。
細部までしっかり作りこまれていて
この監督の作品はいつも引き込まれますが
この『八日目の蝉』は群を抜いていました。
原作、テレビドラマ版も観て
それぞれのよさも感じましたが、
やはり、映画版は女優陣4人が凄すぎ。
まさに火花散る感じで
凄まじいオンナの闘いを演じていたように思います。
シンボリックに描かれる小豆島が本当に美しく
この映画の象徴になっています。
本当に文句のつけ所のない映画だと思います。
それにしても、井上真央ちゃんの
眼力(めぢから)と、
ビックリ顔はやっぱり印象的にも程がありすぎ。
子供の世界は狭い。引越しで慣れた環境、大好きな友達から離れることが...
子供の世界は狭い。引越しで慣れた環境、大好きな友達から離れることがどれだけ不安で怖いことか分かる。でも本当は親じゃないけど薫にとっては親だった希和子は唯一無二の存在だし希和子にとって薫は唯一無二の愛しい宝だった。引越しを拒否する薫と、それでもなんとか言いくるめて島を出ようとする希和子。お互いの大事なものがかかっていて、そして皮肉にも「もうすぐ離れ離れになってしまうんだろうな」と嫌でも察してしまう。だから涙が出てしまった。
とても薫役の渡邉このみちゃんが可愛かった。井上真央の演技も良かった。
この映画を通して感じたことは、普通の家族や家庭を持つことがどんなに大変で素敵なことかということ。子供はまだいないが、子供を育てることが大変だということは経験や知識が少ない今でも少しなら分かっているつもりだ。夜泣きや教育、反抗期……。しかしそれでもなんとか乗り越えて、愛しい子に色々なものを見せて触れさせてあげたい。そして、乗り越えてそんなことができるような家族や家庭を築きたい。そんな想いを再確認することができた映画だった。
また恋愛や子供で失敗したり不安な時がきたら、この映画を見よう。そして原点に帰ろうと思う。私にとっては特別な映画なので、星は5つにしました。
普通の家族になる難しさ
不倫相手との間に出来た子どもをおろし、正妻が産んだ子どもを誘拐し育てる。普通に考えたら最低な行為ですが、永作さんが必死で薫を育てる様子を見て警察に見つからないで欲しいと願ってしまいました。
えりなちゃんより薫の方がしっくりくる。
薫と居られる毎日を祈る様子にじわっときました。暗い内容の映画はあまり好きではありませんが、永作さん、井上真央ちゃん、小池さんそれぞれとても良い演技をしていて引き込まれました。
遠くを見つめる虚無感な目
女優陣の熱演に好感が持てます
個人的に井上真央ちゃんって明るい役のイメージが多かったけれど、
この作品のようなとことん陰のある役もハマっていました
何も見えていないような
遠くを見つめる虚無感な目は
とても印象深いです
永作博美さん悪者なはずなのに
途中から応援したくなるほどキュートで
健気で愛を注ぐことに一生懸命な
お母さん役素敵でした
小池栄子さんの演技も
支えてくれてありがとうと
見ているこっちが自然と感情移入してしまうくらい
魅力的でした
あんたは何も悪くない、も染みました
誘拐犯の気持ちも
実の母親の気持ちもわかります
お互いの言い分も
納得できるし。
結局一番悪いの男なんじゃない??
とか思ってしまったり
人を愛することはとても自然なことだし
誰かに干渉されるべきことではないと思うけれど、
不倫はやっぱりアカンですね!!!
あと、劇団ひとりさんの起用には本当に謎です
ひとりさん自体はなにも悪くないのですが、ひとりさんはバラエティーのイメージが強いので、映画の印象のためにも配役もう少し考えた方がよかったのでは?
そこ以外はよかった
身柄確保のシーンは泣いた
邦画で一番好きな作品
普段は洋画ばっかり観ているが、この八日目の蝉は、原作を読んでおもしろかったので劇場へと足を運んだ。
永作博美の演技や小豆島の美しい風景に、作品の中にひきこまれ、涙涙でした。
幼少期の愛が子どもに大きな影響を与える大切な時期であることを感じます。
誘拐犯、子どもをとられた家族のどちらの視点から見てもとても胸がしめつけられる。
原作もかなり好きでしたが、この作品は珍しく原作を超える作品に仕上がっていると思いました。
見上げてごらん夜の星を
1つの誘拐事件の背景にはひとりひとりの心の揺らぎや葛藤や愛情が事細かにあり、勿論誘拐は悪いけれど、一概に誰が悪いとも言えない心の機微がある。邦画の良さが存分にあった。
実の母の性格ではもとは優しい性格の父親が浮気するのもわかるし、浮気相手が誘拐に至るまで精神的に追い詰められたのもわからなくもないような。
とはいえ、奪われた我が子が4年もの空白期間に濃密な時間とありったけの愛情を注がれて戻ってきて、気が狂いそうになる母親の気持ちもわかる。星の歌の場面など、母親が変わって起こる事が具体的に描かれていた。
幼い頃の養育状況がどれだけ人生に影響するかが、井上真央と小池栄子どちらからも強烈に伝わってくる。
不倫を否定する事は、自己の存在否定に繋がるから、井上真央は無意識に歴史を繰り返し、不倫に抵抗がないのだろうか。
永作博美も井上真央も2代にわたり、自分のところに来た赤ちゃんに救いを貰い、愛情や助けを求めたり、心を開く事を覚えていく。
皮肉にも、子供にとってその綺麗さが鮮烈な経験となった松明を持って練り歩くお祭りの日が、永作博美と井上真央を引き離し、また愛されていた4年間の記憶を蘇らせるきっかけにもなった。松明が2度にわたり真実をあぶり出す。
しかし、えりな、かおる、リベカ、リカといくつも呼び名があって大変やなぁ。
「八日目の蝉」を観て・・
2011年に公開された邦画ではNo.1かも知れない。共演の永作博美、井上真央の熱演も良いし、直木賞作家の角田光代による原作小説のストーリー展開もすばらしい。小説を先に読んでDVDを観た。地上に出た蝉は七日しか生きられないが、もし八日目に生きていたらこの世に美しいものが見られるか?
ここからはネタバレになるかも・・
不倫相手とその妻の子を誘拐した希和子は、その女の子に薫と名付け、4歳に成るまで二人で宗教施設や小豆島で逃亡生活を続ける。
けれども薫は警察に保護され、本名の恵理菜は21歳に成るまで心を閉ざしたまま親元を離れてアルバイト生活をする大学生に・・
しかし本人も不倫相手の子を妊娠する。そして、かつて4歳まで育った小豆島に行ってみる。そこで幼い時の想い出が徐々によみがえる。小説ではラストにフェリー乗り場で希和子とスレ違うが、映画では子供を生んでシングルマザーとして生きていくことを決意するシーンで終わる・・
この作品は母親と子供の絆が、たとえ血がつながって無くても深いものであることを感じさせ、涙無くしてはとても全編を最後まで観ることが出来ない。人の幸せは人の不幸の上に成り立っていることも知る。世の中の人みんなが同時に幸せになる訳ではない。いろいろ考えさせられる作品だ・・
全201件中、101~120件目を表示