第86回アカデミー賞 全部門ノミネート
作品賞
「世界にひとつのプレイブック」「ザ・ファイター」のデビッド・O・ラッセル監督が、1970年代アメリカで起こった収賄スキャンダル「アブスキャム事件」を映画化。詐欺師がFBIに協力し、おとり捜査によって真相を暴いた実話を、「ザ・ファイター」のクリスチャン・ベール、エイミー・アダムス、「世界にひとつのプレイブック」のブラッドリー・クーパー、ジェニファー・ローレンス、ロバート・デ・ニーロ、ラッセル監督作初参加のジェレミー・レナーら豪華俳優陣を迎えて描いた。79年、ラスべガスやマイアミに続くカジノタウンとして開発中のニュージャージー州アトランティックシティ。詐欺師のローゼンフェルドを逮捕したFBI捜査官のディマーソは、司法取引でローゼンフェルドを捜査に協力させ、偽のアラブの大富豪をエサにした巧妙なおとり捜査によって、カジノの利権に絡んだ大物汚職政治家たちを逮捕していく。
- 【キャスト】
- 【監督】
- 【製作】
- 【製作総指揮】
- 【脚本】
2009年にソマリア海域で起こった海賊船による貨物船人質事件を、トム・ハンクス主演、「ボーン・アルティメイタム」「ユナイテッド93」のポール・グリーングラス監督で映画化したサスペンスドラマ。09年4月、援助物資として5000トン以上の食糧を積み、ケニアに向かって航行していたコンテナ船マースク・アラバマ号は、ソマリア海域で海賊に襲われ、瞬く間に占拠されてしまう。53歳のベテラン船長リチャード・フィリップスは、20人の乗組員を解放することと引き換えに自ら拘束され、たった1人でソマリア人の海賊と命がけの駆け引きを始める。米海軍特殊部隊の救出作戦とともに、緊迫した4日間を描く。脚本は「ニュースの天才」「アメリカを売った男」のビリー・レイ。
- 【キャスト】
- 【監督】
- 【製作】
- 【製作総指揮】
- 【脚本】
マシュー・マコノヒーが、エイズ患者を演じるため21キロにおよぶ減量を達成して役作りに挑み、第86回アカデミー賞で主演男優賞を受賞した実録ドラマ。1985年、テキサス生まれの電気技師ロン・ウッドルーフはHIV陽性と診断され、余命30日と宣告される。米国には認可された治療薬が少ないことを知り、納得のできないロンは代替薬を求めてメキシコへ渡る。そこで米国への薬の密輸を思いついたロンは、無認可の薬やサプリメントを売る「ダラス・バイヤーズクラブ」を設立。会員たちは安い月額料金で新しい薬を手にすることができ、クラブはアングラ組織として勢いづく。しかし、そんなロンに司法の手が迫り……。ロンの相棒となるエイズ患者でトランスセクシャルのレイヨンを演じたジャレッド・レトも、アカデミー助演男優賞を受賞した。
- 【キャスト】
- 【監督】
- 【製作】
- 【脚本】
「トゥモロー・ワールド」「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」のアルフォンソ・キュアロン監督が、宇宙空間に投げ出されてしまった宇宙飛行士たちの極限的状況を最新VFXと3D技術を駆使して描いたSFドラマ。スペースシャトルのメディカル・エンジニア、ストーン博士とベテラン宇宙飛行士のマットは、船外作業をしていたところで予想外の事故に遭い、宇宙空間に放り出されてしまう。空気も残りわずかで地球との交信手段も断たれ、たった1本のロープでつながっているだけの2人は、絶望的な状況の中から生還を目指すが……。ストーン博士役にサンドラ・ブロック、マット役にジョージ・クルーニー。撮影は「トゥモロー・ワールド」ほかキュアロン作品を多数担当する名匠エマニュエル・ルベツキ。脚本はキュアロン監督と、監督の息子ホナス・キュアロンによる。第86回アカデミー賞では、作品賞ほか同年度最多となる10部門にノミネート。監督、撮影、視覚効果、作曲など計7部門で受賞を果たした。
- 【キャスト】
- 【監督】
- 【製作】
- 【製作総指揮】
- 【脚本】
