黄金
解説
メキシコの町に流れてきたドブスとその相棒カーティンは老人ハワードと出会う。彼らは黄金探しの夢を追って、旅に出ることに。シェラ・マドレ山で砂金を見つけたものの、猜疑心のとりことなったドブスは独り占めを企み……。三人の男たちの旅を通じて人間の欲望を描き出す。ジョン・ヒューストン監督の実父ウォルターが好演し、アカデミー助演男優賞を受賞。
1948年製作/121分/アメリカ
原題:The Treasure of the Sierra Madre
スタッフ・キャスト
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昭和23年の作品でアメリカ人には古典として親しまれている作品です。
男っぽい作品が好きなヒューストン君の男っぽいというより男くさい映画です。
今観るとちょっと演技も大げさすぎるきらいはあるものの、意外に話が上がったり下がったりでスリリングです。しかし、ボガード君ってハードボイルドも決まるけど、こういう薄汚くて性格がひねくれてる胸糞悪い悪役やると水際立った演技を見せますね。
2021年5月2日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
冒頭では宝くじの当選番号を確かめるボガード。あーあ、やっぱり駄目だと、「同郷のよしみで」と物乞いのまねを・・・そんなとき飛び込んできたのが金鉱の仕事。一日8ドルだ!「黄金は人を変えてしまう」と言った爺さんの言葉が信じられないドブズ。それを確かめたい気持ちもあったんだろうな。
疑心暗鬼。砂金を見つけてせっせと掘る3人。分け前について話し合ったときから、お互いが信用できなくなる。
ある日、コーディというアメリカ人に跡をつけられ、3人が金を掘ってるんじゃないかと疑われる。そして、殺すのか仲間にするかと選択を迫られ・・・緊張した心理劇になるかと思っていたら、そこへ山賊がやってきた。銃撃戦となり、コーディが死んでしまう。
一人一人が一生遊んで暮らせる分を掘りつくし、帰途につく一行。途中、メキシコインディアンに川に落ちて動かなくなった子供を助けてくれと言われ、ハワードが手伝う。奇跡をおこしたと讃えられ、村に招待されてしまった彼を置いて、ドブズとコーチンが町へ向かった。しかし、ドブズの猜疑心は膨れ上がるばかり。ついに自分の手でコーチンを撃ってしまうが、瀕死で逃げ、ハワードのいる村にたどり着いた。
ドブズは一人北へ向かうが山賊に殺され、ロバも砂金も奪われてしまい、金の価値がわからない山賊はあっさり捨ててしまうのだ。先住民たちとハワード、コーチンが砂金を捨てたとされる場所で大笑い。「神様がくれた冗談だ」・・・
さもしい心と疑う心。一山当てることを目指しただけなのにここまでドラマが待っているとは。ハワードはそのまま村で医者に、ドブズはコーディの家へ向かうことになる爽やかさ。
2020年9月11日
Androidアプリから投稿
2018年9月25日
Androidアプリから投稿
ハンフリーボガードが見事な悪役を演じる
物乞いをする情けないシーンから始まり、黄金に目が眩み次第に正気を失ってしまう様が見事だ
歓迎されざる闖入者の妻からの手紙を読んで、人間らしさを一時でも取り戻すシーンも素晴らしい
しかしなんと言っても爺様役のウォルター・ヒューストンだ
なんと彼は本作の監督ジョン・ヒューストンの父親
つまり本作で監督と彼とで、監督賞と助演男優賞を親子で受賞してしまっているのだから物凄い
説得力のある見事な演技だ
脚本も撮影もテンポも申し分なし
素晴らしい傑作だ
ラストシーンの何もかもむなしく大笑いするしかない結末は、黄金の魔力を見事に表現しきった本作の結末に実にふさわしい名シーンだった
見応えのある傑作とは、本作のような作品の事だろう