EO イーオー

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EO イーオー

解説

「アンナと過ごした4日間」「出発」などで知られるポーランドの巨匠イエジー・スコリモフスキが7年ぶりに長編映画のメガホンをとり、一頭のロバの目を通して人間のおかしさと愚かさを描いたドラマ。

愁いを帯びたまなざしと溢れる好奇心を持つ灰色のロバ・EOは、心優しい女性カサンドラと共にサーカスで幸せに暮らしていた。しかしサーカス団を離れることを余儀なくされ、ポーランドからイタリアへと放浪の旅に出る。その道中で遭遇したサッカーチームや若いイタリア人司祭、伯爵未亡人らさまざまな善人や悪人との出会いを通し、EOは人間社会の温かさや不条理さを経験していく。

伯爵未亡人役に「エル ELLE」のイザベル・ユペール。2022年・第75回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で審査員賞を受賞。第95回アカデミー国際長編映画賞ノミネート。

2022年製作/88分/G/ポーランド・イタリア合作
原題:EO
配給:ファインフィルムズ

オフィシャルサイト

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第95回 アカデミー賞(2023年)

ノミネート

国際長編映画賞  

第75回 カンヌ国際映画祭(2022年)

受賞

コンペティション部門
審査員賞 イエジー・スコリモフスキ

出品

コンペティション部門
出品作品 イエジー・スコリモフスキ
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映画レビュー

4.0手堅いプロの技術、豊かな寓話

2023年2月23日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

ともかく撮影技術の面では現在の世界最高峰に連なる作品。目を引かれるのは周到に組み立てられた照明だけど、本当に斬新なのはサウンドデザイン。水滴が落ちる、木々の間を風が吹き抜ける、車のタイヤのきしみ、どれもきちんと考えられ練り上げられたサウンド。

そして物語は、映画史的伝統にしっかりと根ざしていて、複雑な記号の網の目が豊かな読みを可能にしている。文学や哲学の研究者が見ると夢中になるのでは。とりわけ、映画の終盤でロバのイーオーが湖にかかる高い橋をわたって、天国へ向かう途中のような静かな庭園に至る場面は、近年まれな美しいショットだと思う。

ブレッソン『バルタザール』からの広義の翻案だけど、そこに現れる暴力や悪意がむき出しで苛烈なのも、まさにいまの時代の映画として撮られた証拠。

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sayu