やじきた道中 てれすこ

劇場公開日:

やじきた道中 てれすこ

解説・あらすじ

“弥次さん喜多さん”コンビと花魁が繰り広げる珍道中を、数々の落語ネタを散りばめながら描いた人情喜劇。弥次喜多コンビに扮するのは、46年ぶりに映画主演を務める歌舞伎役者・中村勘三郎と個性派俳優の柄本明。さらに小泉今日子がヒロインを演じる。品川の遊郭で久々に再開した弥次さんと喜多さんは、売れっ子花魁・お喜乃の足抜けを手伝うことに。同じ頃、大阪では謎の生物“てれすこ”が捕獲され大騒ぎとなっていた……。

2007年製作/108分/日本
配給:松竹
劇場公開日:2007年11月10日

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映画レビュー

4.0キョンキョン最高!

2025年3月12日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

平山秀幸監督の前作「しゃべれども・しゃべれども」は若手落語家の話だったが、今回は、十返舎一九「東海道中膝栗毛」(弥次さん喜多さん)と古典落語から題材を取っての落語のようなお話。でも落語の世界と言うより、しっかり「映画」の世界を作り上げた。

今までの平山監督ものとは違って、コテコテの役者ばかりで、どうなるのかと思っていた。題材に振り回されて「魔界転生」の二の舞にならないかと心配した。私はコテコテの「芝居」が見たいわけではなく、「映画」が見たい。それで主演は、コテコテの中村勘三郎、もう一人は柄本明。見る前から「コテコテ」やな~と思っていた(「テレスコ」でなくコテコテ‥)。

見たら、しっかり映画の雰囲気。さっきの二人はコテコテだったが、ほかの役者もコテコテ。みんな臭いくらい上手い。皆演技の見せ合い。そのなかで勘三郎の姉さんの波乃久里子が女郎宿の女将役をサラッとやっていてよかった。

が、そのなかで一番光っていたのは「キョンキョン」(小泉今日子)だった。なんと自然、なんと艶っぽい。その上堂々としている。この映画は彼女が核。結局キョンキョンのおかげで、この映画の芝居臭さが、中和されて、相方のコンビの勘三郎、柄本が光った。ほかの演技陣もそつなくバランスよくまとまっている。

男二人に女一人の組み合わせの映画は、「冒険者たち」「明日に向かって撃て」と名作があって、私は好きなパターン。この映画もそんな良さが出いている。

ラストの勘三郎、柄本、キョンキョンの川原での掛け合いが、よかった。映画のにおいがする。

キョンキョン最高!

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mac-in

3.0笑える珍道中・・

2016年10月31日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

落語ネタの映画なんですね。「てれすこ」とか「切り指」とか・・今は亡き中村勘三郎の江戸っ子ぶりが良かった。あとキョンキョンは演技が上手く面白いなぁ。柄本明の首つり騒ぎや飲酒騒動も笑った。珍道中の3人の楽しい物語。2007年の邦画。

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亮一君

5.0年季の入った真打ちの落語家が、トリで語る人情話の一席を聞いてているかのような作り込まれた間の取り方で、引き込まれました。

2008年5月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 DVD化記念トーク&イベントで柳家三三師匠から落語版「てれすこ」の一席をききのした。内容は下記のようなもので、これはこれで、結構面白かったです。
・・・・・
随分と昔の話
長崎のとある漁村で、誰ひとりとして名前を知らな
い世にも珍しい魚が網に掛かった。
「名前を知っている者には褒美を取らす」という高札を見た村の外れの男。
この男が「これは『てれすこ』という魚です」と申しでて、褒美を貰う。
男の話にどうにも納得できない代官は、「てれすこ」を干物にして再び男を呼び出し、この干物の名を開いてみた。すると男は、「これは『すてれんきょう』という魚です」と答えたものだ。
「これは前回お前が私に『てれすこ』と申した魚だ。何故干しただけで名前が変わるのだ。不届きものめ」と、男は牢に入れられる。
夫の身を心配した妻は干物断ちをして無事を祈るが、男の罪は死刑と決まった。
最期の望みとして、男は養子を呼び寄せてもらい、こう言った.
「この子が大きくなっても、イカを干したものをスルメと呼ばせるな。また命を取られるわい」
するとそれを聞いた代官は、「なるほど。生でイカ、干してスルメ。同じ魚でも名が変わることもあるわい」と小膝を打って納得した。
そうして男は無罪になった。
・・・・
 上記の落語のネタを膨らませたのが、この作品です。

 お馴染みの弥次さん、喜多さんに加えて、花魁・お喜乃の手玉に取られた弥次さんが、喜多さんと三人で沼津まで下る珍道中は途中もエピソードたっぷり。

 特に酒癖の悪い喜多八が酔いつぶれてて、常軌を逸したときの柄本明さんの演技はすごい迫力でしたね。(写真)
 あと可笑しかったのは、旅に出る前に、役者として芝居の演目でしくじった喜多八が首を吊るシーン。
 首を吊ったものの重さで着地し、助かった!と安堵の顔を浮かべた喜多さんだったが、紐を括っていた石灯籠に野良猫がニャンとも飛び乗ってしまったのです。ネコちゃんの分石灯籠が重くなり、哀れ喜多さんはその重さ分またまたつり上げられてしまいました。
 ニャンのことか知らんぷりの野良猫の無表情と首を吊って必死にもがく喜多さんの表情の対比が可笑しかっです。

 何気なく見はじめたDVDでしたがすご~~く面白かった!です。
 落語にも精通し、『しゃべれども しゃべれども』を撮った平山監督作品だけに、笑いのレベルが高く、まるで年季の入った真打ちの落語家が、トリで語る人情話の一席を聞いてているかのような作り込まれた間の取り方で、引き込まれました。
 ぜひDVDを見てください。
 時代劇に興味のない高校生や中学生でも、これなら気軽に笑えるでしょう。そして面白くも切ない弥次さんの恋もご賞味あれ。

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流山の小地蔵

3.5病み上がりだったそうですが

2007年11月29日

笑える

とにかく柄本明さんがいい味だしてました。腰を悪くして入院した直後の撮影だったとかで、本当は大変だったそうですが、全然わからないほどの熱演で笑えました。

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MAKOLYN