さまよえる脳髄
劇場公開日:1993年12月4日
解説
直木賞作家逢坂剛原作の同名小説を映画化。精神神経科の女医と、彼女を取り巻く人間たちが異様な犯罪に巻き込まれていく様を描くサスペンス作品。監督は「遊びの時間は終らない」「難波金融伝 ミナミの帝王」の萩庭貞明。脚本は「良いおっぱい悪いおっぱい」のこがねみどり。
1993年製作/102分/日本
配給:ヒーロー
劇場公開日:1993年12月4日
ストーリー
とあるプールバー。刑事の海藤兼作は、覚醒剤の密売取引現場を押さえようとして、階段から落ち、後頭部を強く打ってしまった。入院した病院には、彼の婚約者南川藍子が勤務していた。彼女は現在、女性を暴行した患者、追分を診察していた。追分は自分を捨てて男に走った母親に愛憎を抱いていて、それによって精神のバランスを崩していた。そんな折、殺害後被害者のまぶたを切り取るという異常な猟奇的殺人事件が起こった。事件と符合するように藍子のもとに悪質な脅迫電話が頻繁に掛かるようになった。海藤はその後、回復に向かってはいたが、ある日、藍子とのセックスの最中、無意識に藍子の首を絞めたことから、脳に異常があることが判明。右脳の人格と左脳の人格がそれぞれ独立して機能するようになっていることがわかるのだった。一方、警察は追分に殺人罪の容疑をかけようとうしていた。しかし、海藤は十年前の殺人事件から新たな事件の鍵を握っていた。それはレズの女が恋人をメッタ刺しにしたというもので、そのとき殺された女の弟が藍子の患者、本間だった。追分、本間、そして海藤と疑わしい人物にかこまれている藍子は、ある晩、海藤の名を名乗った男から病院の階下で待っているという伝言を受けた。行ってみると本間が女装して立っていた。一連の事件の犯人は本間だった。危ういところで海藤に助けられた藍子だったが、そのとき別の人格の彼女が現れる。調べると藍子は生理中に脳りょう機能不全になる体質だった。事件は解決したかに見えたが、海藤と藍子の二重人格症はまだ治っていない。