マルタの鷹
解説
私立探偵サム・スペードはワンダリーという女性から仕事を依頼される。サムの相棒アーチャーがそれを引き受けるが、その後、彼は何者かによって殺害されてしまう。犯人を追うサムの前に現れる怪しい男たち。やがてサムは莫大な価値を秘めた彫像“マルタの鷹”の争奪戦に巻き込まれていく。ハードボイルド探偵小説の映画化であり、ジョン・ヒューストンの初監督作品。ボギーことハンフリー・ボガートの当たり役にもなった傑作ミステリー。
1941年製作/101分/アメリカ
原題:The Maltese Falcon
スタッフ・キャスト
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2023年6月4日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
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■サンフランシスコの私立探偵、サム・スペード(ハンフリー・ボガード)はある日美女ブリジッド(メアリー・アスター)から「サースビーという男に尾行されているので助けて欲しい」という依頼を受ける。
スペードの相棒・アーチャーが依頼を肩代わりするが、その夜アーチャーとサースビーの死体が発見される。
◆感想<Caution! 内容に触れています。>
・原作自体が名作であるが、言うまでもなくプロットが秀逸な作品である。
・サム・スペードは、相棒を殺した犯人として、警察の追求を受けるが飄々と受け流し、”マルタの鷹”の真相に近づいていく。
■ハードボイルド炸裂シーン
・相棒・アーチャーを殺した真犯人が”泣き落とし”で許しを請うも、冷徹な目で真犯人の顔を見て、”探偵は、相棒を殺されたら放っては置けない。””上手く行ったら無期懲役、20年も経てば出られるだろう。それまで、待っててやるよ。死刑になったら時折思いだしてやるよ。”と言い放つシーン。
ー サム・スペードは美女の甘言に惑わされる事無く、相棒を殺した相手を許さないのである。-
<いやあ、この作品、原作も面白いが、派手な銃撃戦などなくても、コンパクトにまとめた映画も面白い。
そして、相棒を殺された事に対し、キッチリと報復するハンフリー・ボガード演じるサム・スペードの数々の台詞が格好良いのである。>
ハンフリーボガートのハードボイルドスターとしての立ち位置はこの作品で確立されたと言っても過言ではないでしょう。「カサブランカ」のリックや「三つ数えろ」のフィリップマーロウなども代表作だと思うのですが、やはりこの作品のサムスペード役に尽きると思います。ラスト、女の誘惑を振り切り、警察に突き出す姿はまさにハードボイルドの極み‼️
2023年2月24日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館
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正直言うと、ハードボイルド御三家と言われる作家のうち、ロス・マクドナルドは大半読んでいるのに、ダシール・ハメットとレイモンド・チャンドラーは読んだことがないという偏った読書遍歴だ。
サム・スペードはサンフランシスコ、フィリップ・マーロウとリュウ・アーチャーはロサンゼルスの探偵で、(むろん作家たちが居を構えていたこともあるが)初期のハードボイルドがいずれも西海岸の都市が舞台になっているのは何かしら醸成する土地柄があったのだろう。ちなみにハンフリー・ボガートはスペードとマーロウの両方を演じているが、アーチャーはやっていない(こちらはポール・ニューマンの担当)。
失踪した人物を捜す依頼があり、捜査の過程で死体がごろごろ転がるという典型的なハードボイルドの展開をたどるが、とにかく室内シーンが多く、しゃべってばかりいる。主人公は簡単にホールドアップされたり薬で昏倒させられたりするが、相手の大甘の対応で切り抜ける。様々な関係者が都合よく訪問してきたり、電話をかけてくる。さらに言えば、肝心のマルタの鷹(本物)はついぞ登場しないという…。たぶんハードボイルドの雰囲気を味わうための作品で、細かい辻褄とかを気にしちゃいけないんでしょう。
ロス・マクドナルドはなぜ、この作品の冒頭でいきなり殺されるスペードの相棒の名前を自分のシリーズの探偵の名にしようと思ったんだろう?
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サスペンスとしては面白いが、結局ロマンスはなかったのは残念。せっかく美人女優が出ているのだから、最後は彼女を同情できるような設定にして欲しかった。できれば最終的には2人は愛し合っていて、彼女は罪をつぐなって服役して、彼は彼女が出所するのをいつまでも待っているような展開にして欲しかったな〜