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「ヤンヤン 夏の想い出 4Kレストア版」オルタナティブ・ポスター15点一挙公開! イッセー尾形、山中瑶子、石川慶らがコメント発表

2025年12月10日 11:00

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画像1(C)1+2 Seisaku Iinkai

台湾ニューシネマを代表する巨匠、エドワード・ヤン監督の遺作であり集大成である「ヤンヤン 夏の想い出」が、公開から四半世紀を経て4Kレストア化され、12月19日に日本公開される。このほど、主人公の少年ヤンヤンとその姉ティンティン、父NJを中心に本作の印象的なシーンを切り取ったオルタナティブ・ポスタービジュアル15点が一挙公開された。

恐怖分子」「牯嶺街少年殺人事件」「カップルズ」等で知られるヤン監督は、2007年に59歳で惜しまれつつ亡くなった。「ヤンヤン 夏の想い出」は、少年とその家族が経験するひと夏の出来事を、時に残酷で時にまばゆいほどの映像で描いた物語。台湾と日本合作で製作され、台北と東京、熱海を舞台とし、イッセー尾形ら日本の俳優陣も参加している。

2000年に第53回カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞したほか、東京国際映画祭、トロント国際映画祭など世界の映画祭で上映され、今なお多くの批評家や監督からも熱狂的な支持を集めている。16年の英国BBC主催の「21世紀の偉大な映画ベスト100」の第8位に選出、23年にはハリウッド・リポーターによる「21世紀の映画ベスト50」で堂々の1位に輝き、北米のレビューサイトRotten-Tomatoesでは現在批評家からは97%フレッシュ、一般のユーザーからは91%という高スコアを維持(25年8月27日時点)しており、色褪せぬどころか、時を経てなおその評価が高まり続けている作品。この比類なき傑作が4Kレストア化され、今年開催された第78回カンヌ国際映画祭クラシック部門のオープニング作品としてお披露目され、惜しみない賛辞を受けた。

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公開されたオルタナティブ・ポスタービジュアル15点は、本編冒頭で家族の物語の幕開けを象徴する結婚式のシーンをはじめ、ファーストフード店でナゲットとポテトを食べるヤンヤンを傍らでNJが見守る様子を切り取ったビジュアルや、プールサイドで服を着たままのヤンヤンが今にも水に飛び込みそうな瞬間、学校から帰宅した制服姿のティンティンが部屋の前で佇む姿や、イッセー尾形扮するゲーム・プログラマーの大田とNJによる車中での語り合いなど、輝かしくかけがえのない瞬間が映し出されている。ヤンヤンを中心とした少年少女たちのビジュアルにも目が釘付けになる。一方のNJら大人たちを捉えたビジュアルはその表情が深刻そうにも見え、どんな物語が展開していくのか好奇心をくすぐるデザインに仕上がっている。

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4Kレストア版日本公開を受け、いち早く鑑賞した著名人から熱いメッセージが寄せられている。「遠い山なみの光」の石川慶監督は「カメラをどこに置くか、そのたった一つの選択が世界をいかようにも変えてしまう。その魔法のような力を、僕はこの映画から教わった。その驚きは、何度観ても新鮮なままだ」と本作を絶賛。また、「ナミビアの砂漠」の山中瑶子監督は「生まれたばかりの赤子から死にゆく老人まで、あらゆる年代が画面を往来するこの映画は、見る者の現在地をそっと照らす。喜びも痛みも、取り返しのつかない時間さえも、普遍であるからこそまぶしい。見えないものへ手を伸ばす勇気を、何度でも呼び起こしてくれる」と本作に力をもらっていると語る。

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そのほかモデルの小谷実由、芸人で歌人でもある鈴木ジェロニモ、イラストレーターの川村ナヲコ、「ふつうの子ども」の呉美保監督、「あのこは貴族」の岨手由貴子監督、「SUPER HAPPY FOREVER」の五十嵐耕平監督、映像作家の島田大介、映画評論家の森直人、映画ライターで編集者でもある月永理絵、映画批評家の児玉美月、映画を中心に執筆活動をするISO、そして本作に日本人ゲーム・プログラマーの大田役で出演するイッセー尾形と、多方面からメッセージが続々と寄せられた。さらに、川村ナヲコからは本作にインスピレーションを受けて描かれたイラストも公開された。

「ヤンヤン 夏の想い出 4Kレストア版」は、12月19日よりBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、シネスイッチ銀座、109シネマズプレミアム新宿ほかにて全国公開。コメントは以下の通り。

