それでもボクはやってない

劇場公開日:

解説

「Shall we ダンス?」の周防正行監督、11年ぶりの新作は、痴漢冤罪事件をテーマにした社会派法廷ドラマ。通勤ラッシュ時に電車に乗っていたフリーターの徹平は、電車を乗り換える際に女子中学生から痴漢行為を問いただされ、そのまま駅事務所、そして警察へと連行される。警察、検察の執拗な取り調べにも、徹平は「ボクはやってない」と答え続けるが……。主演の徹平に加瀬亮、共演に瀬戸朝香、役所広司ら。

2006年製作/143分/日本
配給:東宝
劇場公開日:2007年1月20日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第31回 日本アカデミー賞(2008年)

受賞

助演女優賞 もたいまさこ

ノミネート

作品賞  
監督賞 周防正行
脚本賞 周防正行
主演男優賞 加瀬亮
音楽賞 周防義和
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映画評論

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(C)2006-2007 フジテレビジョン アルタミラピクチャーズ 東宝

映画レビュー

4.5やっぱり、26歳のフリーターって言ってしまうのが怪しいよ。

2024年7月16日
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鑑賞方法:VOD
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When I am 75♥️

4.0日本裁判の恐ろしさ

2023年12月31日
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プライア

5.0いちばん悪いのは痴漢だよ。

2023年8月12日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

怖い

興奮

知的

この映画を見て、自分が、家族が冤罪に巻き込まれる恐怖を感じ、いかに防御しているかを語る方が多い。この映画レビューサイトでもそんなレビューがあるし、他のレビューサイトでは間違える被害者を非難したり(詐欺は論外)、満員電車を非難したり、鉄道会社に対応を迫るものもあったけれど。  「たかが痴漢、そんなもののために自分の人生が破滅させられるのはたまらん」男の人の考えなんてこの程度?(でも、自分が、自分の家族が痴漢されたらどうなのだろう)  だから痴漢がなくならない。→痴漢冤罪もなくならない。 駅や電車内には、被害にあったときに助けを求める方法・助ける方法を明示してあるポスターが目に付くようになった。ニュースでも検挙されたという報道が上がるようになった。けれど…。  警視庁の痴漢・盗撮事犯対策を読むと、取り組み自体には頭が下がるが、これでは訴えることが難しい…。それでも、昔よりはずいぶん思いやり配慮がなされるようにはなったが。  映画にも、さっさと認めて帰っていく人が出ていたけれど、その人はそのあとどうなるのだろう。  履歴書での賞罰記入の仕方を見れば、有罪判決を受けたものは書かないと”経歴詐称”や”告知義務違反”にあたり、場合によっては解雇理由になるとある。なので、賞罰についての記載がない履歴書の使用をすすめているが、職種によっては後でばれても、”告知義務違反”になる可能性もあり、場合によっては解雇理由になるという(例に挙げているは、運転業務で、交通関係の刑罰を隠していた場合)。特に最近、性犯罪に対しての目が厳しく、情報共有の話も真面目に上がる。教育関連の職業では特に。自分の子が通う学校に、性犯罪者がいたらと考えれば、その案もむげにはできない。疑われた、時間と労力がもったいないからと安易に認めてしまうことは、どちらにしても人生を棒に振るようなものだ。  けれど、示談にして、”不起訴”になれば、賞罰には入らない。それで、周りに知られず、繰り返しているとしたら…。教育現場では、A県で性加害を理由に解雇されても、B県でそのことを隠して採用され…といったことを繰り返しているケースもある。なので、情報共有の話が真面目に上がる。  痴漢とは違うけれど、賄賂とかで証拠不十分で釈放されたと聞けば、それはそれで警察・検事・裁判官は何やっているんだと憤懣やるかたなし。闇バイトで有名になったルフィが証拠不十分で釈放になったら…。懸命の努力で起訴までもっていった方々に感謝の意を表したい。とはいえ、闇バイトを使った手口は依然として減らない…。  