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「盤上の向日葵」あらすじ・概要・評論まとめ ~将棋という勝負の世界でしか生きられない新旧の業に心震える~【おすすめの注目映画】

2025年10月30日 11:00

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「盤上の向日葵」
「盤上の向日葵」
(C)2025映画「盤上の向日葵」製作委員会

近日公開または上映中の最新作の中から映画.com編集部が選りすぐった作品を、毎週3作品ご紹介!

本記事では、「盤上の向日葵」(2025年10月31日公開)の概要とあらすじ、評論をお届けします。


画像2(C)2025映画「盤上の向日葵」製作委員会
【「盤上の向日葵」あらすじ・概要】

孤狼の血」で知られる作家・柚月裕子の同名小説を、坂口健太郎渡辺謙の初共演で実写映画化したヒューマンミステリー。昭和から平成へと続く激動の時代を背景に、過酷な人生を生きる天才棋士の光と闇をドラマチックに描く。

山中で身元不明の白骨死体が発見される。現場には、この世に7組しか現存しない希少な将棋駒が残されていた。駒の持ち主は、将棋界に彗星のごとく現れ時代の寵児となった天才棋士・上条桂介であることが判明。さらに捜査を進めていくと、桂介の過去を知る重要人物として、賭け将棋で圧倒的な実力を誇った裏社会の男・東明重慶の存在が浮上する。やがて、謎に包まれていた桂介の生い立ちが明らかになる。

主人公の天才棋士・上条桂介を坂口、桂介に大きな影響を与えた賭け将棋の真剣師・東明重慶を渡辺が演じ、事件の真相を追う刑事役で佐々木蔵之介高杉真宙、桂介の恩師役で小日向文世、桂介の父役で音尾琢真、東北一の真剣師役で柄本明が共演。さらに映画版オリジナルのキャラクターである桂介の元婚約者・宮田奈津子を土屋太鳳が演じた。「ユリゴコロ」「隣人X 疑惑の彼女」の熊澤尚人が監督・脚本を手がけた。


【「盤上の向日葵」評論】
●将棋という勝負の世界でしか生きられない新旧の業に心震える(執筆:和田隆
画像3(C)2025映画「盤上の向日葵」製作委員会

若手とベテランという新旧の組み合わせによる名作、秀作はこれまでにも数多く作られてきた。三船敏郎志村喬(「野良犬」など)、ポール・ニューマントム・クルーズ(「ハスラー2」)、モーガン・フリーマンブラッド・ピット(「セブン」)、レオナルド・ディカプリオロバート・デ・ニーロ(「ボーイス・ライフ」)、松坂桃李役所広司(「孤狼の血」)など枚挙に暇がないが、世代や境遇の違う二人(師弟)のぶつかり合いや刺激し合う関係性が物語を引っ張っていく展開は、観客を引き付ける大きな映画的要因のひとつと言える。

盤上の向日葵」は、「孤狼の血」などの作家・柚月裕子の同名小説を、坂口健太郎渡辺謙という初顔合わせで映画化した心を震わせられるヒューマンミステリーだ。昭和から平成へと続く激動の時代を背景にして、過酷な人生を生きる天才棋士・上条桂介の光と闇をドラマチックに描いていくが、ある事件を発端に、被害者や容疑者の過去や謎、血筋をめぐる業が次第に明らかになっていく物語展開は、名作「砂の器」(1974)を彷彿とさせ、現代版的な側面も持つ。

画像4(C)2025映画「盤上の向日葵」製作委員会

坂口がこれまでのラブストーリー作品などで見せてきたさわやかな役柄のイメージを覆し、ある事件の容疑をかけられる謎に包まれた天才棋士・上条を演じ、彼が抱える葛藤や光と闇を体現。一方、上条に大きな影響を与える賭け将棋の真剣師・東明重慶に扮した渡辺が、裏社会の男の狂気と悲哀をリアルに演じ、圧倒的な存在感をみせる。違う世界で生きてきた二人が、将棋という勝負の世界でしか生きられないという共通の業によって引き寄せられ、反発し、裏切られながらも断ち切ることのできない師弟関係が、前述の新旧のケミストリーを発揮して大きな見どころとなっている。最近の将棋ものでは、イ・ビョンホンユ・アインが共演した韓国映画「スンブ 二人の棋士」が、勝負を超えて師弟がたどり着く真の成長の姿と境地が深い感動を呼んだ。

画像5(C)2025映画「盤上の向日葵」製作委員会

盤上の向日葵」は、普通に幸せに生きたいと願いながらも、壮絶な過去を持ち、才能があるゆえに運命に翻弄され、将棋の勝負のように、その一手、差し手を間違えれば人生が大きく変わってしまうことと重なり合っていく。それでも上条が自らの宿命のようなものを背負い、“生き切ろう”“生き直そう”とする姿が観る者の心に強いメッセージを突き付ける。劇中で画面いっぱいに広がる向日葵畑の美しさに胸が熱くなる。

執筆者紹介

和田隆 (わだ・たかし)

1974年生まれ。映画業界紙の記者、編集長などを経て取締役に就任。キネマ旬報などに寄稿。2014年より映画.comで国内映画ランキング、新規事業などを担当。映画もプロデュース。


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