ローレライ
劇場公開日:2005年3月5日
解説
平成ガメラシリーズの特技監督として知られる樋口真嗣が長編監督デビュー。45年8月、広島に原爆を投下され、窮地に陥った日本軍は、ドイツから極秘裏に入手した潜水艦・伊507に特殊兵器「ローレライ」を搭載し、米原爆搭載機の発信基地の奇襲を目論む。だが乗組員たちの思いはさまざまだった。原作は福井晴敏の「終戦のローレライ」。同じ原作者による大作「戦国自衛隊1549」「亡国のイージス」が続々公開されるのも話題。
2005年製作/128分/日本
配給:東宝
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2022年8月27日
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鑑賞方法:VOD
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アマゾン・プライムで再鑑賞。原作のことは知りません。
こちら確かに封切り当時お金払って劇場で見たはずですが、なぜか0.5シーンくらいしか覚えていない。批評も悪いので、あまりの酷い出来に観た記憶の「抑圧」が起きたのかと正直また観るのが怖かったですが、結末まで頑張りました。
感想としては、事前に他の賛否のレビュー等を読んで「心構え武装」したこともあり、思ったほど酷くありませんでした。それは
「本作はWWII舞台の戦争映画などではなく、異世界日本の架空ファンタジー戦記」
「”宇宙戦艦ヤマト”ならぬ“海中戦艦ローレライ”」
「批判的視点を持たずカッコよい筋・場面のみ追え!」
ということです。
そう思って観れば、主要キャストの大げさな熱演にも、ヒーロー・ヒロインの古代進・森雪的な役どころも、また一方で官名呼称や操艦表現が妙に史実・軍事的なのに時系列や社会政治視点(まぁ本来ココこそしっかり描くべきですが‥)がグダグダというかいーかげんな脚本にも大した矛盾を感じず、ミリタリ調SFアニメ的なお話しとして楽しめます。
その上で好印象は‥
・役所公司(カッコイイし、映画の趣向と自分の役どころよく分かってそう)
・石黒賢(色々矛盾したヘンな役だけど目力で頑張った)
・國村隼、小野武彦(マンガキャラみたいな役を熱演)
・堤真一(なんだろう、この人こんな“日本しね”みたいな役ばかり。隠れた嶋田久作の後継者か?)
・香椎由宇(凄いキレイ。台詞はもっと少ない方が良かった)その他の役者さんも貶すものではありませんが…まあいいや。
・明暗撮影、セリフ音声、シーン展開テンポ(この三つは、シロウト洋画好きの私がほば毎回偉そうに邦画に文句を言うところですが、今回はあまり悪目立ちを感じませんでした。素晴らしいと思います。
・ロタ島(米軍上陸戦の無かった稀有な日本軍拠点)避難
まあまあ‥
・CG、戦闘シーン(総じてチープですが、上述のようにSFアニメ・架空戦争と思えば大丈夫。ちょっと舞台群像劇っぽい日本兵の動きも、対する米軍の皆さんの緊張感ある手慣れた戦闘シーン演技に大いに助けられてます)。
それでも気になったところ‥
・原作や細かい経緯は知りませんが、映画冒頭から「3年前(→1942年)に特攻に反対して一線から退いた」と言われたら、それはあり得ないだろとは思いますよね。それを感じてしまうと、皆の指摘する原子爆弾呼びやその他の甘い又は蛇足な台詞やシーンも気になってしまいます。
・佐藤隆太の役、シーン(無意味、不要)
・柳葉敏郎の役(得意の目力と全身演技で頑張りましたが、過剰)
・妻夫木聡、とその役どころ(コスモタイガー隊の存在しない古代進な役。居なくても支障ない)
あとこれに、意図不明で意志薄弱な反乱グループとか、東京原爆の目的(米政府がローレライ程度で確約するとはどうしても思えない一方、反乱側に意図があるなら国体消滅←皇室せん滅、以外あり得ない。が半端にヘタレて?劇中一言の言及も示唆もない)など言い出したらキリがないのですが、同時代〜最近までの他の多くの「日本壊滅・転覆するぞ映画」(その多くで堤真一暗躍)の中ではマシな方かと思います。
そして、更に幾つものアラやヌケを敢えて見過ごして辿り着く結末〜〜〜ファンタジーですね!
