ハンフリー・ボガート

米ニューヨーク出身で、母は有名イラストレーターのモード・ハンフリー。イェール大学進学を志していたが、1918年に高校を中退して海軍に入隊。3年後に除隊し、知人の経営する劇場で働きつつ、仕事の一環としてニューヨークの映画スタジオでさまざまな役を演じる。これをきっかけに舞台俳優として活動を始め、短編「Broadway's Like That」（30）でスクリーンデビュー。出演したブロードウェイ作品を映画化した「化石の森」（36）の演技で脚光を浴び、「ハイ・シェラ」（41）で初主演を務める。「マルタの鷹」（41）を経て、アカデミー作品賞受賞作「カサブランカ」（42）では男優賞にノミネートされるとともに「君の瞳に乾杯」の名セリフを残した。「アフリカの女王」（51）で同賞を受賞。その他の出演作に「三つ数えろ」（44）、自身の製作会社で手がけた「黄金」（48）、3度目のオスカー男優賞ノミネート作となった「ケイン号の叛乱」（54）などがある。また47年にはローレン・バコールらとともに赤狩りへの反対運動に参加した。 57年1月、ハリウッドの自宅で咽頭がんのため逝去。