観ている間の退屈は皆無ですが、観終えると「あの登場人物、エピソードは必要だったのか?」という疑問がぼんやりと浮かんできました。例えば、主人公の同居人。ドラマ撮影の見学。オールスターキャストとなると、ばっさりカットも難しいのでしょうか…。(大泉洋は、エンドロールで写真のみ出演でしたが。)
三谷作品は好きです。それなのに公開から数か月後にやっと観るに至った要因は、何より上映時間の長さでした。郊外のシネコンへの往復時間プラス上映時間の二時間半(東宝作品の予告もたっぷりつきました。)…となると、育児中の身ではなかなか容易に足を運べません。(子ども連れOK上映会に採用していたシネコンもありましたが、二時間越えの映画で子どもを「持たせる」のは難しいかと。)そんな物理的要因で敷居が高くなるのは、三谷作品にとって不幸なことだと思います。私見ですが、三谷作品を楽しむのは、歌舞伎やオペラを楽しむ感覚とは異なるはずです。
さらに言うと、私が大スクリーンで観たい三谷作品は「ばらばらな人々が、いつの間にか一つの方向に進み繋がっていく」物語です。主人公と相棒がくっきりと軸となる物語は、どちらかと言うとテレビドラマ向きで、本作は後者のように思われました。浅野忠信や阿部寛が演じた役柄に、もっと絡んでほしかったです。
…でもやっぱり、三谷作品は好きです。次も楽しみにしています。