もし戦場リアルであれば、
おふたり‥ フツーに遭難して艇内でミイラ、良くて米軍捕虜となって秘密研究所送り(回天+α程度性能の潜航艇では敵地テニアン以外目指せる陸地がない、分離すること自体が死刑宣告)
皆さん‥ テニアン基地防護及びB-29直掩のP-51辺りに浮上直前からボコボコに撃たれて乾坤一擲の20サンチ砲を撃つ暇もなく大破、取り囲んだ米艦から飽和砲撃を受けて白旗揚げる間も与えられず撃沈(敵潜水艦が戦闘中急浮上して重要任務の友軍機を砲撃撃墜したのですから、直後に投降されても受け容れる理由がない)
でしょうか。まあ観ている私は失望なんかしません、すでに達観していますので大丈夫です。
でも… 同じ娯楽戦争映画でも、私の好きなプラトーンや西部戦線異常なし、怖い戦争のはらわた、楽しめるMASHやグッドモーニング・ベトナム、リアルなブラックホーク・ダウンやグリーン・ゾーン、ファンタジーなバトルシップ、完璧な娯楽映画トップガン・マーベリック、そして米監督による日本戦争映画・硫黄島からの手紙…
そんな数々のアメリカンでグレイトな映画と比べて、本作のような日本の戦争映画には、結局何もしっかりした信念、理念や史実的物語作りへの怜悧さが見えないんですね。そこはやっぱり残念。キレイな歌声とか聞かされても、なんの救いにもならない。
2022年8月15日
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鑑賞方法:VOD
公開時、ワイドショーの本作紹介コーナーで役所広司が、スタジオ合成ばかりであまり良くないというようなコメントだったので(TVでわざわざ言うか。観ないでおこう…)と決めたはずなのに暇つぶしに見てしまった。冒頭のテロップがエヴァフォントで「やったぞ!エヴァっぽい!」と樋口監督の無邪気に喜ぶ顔が見えて嫌な予感がすると思いましたが、もう少し観てみるかと。明るすぎ、ブレのない、ツルツルの潜水艦CGのアラや人物合成のなじみの悪さは技術レベルの話として、肝であるストーリーテリングの稚拙さが際立っています。作りたい、かつ完成度の低い場面ばかりをバンバンインサートし続けた、けれんみのない映画史上最低の潜水艦映画が出来上がってしまいました。隣で見ていた映画ファンの妻が「あたしの時間を返せ」とマジギレしていました。映画心のある本作製作スタッフも同様な気持ちだったかと察します。悲しみです。
2022年6月19日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
設定はおもしろいのだけど、CGが残念。映像とのギャップで入り込めなかった。
けっこうキャストは良かったのになぁ。
2021年9月12日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
2005年3月10日、東京大空襲の日に観に行きました。
日本映画での潜水艦ものは50年くらい作られていなかったらしい。そう考えれば、まずまずの出来だったのだろうけど、前日に何を勘違いしたのか『K-19』を観てしまったし、ちょっと前に『U・ボート』も観てしまったのです。欧米の潜水艦ものと比較すること自体間違っているのかもしれないけど、閉塞感、リアリティが圧倒的に足りない!臭いが無いんですよね。しかもカメラワークがどことなく不自然で、臨場感が感じられませんでした。
アニメ・クリエーターの方が大勢協力していることが示しているように、アニメを実写化した戦争ファンタジーといった雰囲気でしたが、ローレライ・システムにも違和感なく観ることが出来たし、「東京の家族や友人たちを見殺しにはできない」という台詞に感動もいたしました。だけど物語が進むにつれ、睡魔に襲われて・・・感動も半減。急浮上するローレライのCGが『リーグ・オブ・レジェンド』に似てるなぁ・・・などと考えながら。
反戦映画かどうかを考えてみたけど、そういうことを論ずる映画ではなかったようですね。ただ、愛国心という言葉の定義とか、特攻隊に対する嫌悪感が感じられて、生への執着や未来のために大人が何をすべきかという重要テーマに救われた思いです。艦長の最期の台詞はくさかったですけどね・・・
【2005年3月映画館にて】