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イッセー尾形(俳優)】
「ヤンヤン夏の想い出」はどのシーンも丁寧な断片の積み重ねですが、特に何度も思い出すのが、NJが彼女と東京で会うホテルの窓から東京タワーがはじに見えるのですが、それが不気味な存在感で、こんな東京タワーは見たことがありません。薄い霧に包まれてるような、正真正銘の無国籍のような。言葉では到底たどり着かない独特の存在感でした。
この作品の、ある意味象徴かもしれません。
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山中瑶子(ナミビアの砂漠」監督)】
生まれたばかりの赤子から死にゆく老人まで、あらゆる年代が画面を往来するこの映画は、見る者の現在地をそっと照らす。喜びも痛みも、取り返しのつかない時間さえも、普遍であるからこそまぶしい。見えないものへ手を伸ばす勇気を、何度でも呼び起こしてくれる。
石川慶(「遠い山なみ光」監督)】
カメラをどこに置くか、そのたった一つの選択が世界をいかようにも変えてしまう。
その魔法のような力を、僕はこの映画から教わった。
その驚きは、何度観ても新鮮なままだ。
【小谷実由(モデル)】
誰しもが体験するであろう人生の出来事を、ありのまま優しく撫で肯定してくれるようなこの作品が大好きです。何度も見ている景色の中で、新たな視点を見つけることができる喜び。ヤンヤンはもちろん、この作品で出会えるたくさんの愛おしい人物たちのことをさらに深く想像した幸せな時間でした。
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【鈴木ジェロニモ(芸人・歌人)】
冷蔵庫から取り出したチーズの円い箱にチーズが入っていない。なんなんだ。自分が自分らしくて笑う。チーズがひとつだけ入っていたら、もしかしてさみしかったかもしれない。ひとつだから、ひとりだから、そこにいるから、いなくなる。スクリーンの奥に、遠くに、人がいる。マッチを擦った火のようにさみしさが立ち上がる。お願い。いなくならないで。言葉に含まれる微量の風が、消さないように、火を揺らす。
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【川村ナヲコ(イラストレーター)】
昔のような、そんなに昔でもないような時間のなかで
見たことがないような、または自分の記憶のような風景に包まれて、
いつまでもまどろんでいたいけど厳しく目覚めさせてくれる映画でした。
願わくばイッセー尾形さん演じる大田のようにわたしも朝を恐れず生きたい。
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森直人(映画評論家)】
愚かなる大人たち。愚かになりつつある子供たち。我々は様々な欠陥や煩悩を抱えながら、人生という戦場を傷だらけで渡っていく。その宿命的なメカニズムは、エドワード・ヤンの集大成的な人間曼荼羅「ヤンヤン 夏の想い出」に全て描かれているようだ。
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【児玉美月(映画批評家)】
生まれゆく赤子から死にゆく老人までが交錯するポリフォニックな本作は、いつどの時代に観ても必ずそこに自分を見つけられる。これほどまでに人生のすべてが凝縮されている映画はきっとほかにない。2025年は、ぜひ「ヤンヤン 夏の想い出」で締め括ってください。
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岨手由貴子(映画監督)】
オールタイムベストを考えるときに、必ず頭に浮かぶ作品です。
昨今の“考察”ブームに逆行するようなエドワード・ヤンの美しい悲喜劇は、この世の屈託のない真理を見せてくれます。
これからも、何度も何度も、私はこの映画を観つづけるでしょう。
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【月永理絵(映画ライター・編集者)】
取り返しのつかなさ。エドワード・ヤンの映画を見るといつもその言葉が浮かぶ。起きてしまったことはもうやり直せない。すべては手遅れなのだと。「ヤンヤン 夏の想い出」もまた、残酷なほど克明に、人生の取り返しのつかなさを私たちに突きつける。けれどその先にかすかな希望が垣間見える。それは子供たちへと託した願いなのだろうか。
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島田大介(映像作家)】
エドワード・ヤン監督作品の中でも、ゆったりとした時間の流れが心地よい作品。長回しカットは4K化によって、キャストの表情や、奥にある美術を鮮明に映し出し、改めて監督の意図をより深く理解することができました。
何度も鑑賞している作品ですが、今回初めて鉄腕アトムが沢山隠れていることに気づきました。
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呉美保(映画監督)】
どのカットも、どのセリフも、どの音楽も
ため息が出るほどに全てが完璧
時代も流行も超越して
いつ観ても、私に寄り添い
何度観ても、新しい発見をくれる
観ている間はただただ、心が満たされてゆく
この映画の他でもない幸福は
エドワード・ヤン監督の「永遠の最新作で最高傑作」
として輝き続けていることかもしれない
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五十嵐耕平(映画監督)】
映画というものが一体何なのか未だにまるでわからないでいる。
でも「ヤンヤン 夏の想い出」という透き通ったフィルムを観たその時、
自分が心の奥で感じていたこの世界の感覚を「ほら、これかもしれないよ」と差し出され初めて触れた気がした。
この映画はまるで、困難な時に何も言わず傍にいてくれる誰かのよう。
そういう存在は一生忘れない。
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【ISO(ライター)】
人生に訪れる豊かな感情、瞬間を鮮明に捉えたある家族のポートレート。忘れ難い画と台詞の連なりがゆるやかなペースで連鎖していくなかに、驚くほど濃い時間が凝縮されている。儀式で始まり、儀式で終わる別の国の日常に、なぜこれほど深く共感できてしまうのだろうか。生活のふとした瞬間に思い出してじっと浸りたくなる、そんな映画。

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