第86回アカデミー賞 全部門ノミネート
主演女優賞
軍人の父親が駐在していたイタリアで生まれ、高校時代を米コロラド州で過ごす。1999年「わたしが美しくなった100の秘密」で映画デビュー。「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」(02)の演技で注目され、「Junebug」(05)でアカデミー助演女優賞に初ノミネートされた。ディズニーの「魔法にかけられて」(07)の主人公ジゼル姫役でブレイク。説得力のある演技で着実にキャリアを重ね、「ダウト あるカトリック学校で」(08)、「ザ・ファイター」(10)、「ザ・マスター」(12)でアカデミー助演女優賞、「アメリカン・ハッスル」(13)で同主演女優賞にノミネートされ、オスカー候補の常連となる。「人生の特等席」(12)、「マン・オブ・スティール」(13)、「メッセージ」(16)などを経て、「バイス」(18)でも5度目のオスカー助演女優賞候補になった。その他の出演作に「ディア・エヴァン・ハンセン」(21)など。
オーストラリア国立演劇学校在学中から演劇で高評価を得て、1994年に「Police Rescue(原題)」で映画デビューし、「オスカーとルシンダ」(97)でAFI(オーストラリア・フィルム・インスティテュート)主演女優賞を受賞する。
イングランド王女エリザベス1世を演じた「エリザベス」(98)が批評家に絶賛され、アカデミー主演女優賞に初ノミネートされる。その後はコミカルタッチな人間ドラマ「狂っちゃいないぜ」(99)からファンタジー大作「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズ(01~14)まで多彩な役柄を演じ、引く手あまたの名女優として活躍。
04年の「アビエイター」でアカデミー助演女優賞を受賞し、「あるスキャンダルの覚え書き」(07)でも同賞の助演女優賞の候補に挙がる。翌09年のアカデミー賞では、再びエリザベス1世に扮した「エリザベス:ゴールデン・エイジ」で主演女優賞、ボブ・ディランの伝記映画「アイム・ノット・ゼア」で助演女優賞にダブルノミネートされたが受賞は逃した。3度目のアカデミー主演女優賞候補になった「ブルージャスミン」(13)で自身2つ目となるオスカー像を手にした。
女性同士の恋愛を描いた「キャロル」(15)で4度目、女性指揮者の苦悩を描いた「TAR ター」(22)で5度目のアカデミー主演女優賞にノミネート。その他の出演作に、「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」「インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国」(ともに08)、「シンデレラ」(15)などがある。
米バージニア州出身。母はドイツの有名オペラ歌手ヘルガ・ブロック、父はボイス・トレーナー。幼少時を過ごしたドイツでバレエや声楽を学ぶ。イースト・キャロライナ大学で演劇を学んだ後、ニューヨークで舞台俳優として出発。「ハングマン」(87)の端役で映画デビューし、キアヌ・リーブスと共演した「スピード」(94)で大ブレイクを果たした。以降「あなたが寝てる間に…」(95)、「デンジャラス・ビューティー」(00)とハリウッドの第一線で活躍する。自ら設立した映画製作会社でプロデュースも手がけ、2009年には出演した3作品がすべて1億ドルを超えるヒットを記録。「ウルトラ I LOVE YOU!」ではラジー賞を受賞するも、その翌日に「しあわせの隠れ場所」でアカデミー主演女優賞を受賞している。「ゼロ・グラビティ」(13)でも同賞の候補となる。近年は「消えない罪」(21)、「ザ・ロストシティ」(22)などで製作と主演を兼ねている。
英ヨーク出身。ロンドンのセントラルスクール・オブ・スピーチ・アンド・ドラマで演技を学び、数々の舞台に立つ。1960年頃からTVに出演するようになり、「The Third Secret」(64)でスクリーンデビュー。「眺めのいい部屋」(86)や「ヘンリー五世」(89)など古典劇から現代劇までこなす実力派で、「007 ゴールデン・アイ」(95)から「007 スカイフォール」(12)まで演じた「007」シリーズのM役でも知られる。舞台では96年に異なる役でローレンス・オリビエ賞を2つ獲得する偉業を達成し、映画「恋におちたシェイクスピア」(98)ではアカデミー助演女優賞を受賞した。還暦をすぎてからも幅広く活躍し、「ショコラ」(00)、「あるスキャンダルの覚え書き」(06)などに出演。「マリーゴールド・ホテルで会いましょう」(11)や「あなたを抱きしめる日まで」(13)、「ヴィクトリア女王 最期の秘密」(17)、「シェイクスピアの庭」(18)、「キャッツ」(19)など。ケネス・ブラナーの自伝的映画「ベルファスト」(21)では主人公の祖母役を演じ、第94回アカデミー助演女優賞にノミネートされた。
アメリカを代表する大女優。米イェール大学の大学院(演劇科)を卒業後、舞台俳優としてキャリアをスタートする。1977年、ジェーン・フォンダ主演の「ジュリア」で映画デビューし、翌78年の「ディア・ハンター」でアカデミー助演女優賞に初ノミネート。「クレイマー・クレイマー」(79)で同賞を受賞し、若手演技派女優のトップに躍り出る。83年には「ソフィーの選択」で同主演女優賞も受賞し、以降「愛と哀しみの果て」(85)や「激流」(94)、「マディソン郡の橋」(95)、「めぐりあう時間たち」(02)など良質の作品に多数出演。「プラダを着た悪魔」(06)の鬼上司ミランダ役で強烈な存在感を見せつけ、ミュージカル映画「マンマ・ミーア!」(08)では美声を披露した。アカデミー賞の俳優部門ノミネート回数は歴代最多を誇り、主演作「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」(11)で17度目のノミネート、3度目の受賞。「マダム・フローレンス! 夢見るふたり」(16)で最多ノミネート記録を20回へと更新した。