原作は読了。これだから実写化した邦画は苦手。どう観ても"演技"している。舞台ならこれで良いが、映画は違うと思う。
藤原竜也の演技、ちゃんと初めて観たのだが確かに上手い。表現も表情も素晴らしく良いが、上手さのベクトルが少し違う。"舞台"で見せるカイジだったら、満点と思う。
大事なセリフの雰囲気はちゃんとカイジしているが、映画としての評価は個人的に難しく感じる。
藤原竜也の整った顔立ちからか、カイジの雰囲気が違い過ぎる。もっとクズっぽい、ギラついた目と尖った感じが欲しい(鼻の話ではなく)。松山ケンイチの佐原もそう。2人共、どうしても優等生的な雰囲気が見え隠れしてしまう。
利根川は大柄なイメージだったので、小さな香川照之では小物に見えてしまう。上手いんだけどクセのある演技は少し違う感じだった。
唯一、光石研の石田はドンピシャな配役。弱々しさもとても良かった。
若い鈴木亮平が黒服役で放つオーラが、一際目立っていた。
で、遠藤はどうして天海祐希??うーん。
尺にまとめたのはとても上手く、実写では表現や視覚的に難しい場面も綺麗に端折っていて好感。脚本、演出も予想を一応上回っていて良かった。
原作"カイジ"ファンには中々の厳しい出来。原作未読でカイジの雰囲気を味わい、ここを原作への入口としてなら満点かも。と、なんだかんだ言いながら、とりあえず続編は観たくなった。