その男、凶暴につき

劇場公開日:

解説

ヤクザに雇われた殺し屋と、それを執拗に追う刑事との争いを描く。脚本は「STAY GOLD ステイ・ゴールド」の野沢尚が執筆。監督はビートたけしこと北野武、撮影は「この胸のときめきを」の佐々木原保志がそれぞれ担当。挿入歌は、トレイシー(「ガール・ユー・ニード」)。

1989年製作/103分/日本
配給:松竹富士
劇場公開日:1989年8月12日

ストーリー

一匹狼の刑事・我妻諒介は凶暴なるがゆえに署内から異端視されていた。ある晩、浮浪者を襲った少年の自宅へ押し入り、殴る蹴るの暴行を加えて無理矢理自白させた。暴力には暴力で対抗するのが彼のやり方だった。麻薬売人の柄本が惨殺された事件を追ううち、青年実業家・仁藤と殺し屋・清弘の存在にたどり着いたが、麻薬を横流ししていたのは、諒介の親友で防犯課係長の岩城だった。やがて岩城も口封じのため、自殺に見せかけて殺されてしまう。若い菊地は諒介と組むが、いつもハラハラのし通しだった。一方、清弘の仲間たちは知的障害の少女を諒介の妹と知らずシャブ漬けにして輪姦する。諒介は刑事を辞めて、岩城の復讐のために仁藤を撃ち殺した。さらに清弘もアジトで射殺するが、その死体にすがるのは変わり果てた妹・灯の姿だった。諒介は最愛の妹にも引き金をひいたのだった。その時、背後から忍び寄った仁藤の部下・新開が諒介を射殺、菊地に岩城の代わりをさせて麻薬の密売を引き継ぐことになったのだった。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第13回 日本アカデミー賞(1990年)

ノミネート

主演男優賞 ビートたけし
話題賞 作品部門/俳優部門 ビートたけし
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映画レビュー

4.0「凶暴」の前後にある「静穏」

2022年8月13日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
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すっかん

4.5繊細な男による暴力描写

2024年8月16日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

「ソナチネ」も「HANA-BI」も「アウトレイジ」もこの映画がなかったら生まれていなかった。北野武映画の原点である。ただ歩いているだけで、走っているだけで、黙っているだけで、これだけ絵になる男は他にいない。会話を終えた後の一瞬の沈黙。この「間」と役者の表情で語らせる。観客にそれぞれの役者の心境、心情を想像させる。もはやアートである。 暴力描写がこれほど美しく恐ろしく描かれている映画を他に知らない。銃撃戦はどこか「タクシードライバー」を想起させるが、他の映画と比べてはいけない唯一無二の映画なのだ。 本作は急遽代役として監督を務めたらしいが、北野武がこの映画を撮るのは必然だったと思わせる。世界のキタノへの出発点であり、邦画史に残る名作である。

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shin

2.0嫌な気分…

2024年6月23日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

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1980年代後半、日本映画の収益がガタ落ちし、アニメか特撮しか観客が 入らない状況の中、一番の異色として出たのが、ビートたけしこと北野武 監督のデビュー作である、この映画。 思うに、当時の日本映画の主人公は「何となく気の良さそうな男」という 物が多かった。 「フーテンの寅さん」の主人公が良い人で、ずっとヒットしているから、 他の映画でも「良さげな人」を主人公にするみたいな… この「その男、凶暴につき」は、タイトル通りに凶暴な男が主人公で、 改めて見ると、彼は何に対して怒り凶暴なのかの理由は無くて 日本映画に「凶暴な男の主人公」が、いないなら「俺が監督をやって、 俺が主演する!」という形で、この映画になったのではないか? ラストはネタバレになるので、詳しくは書けないが、ほぼ全滅な終わりで 見終わった後に、嫌な気分で暗い感じになる… 黒澤明監督の映画は「人間の業」を描いて暗い感じになる事があるが 「業」と「嫌な気分にさせる」は違う。 しかし、あの久石譲さんを音楽に起用させたのは、この独特の映像美に 魅かれOKを出したのであろう… 映像と音楽の美しさだけで引っ張っていった作品。 この後も、しばらく北野武監督の映画を観続けたのは、やはり作品に ★1では終わらない「何か」が、あったのであろう…?

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777

5.0天才たけしの狂気が出る映画

2024年1月7日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

怖い

興奮

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野川新栄