PASSION

2008年製作/115分/日本

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(C)東京藝術大学大学院映像研究科

映画レビュー

4.5 言葉選びのセンス

2022年1月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

濱口竜介監督の東京藝術大学時代の作品なのだが、この完成度で学生映画とはすごい。男女5人のすれ違いを描いた作品だが、それぞれの好意が向かう矢印がかみ合わないことによる、滑稽さ、切なさ、痛さが素晴らしく豊かに描かれている。煙突からモクモクと煙があがる朝に、男と女が歩いていく長回しカットの素晴らしさが目に焼き付いて離れない。
濱口映画は、会話劇だ。この映画も軽妙なテンポで会話が進んでいく。質問して本音を答えた人が次の質問ができるルールの遊びのシーンの緊張感と可笑しさが同居したあの感じを作れるのは本当にすごい才能だと思う。
役者陣は、その後の濱口映画の常連となった者たちが多数出ている。みんな良い顔をしているし、いい声をしている。役者の肉体と音に対する濱口監督の鋭敏なセンスがすでに見えている。
映画における会話の自然さとはなんだろうと、考えながら見ていた。自然な日常会話そのままで、映画として自然な会話になるわけではないんだなと、この映画を見て思った。

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杉本穂高

4.0 恋愛の脆さを証明しようとするが如き傑作

2026年7月11日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

シネマスコーレ(名古屋)の濱口竜介監督特集上映《突然、偶然、必然》からの1本目。

東京大学文学部を卒業後、改めて新設された東京藝術大学大学院映像研究科に入学し、映画作りを学んだという濱口監督。今作はその修了作品として発表された恋愛群像劇。

長年恋人同士だったカップルが婚約を発表したのを機に、2人やその周囲の男女の間でもつれた恋愛感情が一気に溢れ出した。

緻密な会話にぐいぐい引き込まれる。
まだ20代だったろうに、この完成度はいったい。

恋愛の脆さを証明しようとするが如き、あまりにも悲観的で老成した傑作。才能ってホント恐ろしい。

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エロくそチキン2

4.0 男女関係における"暴力"について

2026年5月22日
Androidアプリから投稿

ジョン・カサヴェテスのような切り返しの会話劇が、「暴力」についての話を境に前後で大きく見え方が変わる恋愛(についての)群像劇

好きでもない人と付き合ったり結婚したりすることが暴力なのか?はたまた、別の人に心惹かれることが暴力なのか?自分の気持ちに素直じゃないことは、パートナーに対しての暴力か、自分に対してか?そして、それは「私」自分自身から来る意思で止められるものか、どうしようもないものなのか?タイトルに偽りなし、その「情」はどの「情」か?浮気と本気、あるいはいくつかの夜と朝。
男同士のイチャイチャ(やっていることはくだらないけど、野郎どものバスシーンの画が好き)と、ボタンの掛け違いみたいに恋は一方通行な男たちの群像劇。そして、個人的には例えばソダーバーグの『セックスと嘘とビデオテープ』等も頭をよぎる瞬間があった、見せない大胆な時間飛ばし(作品冒頭のほうの誕生パーティーシーンとか一瞬何が起こったのかと時間感覚バグった)や、幾多の恋模様が交錯する街をとらえるような日替わりの街俯瞰ショット。
そして、作中で明らかに浮いている、中盤の唐突すぎる「暴力」の話。それ以降、また作品前半と同じ事(つまり掛け違いの恋模様)が繰り返されるけど、その間に「暴力」の話が挟まることで、この群像劇すらもそういう視点で見てしまう。地獄になること必至だけど、本音を言い合うゲームしてみたい。最初からそうすればよかったのに。本気で人を好きになったことある?
各キャラクターの解像度が高いから、この映像で語られる会話主導の群像劇は飽きることなく、むしろ次第に惹き込まれていくものがあった。作品後半にさしかかるまであれだけ嫌いだった、女性関係にふしだらなクソヤロー智也が、後半終盤と進むにつれてキャラクターとして好きになっていく。そして、バスでブックエンド方式。結果、主要キャラ全員好き。
あと、映像・演出的なことで言えば、複数人で同じ場を囲んでいるシーンにもかかわらず、引き(マスターショット)で全景や位置関係を見せるのでなく、一人ひとりのアップショットを切り返していくのが印象に残った。それらからは、対峙している印象を受けたし、ジョン・カサヴェテスなど魅入ってしまう会話劇のようでもあった。だから、終盤2度の長回しがより生きてくる。そして、その同じ画に収まる2人は果たして(同じ方向を向いた)好き同士なのだろうか?自分の気持ちに素直になれるのだろうか?

「おまえ」「女」

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とぽとぽ

4.0 ココロとアタマとカラダがバラバラ

2024年12月28日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

<濱口竜介監督特集 突然、偶然、必然>

2年ぶり2度目の鑑賞

改めてよく2時間に納めたなと思った
その後が気になる終わりかた
ぜひ続編作ってほしい

果歩の29歳の誕生日パーティーで長年付き合った智也との結婚を発表。
しかしその席上、智也の過去の浮気が発覚。
彼らは別々の夜を過ごすことになり参加していた友人たちをも巻き込んで
それぞれの恋愛感情や本音がもつれ合い露わになっていく群像劇… らしい。

気持ちを抑えるのか、自分に正直になるのか
本音と言いつつ罵り合い
罵り合いの中で自我に目覚めるような
頭で考えてもわかないなら体でわからせる
結局みんなハッピーエンドだったのか?

恋とは? AIに聞いてみた
理屈や損得ではなく、心で感じ、ときに盲目になる衝動のこと

愛とは? AIに聞いてみた
「無関心の反対であり、相手を信じ抜くこと」
「自分の幸せを他人の幸せに重ね合わせること」
一瞬の感情にとどまらず
誰かの心に希望の灯をともし続ける行動そのもの
らしい

と言われても
分かるようで分からないだろう
当事者は

人を愛するということは
自分のことを知るということ
なのか?

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puccino