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CSのザ・シネマで羊たちの沈黙、ハンニバル、レッド・ドラゴンと3作続けて放送していたので、録画予約をしながらもハンニバルの途中から見始めた。羊たちの沈黙、ハンニバルはストーリーを覚えていても、何度も見てしまう、引き込まれる作品。それに対してレッド・ドラゴンは見たはずなのに記憶がうろ覚え。記憶に残っているシーンがほとんどなかったが、観賞してその理由がわかった。
前2作は記憶に気づ見込まれるような恐怖を覚えるシーンもたくさんあり、ストーリー展開もスマートだった。が、この作品は、まず恐怖を覚えるようなシーンが少ない。というか、ほとんどない。
冒頭以外はレクター博士が刑務所に入った状況の設定なので、せっかくのアンソニーホプキンスの怖さが出しきれない。遠隔から指示するだけでは迫力に欠ける。
そして配役。殺人鬼から狙われるグレアム刑事のエドワード・ノートンはジョディ・フォスターに比べると迫力が全然足りない。
ストーリー展開も、「何でそうなるの」という突飛な展開、都合のよすぎる展開が多く、あっけにとられる。
グレアムが被害者宅に一人で入り、血痕や様々な状況から「眼球に指紋がついているはずだ」と推理する。え、超能力でもあるの?そして、その眼球の指紋は後で使われない。
象徴的なのは最後に「D」がリーバを自宅に連れて火をつけた後、銃をのどに突き付けて、その後銃声が聞こえたシーン。誰もが「D」が自殺したと思うシーン展開、リーバも駆け付けた警察に「彼は自殺した」と言っていた。しかし、焼け跡から見つかった死体は「D」のものではなく、会社の同僚のものだった事がわかり、「D」はグレアムの自宅を襲撃する。「D」がグレアム宅襲撃シーンをクライマックスにするのはよいが、あたかも自殺するように見せかける展開は合理性がなく不自然。
自殺偽装ならその予兆や「ヒント」となるシーンを盛り込むべきだっただろう。
レッド・ドラゴンを見た後も、記憶に残るような衝撃的なシーン、映像はやはり出てこない。
前2作が素晴らしかっただけに、それに比べるとやはり残念な映画だったと言わざるを得ない。