基本は「疑わしきは罰せず」なのだが…。   そんな思いをベースにして、この映画を観る。 無実を証明することはこんなに難しい。  この映画は裁判の過程を忠実に再現していると言うけれど、この映画ほど、実証実験等丁寧に検証してくれる裁判なんてない。 警察官だって、検事だって、裁判官だって、なろうと思ってしかなれない仕事。それなりのプライドをかけて、かつある程度ルーチンワークとして、他のサラリーマンと同じように仕事をしている、のだろう。東京弁護士会で企画された裁判傍聴とか、司法の仕組みを理解できるような取り組みに参加した時、そのイベントを主催した弁護士さんたちと話をしたが、彼らなりにどうしたらよくなるか真剣に考えていた。  身近に事件が起こって、犯人が捕まらないまま、家の周りを不審者がうろついた時、こまめに付近をパトロールしてくれたのは警察。知人が身にふりかかる危険性を訴えた時、事件にならないと対処できないと突っぱねたのも警察。いろんな警察がいる。  裁判官・検事・警察が「決めつけている」って言うけれど、ワイドショーを作っているマスコミも、それを見ている私達だって「決めつけている」。 問題なのは、彼らプロフェッショナルと素人の考えのずれ。  裁判で論議されるのは、有罪か無罪か、量刑はいかほどのものか、だけだ。  十分な議論がされているのだろうかと心配になってしまう。   裁判傍聴をしていると、被疑者・被害者そっちのけで、法的視点から裁判官・検事・弁護士によって議論の焦点が絞られてしまっている裁判もある。合理化のためだ。  先の東京弁護士会での取り組みで、最高裁判所の話を聞いたとき、最高裁判でやっているのは、真実の追求ではなくて、それまでの裁判が法的に抜かりがないかを調べているだけだと聞いたときのショック。  情状酌量を勝ち取ろうと、やたらに”病名”を主張していた弁護士もいた。その”病名”を調べだした努力には頭を下げるけれど、どうして罪を繰り返すのかは理解していないから、その”病名”を採択されても、適切な治療には繋げないから、再犯するぞと確信した裁判もあった(その時は、精神鑑定を受けさせることもどころか、被告人を精神科にも受診させていないのに、弁護士はまことしやかにその”病名”を持ち出してきた。あり得ない!)。  医者でもよく病気を見て人を見ないといわれるが、法に関わる人も、起訴されている罪状をみて、”人”を、”生活”を見ていないように見える。  自分達の頭の回転の速さ・論理に酔っているのではないかと思うような裁判官・検事・弁護士もいる。  じっくり時間をかければ、世間から”遅い””税金の無駄使い”とそしりをうける。  決して、素人が考える、TVや映画・小説に出てくるような”真実”を探求する場ではない。  人生再生の場になることもあるが、そんなに簡単に人は変わらないケースの方が多い。 証拠・証言が全て。  しかも、証言≠発言者の言いたいことではない。司法という土壌で通用する証拠となりうる発言だけが求められ、切り取られる。  満員電車での痴漢。被害者だって犯人はわからない、ファジーな部分をもっている。  でも、裁判になると(マスコミの取材を受けた時も)、あいまいでは済まされない。白黒はっきりさせろと迫られる。人間、そんなに全てをはっきり把握できるわけない、ましてや満員電車では意識を他に飛ばしていたり、他者との関係を遮断して自分に集中してその時間をやりすごしている人が多い。なのに、ファジーは否定され、言いきり・断定を求められ、自分の存在証明のためにも思いこみを強めていく。  物的証拠も、客観的な証拠も集めにくい中で判断される、有罪か無罪か。 それでも、裁判はすべからくその人の人生に関わっている。 だからこそ、民間感覚・多岐な視点が求められて裁判員制度が導入されたと聞く。  だが、実際の裁判員制度では”痴漢”は裁判員裁判にはならないだろう。裁判員裁判は、殺人等の一定の重大な犯罪を対象としているから。 痴漢は許せないけど、冤罪も許せない。  いつどこで自分も巻き込まれるかわからない。巻き込まれる事件は痴漢とは限らない。 そんな、遠くにあると思っている現実を思い知らされる映画。 蟻地獄に呑みこまれていくよう。  あえてドキュメンタリーのように、ドラマチックにしなかったようだ。そうすると、平板でつまらなくなる危険性もあるが、密かに序破急のようなリズムがあり、最後の展開に唖然とする。  演出・役者の力が際立っているのだと思う。 今後の世の移り変わりに、この映画がどういう位置を占めるのかはわからないが、語り継がれる一本だと思う。 冤罪を生んでしまう法のシステムも怖いけど、 痴漢がなくなれば、こんな冤罪はなくなる。それだけのことなのに、それが一番難しい。

