8月の家族たち
劇場公開日 2014年4月18日
解説
オスカー女優メリル・ストリープとジュリア・ロバーツが母娘役で初共演し、ピュリッツァー賞とトニー賞をダブル受賞したトレイシー・レッツの戯曲を映画化。オクラホマの片田舎。父親が突然失踪したことをきっかけに、病気のため毎日薬漬けの日々を送る毒舌家の母ヴァイオレットの下に、娘たちが久しぶりに集まる。長女バーバラは浮気した夫と別居中で、反抗期の娘にも手を焼いている。一方、次女カレンは婚約者を連れてきて、三女アイヴィーも恋に夢中。自分勝手な母親とそれぞれの人生を歩む娘たち、そして彼女らを取り巻く男たちの本音が次第に明らかとなり、家族の秘密が暴かれていく。母ヴァイオレット役のストリープ、長女バーバラ役のロバーツほか、ユアン・マクレガー、クリス・クーパー、アビゲイル・ブレスリン、ベネディクト・カンバーバッチ、ジュリエット・ルイスら豪華キャストが共演。原作者が自らが脚本を手がけ、「カンパニー・メン」のジョン・ウェルズ監督がメガホンをとった。
2013年製作/121分/G/アメリカ
原題:August: Osage County
配給:アスミック・エース
オフィシャルサイト スタッフ・キャスト
全てのスタッフ・キャストを見る
2021年5月15日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
メリル・ストリープ出演作、集中鑑賞月間。
運送業の僕。
ここのところカーネーションの宅配便を毎日数百ケース、運んでいる。
「母の日」なんですよねー。
メリル・ストリープ
鬼気迫る演技で、冒頭から引きずり込まれます。
― “肉を食べる民族”は違うなぁと思いますよ、あれ見てると。
日本で、同年代の女優を思い浮かべても、彼女らは歳をとって枯れていくばかりで、ああいったタイプはまだ存在しませんね、
木と紙の家に住み、ヒジキと米を食べて育っていると、八千草薫や加藤治子は生まれても、間違ってもメリル・ストリープは誕生しないのかもしれません。
正常と異常が、夜嵐の空を流れる暗雲のように去来し、
正気と薬物中毒の顔は、突然まだらに交錯する。
「私に1錠」
「娘たちのために1錠」
愛と狂気に迫られて、母は2錠のクスリを自身の口腔にぶっ込む。
悲しみ、怒り、嘘、
甘え、依存、諦めと、われわれが持っている喜怒哀楽=特にマイナスの感情と病変のすべてを、121分間、これでもかこれでもかと スクリーンに叩きつけくれるわけで。
こちらも鎮静剤を飲まなきゃやってられない。
・・・・・・・・・・・・
母親が娘夫婦と孫を呼びつける映画と言えば、最近ではカトリーヌ・ドヌーブの「告白」が思い出される。
⇒冷たく素っ気なく娘夫婦を突き放すカトリーヌの母親像と、対してこちら青コーナーのメリル・ストリープは、娘への徹底的な干渉、挑発、そして場を一にする人たちの心身を侵蝕。毒親の彼女は肉弾戦の破壊工作をこれでもかとやってくれる。
どちらの映画も、娘たちにとってはあれは実の母親なわけで、簡単に割り切って縁を切るわけにいかない母と子なんですよね・・
「母の日」にこれを鑑賞した僕は、ちとメンタルをやられています。
反抗期の孫娘ジーンは、おばあちゃんちで、一部始終、大変なものを見てしまったわけで、阿鼻叫喚の家族の有り様に硬まっているこの子の将来が、僕はホントに心配だ。マリファナぐらいなんだ。それくらい許してやってほしいよ。
そしてジュリア・ロバーツ、
・何をしてもいいが私より先に死ぬな
・生き延びて!Survive!
・わかったわね?ときつく娘に念を押すあのジュリア・ロバーツ。痩せてやつれた長女の横顔と孤軍奮闘ぶりには胸打たれた。
長女であるジュリア・ロバーツに向かって同じく長女である母メリル・ストリープが宣告する
「人は曖昧の中に生きているの」
「曖昧さ無しで生きているのはバーバラおまえだけさ」
「お前がいればパパは死ななかった」
なんというとどめを刺す言い方。
叔父夫婦も問題あり。妹たちもそれぞれ破れを背負っている。
映画は語る、すべて暑さのせいだと。
鑑賞後、
いま観た地獄絵図を呆然と思い出してみる。
そして、個々のやり取りではなく、ドラマ全体を大きな塊として俯瞰してみる。
なんだろな・・
みんなも非道いけど、もしかしたら、あの一家の中で、あのお母さんが一番理性的で、思いやりと慎みがあって、みんなの苦難を受け入れた優しい人だったのではないかと
ふと思った。
・
辞書引けば「肉体」なりきカーネーション
2020年12月12日
iPhoneアプリから投稿
家族の秘密が次々と暴かれていく中、カンバーバッチがピアノを弾いて歌う曲がカオスで、なんだかトドメを刺されてしまった。
アメリカだろうと日本だろうと、
故郷を離れて暮らし、親が老齢になろうとしている世代には、厳しい映画。吐かれる台詞も、暴かれる事実も、先の展開も、全て救いがない。元々ダメな一家がさらにダメになっていく様がダイナミックに描かれます。
地味で眠くなる系の物語かと思いきや、なかなかキツい。親は大事にしよう、と考えさせられました。
私には弟が一人いますが
家族に関しての闇を抱えずっと疎遠です
私も家族に関して特に父親に関しては
弟と一緒で小さい時から思い悩み苦しんだけど
今は親ももうかなり高齢
母親は弟に関して非常に気を遣い母親も苦しんでます。
母親とは一緒にご飯行ったり映画見たり過ごしてあげたいと思ってますが弟はもう関わりたくない無理だといい連絡すらない状態です。
この映画を観て父親の失踪自殺を気に家族が集まり
そこから今まで黙っていた事隠し続けていた事etc
がわかり一人一人離れていってしまった。
家族の絆は強いなど時には言いますが
家族と言っても一人一人人格を持った生き物
家族だからこそ分かり合えると言うのは違うのかも
しれないと深く思った映画でした。
弟も親が亡くなった時親のありがたみや
親が子を思い続けていた気持ちがわかるのだろうか。
弟も苦しんできた気持ちも姉として凄くわかりますが
親が亡くなって気付いて後悔する前に
今生きている時に少しでも歩みよって少しでも
親と時間を共に過ごして欲しいと私は願っています。
すべての映画レビューを見る(全46件)