大脱獄(1975)
劇場公開日:1975年4月5日
解説
殺人犯のぬれ衣を着せられた死刑囚が脱獄して復讐をとげるまでを描いたアクション映画。脚本・監督は「直撃地獄拳 大逆転」の石井輝男、撮影も同作の出先哲也がそれぞれ担当。
1975年製作/91分/日本
配給:東映
劇場公開日:1975年4月5日
ストーリー
網走刑務所を脱走した七人の死刑囚達は、猛烈な吹雪と飢え、そして仲間割れで、生き残ったのは、梢一郎と国岩邦造の二人だけだった。錠前職工だった梢は、亭主に死なれて生活に困っていた妹母子を救けるべく、極道仲間の剛田に誘われて銀行強盗の手伝いをした。ところが剛田は警備員を殺害し、自分は仲間の友成、情婦の時子らと結託してアリバイを作り、梢一人にその罪を被せてしまったのだ……。国岩と別れた梢は剛田らの消息を追って札幌へ向かった。途中、腹痛で苦しむドサ廻りのストリッパー、あきを救けた梢は、あきを駅前旅館に休ませ、宿代と医者代を稼ぐため、鉄道の除雪作業作業員として働きに出る。しかし現場を仕切っている梶政が大巾に日当をピンハネしているのを怒った梢は、飯場に殴り込むが、すでに脱走犯だという事がバレていたために、梶政を殴り倒し、金を奪って逃げた。宿に戻った梢は、その夜、宿が警察に包囲されているのに驚くが、警察の目標が自分ではなく、同宿していた殺人犯のやくざ・佐川であったのでホッとする。あきの病気も快復し、梢はあきと別れて札幌へ向かった。やがて梢は時子のアパートをつきとめ、時子の案内で剛田のいる小樽へ向かうが、時子は隙を見て逃げだし単身剛田に会いに行った。しかし時子は剛田に熱湯を浴びせられ、捨てられた腹いせに、梢に、剛田の黒幕は、函館の北海興業社長・松井田で、梢を殺人犯に仕立てあげたのも、また妹母子を轢き殺したのも松井田だと教えた。函館に乗り込んだ梢は、国岩から松井田が一億円の列車強盗を計画している事を知らされた。国岩は、癌で苦しむ母親を安楽死させ、診察を断った医者を殺した尊属殺人の死刑囚として生きる望みもなくなっていた。だが梢だけが自分を友人扱いにしてくれたために、梢には命をかけて役立とうとするのだった。雪野原を驀進する列車の中、国岩の応援を得た梢は、剛田、成田を撃ち殺した。だがこの応戦中に国岩は殺された。雪原を逃がれる松井田を追って激しい銃撃戦。そして梢は重傷を負いながらも松井田に恨みの銃弾をぶち込んだ。薄れていく意識の中で、梢は汽車に乗る直前、街角で見かけたあきの初舞台のポスターに記された劇場のある方向へ、雪を血で染めながら歩いていった。