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とみいじょん

5.0有罪判決のノルマを課す国家権力(但し国家権力に逆らわなければ執行猶予)

2023年7月29日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、VOD

『踊る大捜査線 THE MOVIE』で分かった警察庁の国家公務員の階級社会。正義の味方はTVの中だけで現実の警察庁は階級社会だから信用出来ない。そして今回の映画では裁判すらもが階級社会だと分かった。正義を貫いて無罪判決を出すのは自由だが出世したければ有罪にしろ、検察と無用な争いは避けろ、それが(出世を目指す)裁判官の仕事らしい。 以下、裁判官の階級と警察庁との対応策を簡単に説明。 裁判官のトップ(つまりキャリアの頂点)は、 最高裁判所裁判官(最高裁判所長官)で皆がそれを目指す。 法律を使ったドラマに出てくる「最高裁の判事」とは最高裁判所判事の事で、 長官のナンバー2である。 正名僕蔵が演じる最初の裁判官が、 無罪判決を出す出世に興味がない正しい裁判官。 小日向文世が演じる交代した裁判官が、 最高裁判所長官を目指すべく有罪判決に必要な手続きを進める(つまり有罪判決のノルマ達成に勤しむ)キャリア裁判官。 警察庁⇔検察庁⇔裁判所のトライアングル。 警察庁は点数稼ぎの為の違法捜査、検察庁は捏造書類に基づき違法起訴、 裁判所は検察庁の起訴する為に用意した捏造書類を元に有罪にすべく動き違法判決、 そして冤罪となる犠牲者が出鱈目に裁かれ有罪判決となる(但し国家権力に逆らわないと事前に司法取引が済んでいれば執行猶予で有罪判決は建前と可する)。 ちなみに劇中では求刑4ヶ月の実刑判決に対し、 判決は懲役3ヶ月に執行猶予3年だった(ハッピーエンドじゃないのが衝撃だった)。 検察庁と警察庁の面子の為の有罪判決で、 善意の第三者の被害者(要は冤罪)を罰するのは非人道的故に執行猶予を付ける事で、 警察庁や検察庁に逆らうなって見せしめプラス大人しくしとけば悪いようにはしないって、 そういう意味の判決だろうと推測出来る。 所轄の違法捜査もある意味では現実的。 どうせ裁判になれば裁判官が違法捜査を揉み消すべく動き、 無罪を証明する物証は全て裁判官の権限で却下されてしまう。 だから所轄と取引して穏便に済ますのが現実的だし安全(法廷では所轄のノンキャリアの偽証を裁判官が信憑性を持たせるように捏造)。 ちなみに所轄の違法捜査を裁判で訴えててもキャリア裁判官は無視する(信じると出世に響く)。 だから所轄の悪徳警察官に当たれば不運だと諦めて取引に応じた方が安全(つまり嘘でもいいから所轄の悪徳警察官のストーリーに従うと執行猶予付きで穏便に出られる)。

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HILO

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