東京ジョー

劇場公開日:

解説

戦後まもない東京を舞台に、自らのアイデンティティーを取り戻すため悪と対決する男を描く。約45年前に製作された幻のハリウッド映画。監督はスチュアート・ハイスラー。製作はロバート・ロード。脚本はシリル・ヒュームとバードラム・ミルハウザー。翻案はウォルター・ドニガー。原作はスティーヴン・フィッシャー。撮影はチャールズ・ロートン・ジュニア。音楽はジョージ・アンシール。編集はヴィオラ・ローレンス。助監督はウィルバー・マックガー。録音はラッセル・マルムグレン。美術はロバート・ピーターソン。音楽監督はモリス・W・ストロフが担当。

1949年製作/アメリカ
原題:Tokyo Joe
配給:日本ヘラルド
劇場公開日:1993年12月18日

ストーリー

1949年、第二次世界大戦中空軍パイロットとして活躍していたジョー(ハンフリー・ボガート)が8年ぶりに日本へ帰ってきた。彼は、日本とアメリカが戦争に突入する前、東京・銀座一丁目でTokyo Joe'sというレストランを経営していた。旧友のイトー(テル・シマダ)と久々に再会したジョーは、かつての妻トリーナ(フローレンス・マーリー)が占領軍の将校と結婚し、一人娘アニヤ(ローラ・リー・ミッシェル)と共に日本に住んでいると知らされる。トリーナの住居を訪ねてみると、確かに彼女は娘と共に幸せな家庭に納まっていた。イトーからキムラ男爵(早川雪洲)を紹介されたジョーは、実はトリーナが戦争中に反米プロパガンダ放送に加担していたことを知らされる。もし男爵がそれを公にすると、トリーナも戦争犯罪に問われてしまうのだ。彼女を未だに愛していたジョーは、男爵が秘密を守ることを条件に、韓国から日本人戦争犯罪人を脱出させる計画に参加することになってしまう。一方で正義感の強い彼は、秘密裡に男爵の悪事を捜査官に通報した。そんな彼の行為を知ってか知らずか男爵はジョーに、アニヤを誘拐した、娘の命がほしかったら途中で裏切るなど告げる。韓国へ赴き無事任務を果たして日本に戻ってきたジョーと、男爵の仲間は空港で待ち受けていた警官隊に逮捕される。ジョーは警官隊と共に男爵のアジトへ向かい、男爵と対決、傷を負いながらもアニアを助け出すのだった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

1.0東京がこんな町だったとは

2023年8月18日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

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ぽん

4.0戦後すぐの東京をハンフリーボガードがトレンチコートに帽子の姿で歩く!

2019年11月24日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

ロキシー・ミュージックのブライアン・フェリーが歌う1977年の同名のヒット曲は本作のことを歌っている
ただ歌詞は本作の内容には全く関係はない

ハンフリーボガード主演のパラマウント配給のハリウッド映画ながら、舞台は戦後すぐの東京だ
もうそれだけで面白い!

パラマウントの自由の女神の次は富士山の空撮、そして飛行機は当時の日本の街並みを機中から見下ろしながら高度を下げ、多摩川河口方向から羽田に着陸する
当時はまだ米軍基地

そこからGHQ 本部のある日比谷通りの第一生命ビルの角でハンフリーボガードはボンネットバスから下車する

トレードマークの帽子にトレンチコート姿でハンフリーボガードが辺りをみわたすのだ
背後には皇居のお堀が見える

一瞬で画面が変わるが、米軍総司令官事務所は今のマリオンのところにあったそうなのでそこまで徒歩で歩いているはず

といってもどうも本人は日本ロケには来て無いようだ
後ろ姿ばかり、前から写したシーンはバレバレ合成ばかり
事務所で用が済むと次のシーンはなんと渋谷
屋台だらけの歩道を歩いて交差点にでると輪タクを拾って銀座2丁目の戦前に彼の店だったキャバレーに向かうのだ
という具合だ

なかなかどこだかわからないが、よく見ると大盛堂書店の看板が見える
恐らく109のあたりから今のスクランブル交差点に向かってボガードを乗せた輪タクは進んだのではないか

しかしボガードは何をしに渋谷に?
彼が道玄坂を歩いて来た方向を考えると・・・
もしかしたら百軒店のストリップ劇場?
ではなくて、代々木にあったワシントンハイツという米軍の将校用住宅地にかなにか用があったのでしょう
今の代々木公園です
当時、広大なその土地すべてが周囲を塀で囲われて、その中は芝生と白い家のアメリカの街が作られていたのです
その外の渋谷は劇中のとおりまだ焼け跡ののこるバラックばかりです
おっと脱線、しかしこんな考察をするだけでも楽しい

お話は、外国の地で米国人同士のキャバレーのオーナーとその店の歌手とのロマンスが戦争によって引き裂かれ、戦争が終わってよりを戻そうと7年ぶりに帰ってみると、なにやらややこしいことに巻き込まれるという陳腐なもの
ただ舞台が昭和23年の東京であるというのがポイント

もちろん日本人も多数主演して日本語も怪しげながら飛び交う
戦前のキャバレーのマネージャー
敗戦まで秘密警察の親玉だった元男爵とその手下
中野の米軍法律顧問のお屋敷のお女中達
元戦闘機パイロット崩れ、などなど

昭和23年、1948年の東京
黒澤明監督の酔いどれ天使と同じ年
ボガードの棄てた吸い殻を日本人が何人も群がって拾うシーンもある
「仁義の墓場」にでてくる米軍将校がヤクザとつるんで軍事物資の横流しするエピソードと同時期のことだろう

ところがお話は、ボガードは有名日系人俳優の早川雪舟が演じる元男爵に国際空輸の裏の仕事を依頼されるのだが、単なる密輸とかのちゃちな話ではなくなり、結構シリアスな展開になりクライマックスを迎える

ヒロイン役の女優も美しい
本当の結末がどうなるのかにも含みを持たせてあるのも余韻が残る終わり方で良かった
なかなかに楽しめる作品だ

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