アスガー・ファルハディ
イラン・イスファハン出身。10代の頃から自主映画を撮り始め、テヘラン大学芸術学部で舞台演出の博士号を取得。イランの国営放送でラジオやTVドラマの脚本・演出を手がけ、2002年のエブラヒム・ハタミキア監督作「フライト・パニック ペルシア湾上空強行脱出」(日本劇場未公開)の共同脚本家として映画界でのキャリアをスタートさせた。翌03年、「Raghs dar Ghobar(英題:Dancing in the Dust)」で長編監督デビューを果たし、監督第4作「彼女が消えた浜辺」(09)でベルリン国際映画祭の銀熊賞(最優秀監督賞)に輝く。続く「別離」(11)は同映画祭の最高賞である金熊賞に加え、銀熊賞の最優秀男優賞と最優秀女優賞も受賞。アカデミー賞では外国語映画賞にノミネートされ、イラン映画として史上初のオスカー獲得を果たした。16年の「セールスマン」ではカンヌ国際映画祭の脚本賞を受賞。さらに2度目のアカデミー外国語映画賞を受賞したが、トランプ政権の移民政策等への反対を表明するため授賞式をボイコットした。