濱口竜介
東京大学文学部卒業後、映画の助監督やTV番組のADを経て、東京藝術大学大学院映像研究科に入学。在学中は黒沢清監督らに師事し、2008年の修了制作「PASSION」がサン・セバスチャン国際映画祭や東京フィルメックスで高い評価を得る。酒井耕監督と共同制作した「東北記録映画3部作」と呼ばれるドキュメンタリー群(11~13)や、4時間を超える長編「親密さ」(12)などを経て、15年に発表した監督・脚本作「ハッピーアワー」でロカルノ国際映画祭やナント国際映画祭など、数々の国際映画祭で主要な賞を受賞し、一躍注目を集める。続けて、商業映画デビュー作品「寝ても覚めても」(18)がカンヌ国際映画祭のコンペティション部門に選出。ベネチア国際映画祭銀獅子賞を受賞した黒沢清監督作「スパイの妻」(20)では共同脚本を担当した。21年、村上春樹の短編小説を映画化した「ドライブ・マイ・カー」が再びカンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、日本映画で初となる脚本賞を受賞。同作は、ゴールデングローブ賞非英語映画賞を受賞するなど全米賞レースでも高く評価され、第94回アカデミー賞では日本映画で史上初となる作品賞にノミネートされたほか、監督賞、脚色賞、国際長編映画賞の計4部門にノミネートされ、国際長編映画賞を受賞した。