「マルコヴィッチの穴」「アダプテーション」の奇才スパイク・ジョーンズ監督が、「かいじゅうたちのいるところ」以来4年ぶりに手がけた長編作品。近未来のロサンゼルスを舞台に、携帯電話の音声アシスタントに恋心を抱いた男を描いたラブストーリー。他人の代わりに思いを伝える手紙を書く代筆ライターのセオドアは、長年連れ添った妻と別れ、傷心の日々を送っていた。そんな時、コンピューターや携帯電話から発せられる人工知能OS「サマンサ」の個性的で魅力的な声にひかれ、次第に“彼女”と過ごす時間に幸せを感じるようになる。主人公セオドア役は「ザ・マスター」のホアキン・フェニックス。サマンサの声をスカーレット・ヨハンソンが担当した。ジョーンズ監督が長編では初めて単独で脚本も手がけ、第86回アカデミー賞で脚本賞を受賞。
- 【キャスト】
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- 【製作】
- 【製作総指揮】
- 【脚本】
「ファミリー・ツリー」「サイドウェイ」のアレクサンダー・ペイン監督が、頑固者の父親と、そんな父とは距離を置いて生きてきた息子が、旅を通して心を通わせる姿をモノクロームの映像で描いたロードムービー。モンタナ州に暮らす大酒飲みで頑固な老人ウディのもとに、100万ドルを贈呈するという明らかに胡散臭い手紙が届く。すっかり信じ込んでしまったウディは、妻や周囲の声にも耳を貸さず、歩いてでも賞金をもらいにいくと言って聞かない。そんな父を見かねた息子のデイビッドは、無駄骨と分かりつつも父を車に乗せてネブラスカ州を目指すが、途中で立ち寄ったウディの故郷で両親の意外な過去を知る。ウディを演じた主演のブルース・ダーンが、2013年・第66回カンヌ国際映画祭で男優賞を受賞した。
- 【キャスト】
- 【監督】
- 【製作】
- 【製作総指揮】
- 【脚本】
イギリスでベストセラーとなったマーティン・シックススミスによるノンフィクションを映画化し、50年前に生き別れた息子を探し続けた女性の姿を、「クィーン」のスティーブン・フリアーズ監督、名優ジュディ・デンチ主演で描いた。1952年、アイルランド。18歳で未婚の母となったフィロメナは親から強制的に修道院に入れられ、3歳になった息子のアンソニーはアメリカに養子に出されてしまう。それから50年後、イギリスで娘のジェーンとともに暮らしていたフィロメナは、手離した父親違いの息子の存在をジェーンに明かす。ジェーンが偶然知り合ったジャーナリストのマーティン・シックススミスとともに息子探しの旅に出たフィロメナは、アメリカの地で思いもよらぬ事実を知ることになる。「24アワー・パーティ・ピープル」などで知られる英俳優スティーブ・クーガンが企画を立ち上げ、脚本やプロデューサーを務めたほか、原作著者でもあるシックススミス役を演じている。
第86回アカデミー作品賞受賞作。南部の農園に売られた黒人ソロモン・ノーサップが12年間の壮絶な奴隷生活をつづった伝記を、「SHAME シェイム」で注目を集めたスティーブ・マックイーン監督が映画化した人間ドラマ。1841年、奴隷制度が廃止される前のニューヨーク州サラトガ。自由証明書で認められた自由黒人で、白人の友人も多くいた黒人バイオリニストのソロモンは、愛する家族とともに幸せな生活を送っていたが、ある白人の裏切りによって拉致され、奴隷としてニューオーリンズの地へ売られてしまう。狂信的な選民主義者のエップスら白人たちの容赦ない差別と暴力に苦しめられながらも、ソロモンは決して尊厳を失うことはなかった。やがて12年の歳月が流れたある日、ソロモンは奴隷制度撤廃を唱えるカナダ人労働者バスと出会う。アカデミー賞では作品、監督ほか計9部門にノミネート。作品賞、助演女優賞、脚色賞の3部門を受賞した。
- 【キャスト】
- 【監督】
- 【製作】
- 【製作総指揮】
- 【脚本】
レオナルド・ディカプリオとマーティン・スコセッシ監督が5度目のタッグを組み、実在の株式ブローカー、ジョーダン・ベルフォートのセンセーショナルな半生を描いた。22歳でウォール街の投資銀行へ飛び込んだジョーダンは、学歴もコネも経験もなかったが、誰も思いつかない斬新な発想と巧みな話術で瞬く間になりあがっていく。26歳で証券会社を設立し、年収4900万ドルを稼ぐようになったジョーダンは、常識外れな金遣いの粗さで世間を驚かせる。全てを手に入れ「ウォール街のウルフ」と呼ばれるようになったジョーダンだったが、その行く末には想像を絶する破滅が待ち受けていた。ジョーダン自身による回顧録「ウォール街狂乱日記 『狼』と呼ばれた私のヤバすぎる人生」(早川書房刊)を映画化。共演にジョナ・ヒル、マシュー・マコノヒー、マーゴット・ロビーら。