ウルヴァリン:X-MEN ZERO : 特集
人気アクションシリーズ「X-MEN」の最新作にして、主人公ウルヴァリンの秘められた過去を描く「エピソードゼロ」ともいえる始まりの物語を描く「ウルヴァリン/X-MEN ZERO」が9月11日より公開。全米では5月のサマーシーズン幕開けとともに封切られ、初登場ナンバーワンのヒットを記録。早速続編製作も決まった「ウルヴァリン」の注目すべきポイントとは? さらに、ヒュー・ジャックマンのインタビュー動画、本編冒頭の映像配信もあわせてお届けする。(文・構成:編集部)
「ウルヴァリン/X-MEN ZERO」の要注目な3つのポイント
【その1】いま最も勢いのあるハリウッドスター、ヒュー・ジャックマンが原点回帰!
ハリウッド最大の祭典、アカデミー賞授賞式で司会者を務め、演技だけではなく歌って踊れる才能と人柄のよさで、世界中の映画ファンの賞讃を浴びたヒュー・ジャックマン。今やハリウッドの大スターとなった彼だが、実は彼がブレイクする契機となったのは「X-MEN」シリーズ第1作だった。
それまでは母国オーストラリアで活躍していたジャックマンは、この「X-メン」でハリウッドの注目を集め、この後はメグ・ライアン共演の「ニューヨークの恋人」、VFXアクション大作「ヴァン・ヘルシング」、ウッディ・アレン監督の「タロットカード殺人事件」、ニコール・キッドマン共演の「オーストラリア」とアクションだけに留まらず、ドラマ、ラブロマンスなど次々に話題作に出演、ハリウッドで不動の地位を確立したのだ。
またジャックマンの活躍の場は映画だけではない。ブロードウェイでも活躍し、04年にはミュージカル「ザ・ボーイ・フロム・オズ」でトニー賞ミュージカル部門の最優秀男優賞を受賞。昨年11月の米ピープル誌が読者投票で選ぶ「最もセクシーな男性」では第1位を獲得している。そして、これほどの人気者なのにゴシップがない。まさに誰もが認める正統派ハリウッドスターといえるだろう。
そんな彼が、初めて映画の製作を担当し、主演する作品として選んだのが、本作「ウルヴァリン/X-MEN ZERO」。彼がハリウッド映画第1作「X-メン」で演じた役、ウルヴァリンの「X-メン」以前を描くもの。まさにヒュー・ジャックマンが「原点」に立ち戻ったのがこの作品なのだ。
【その2】「ウルヴァリン」は人間ドラマが深い!
本作が生まれたのは、ヒュー・ジャックマンが「X-MEN」シリーズ3作でウルヴァリン役を演じているうちに「ウルヴァリンの過去には描くべき物語がある」と考えるようになったから。たしかにウルヴァリンの「X-メン」以前の半生はドラマチックな出来事に満ちている。少年時代に起きた父親との衝撃的な事件、半分血の繋がった兄との確執、恋人との出会いと悲しい別れ……それらの人間ドラマが本作で描かれていく。
この人間心理、複雑な感情を描くために、ヒュー・ジャックマンは、アクション監督ではなく人間ドラマを描く新鋭監督を大抜擢した。その監督が「ツォツィ」で南アフリカの貧民街で強く生きていこうとする少年を描き、07年度アカデミー外国語映画賞を受賞したギャビン・フッド。ジャックマンは「ツォツィ」を見て「主人公の少年が、ウルヴァリンと同じように自分自身と戦っていると感じた」と語っている。
さらにこの人間ドラマの密度を高めているのは、ウルヴァリンの兄であり宿敵でもあるセイバートゥース役を、ジャックマンの実生活の親友である演技派俳優で、ナオミ・ワッツのパートナーとしても知られるリーブ・シュレイバーが演じたこと。親友でもある演技派俳優同士の演技対決が、ウルヴァリンとセイバートゥースの複雑な心理的対決と重なり、ドラマにさらなる奥行きを与えている。
【その3】次回作は日本に!シリーズのファンも楽しめる小ネタが満載
まず、今回の物語は「X-MEN」シリーズの前を描くもの。これまでのシリーズをまったく見ていなくても、今回のドラマは充分楽しめる。逆に本作を見た後で「X-MEN」シリーズを見ると、楽しさが倍増する。
もちろん、これまでのシリーズを見ていた人なら思わずニヤリの嬉しいネタも満載。ウルヴァリンがなぜ超金属アダマンチウムの骨格を持つようになったのか、彼が着ているライダージャケットは誰のものだったのかが本作で判明。そしてサイクロップス、ストーム、ナイトクローラーら、これまでのキャラも少しだけ登場。さらにある大物キャラがカメオ出演する。
映画ファンなら、人気女優スカーレット・ヨハンソンの夫、ライアン・レイノルズも要チェック。彼が演じるブラックジョークをしゃべりっぱなしの個性派キャラ、デッドプールは、彼が個人的にも大好きなキャラだそうで、いい味を発揮。この人気キャラを主人公にした映画が製作されるという噂もある。
また、イケメン俳優先取り派なら、カナダ出身の新鋭テイラー・キッチュは要チェック。本作で人気キャラ、ガンビットを演じている彼は、「ファインディング・ニモ」「ウォーリー」のアンドリュー・スタントン監督が実写映画に進出するSFアクション大作「火星のプリンセス」の主役に決定した注目株だ。
そして、本作「ウルヴァリン」の続編も製作決定。しかもドラマの舞台はなんと日本! 82年のフランク・ミラーとクリス・クレアモントによるミニシリーズを映画化するもので、ウルヴァリンは日本で忍者としての訓練を積む。日本最大のヤクザ組織ヤシダ組の組長の娘マリコと結婚、彼女は敵に殺されるというストーリー。脚本は「ワルキューレ」「ユージュアル・サスペクツ」のクリストファー・マッカリーが担当。2011年の全米公開が予定されている。