【バスケW杯記念】おすすめの“面白いバスケ映画”10選 ~編集部厳選~
2023年8月25日 21:00
8月25日から開幕した「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」。沖縄(日本)、フィリピン(マニラ)、インドネシア(ジャカルタ)の3カ国で開催され、32チームが参加。9月10日までの16日間で計92試合が行われる予定です。
映画.comでは、同大会の開催を記念して「バスケ映画」にフォーカスしました。本記事では、映画.com編集部スタッフがおすすめする“バスケ映画10選”をお届け。作品の概要とともに、実際に鑑賞して見出した“注目ポイント”を記載しています。鑑賞作品のセレクトに悩んだ際は、是非参考にしてみてください!
レオナルド・ディカプリオ主演作。1960年代後半に衝撃的に登場した天才詩人ジム・キャロルの同名の自伝的小説(邦訳「マンハッタン少年日記」晶文社刊)の映画化。ニューヨークを舞台に、高校生が麻薬に手を出して破滅していく様をリアルに描く。
タイトルから「バスケ少年の青春日記」を想像していたら、どん底まで突き落とされた作品です(ヘビーすぎるんですよ……)。「ギルバート・グレイプ」以降、「タイタニック」以前のディカプリオが演じるのは、高校では“バスケの名選手”としても知られる問題児。麻薬にハマったことで、堕ちる、堕ちる、とことん堕ちる。晴れやかな気持ちには一切なりませんが、この急降下ぶりを体現したディカプリオの芝居が本当に凄まじい。一見の価値アリです。
1999年、実際に高校のバスケットボール・チームで起こった出来事を基に描く感動の実話ストーリー。高校のバスケット・コーチとなったケン・カーターは、チームメンバーの将来を考えて、リーグ戦の2試合を失っても彼らの成績を向上させようとする。カーター役はサミュエル・L・ジャクソン。監督は「セイブ・ザ・ラストダンス」「ネゴシエーター」のトーマス・カーター。
実際にアメリカの高校で起こった事実を描いたからこそ、全米で大ヒットするほど多くの人に受け入れられたのだろう。母校のバスケ部コーチになったケン・カーターを演じたサミュエル・L・ジャクソンの立ち居振る舞いは“コーチ”そのもので、違和感の欠片もない。今や人気俳優となったチャニング・テイタムにとって、今作が銀幕デビュー作。初々しい表情も、また見逃せない。
ドン・ハスキンズのベストセラー自叙伝を映画化した作品。舞台は、1966年のアメリカ。当時の大学バスケットボール界は、白人の選手がメインで構成され、黒人選手に関しては“暗黙のルール”があった。ドン・ハスキンズがコーチを務める弱小チームには、有能な白人選手をスカウトできるだけの資金力はない。ある日、ニューヨークの街角でストリートバスケットボールに興じる黒人の青年たちを見かけたハスキンズは、彼らのプレイに心を動かされる。彼らに奨学金を与え自分のチームに引き抜いたハスキンズ。やがて、彼のチームは、メンバーの半数が黒人選手となった。当時では考えられない型破りなチーム編成による奇跡的な快進撃が始まった。
ジョシュ・ルーカスが、主人公となる大学バスケ部のヘッドコーチに就任するドン・ハスキンズを熱演。それにしても、カレッジスポーツの世界にこのような人種差別がまかり通る時代があったことに驚きを禁じ得ない。その内容については、ぜひ本編で確認してもらいたい。そして、そんな逆風をものともせず快進撃を続ける選手たちの勇姿から、諦めない心の神髄を垣間見た気がした。
原作は実在のチーム「JALラビッツ」をモデルにした深田祐介氏の小説「翔べ!ラビッツ」。石原さとみ、真木よう子らが出演している。女優たちが体当たりで演じているバスケットボールシーンには、本物のJALラビッツの選手も参加した。夢と希望を抱いてフライトアテンダントになった早瀬ゆかりは、ひょんなミスから会社のバスケットボールチーム「ラビッツ」に入部する羽目に。過酷なバスケの練習に加え、仕事の研修では教官になじられる日々。さらに、彼氏が実家に帰ってしまって遠距離恋愛状態に……。
実在する女子バスケチーム「JALラビッツ」をモデルにした小説が原作なだけに、バスケ経験の有無にかかわらず、キャスト陣にとって動けるか否かに関してのプレッシャーは相当なものだったはず。それでも、「ラビッツ」メンバーを演じた主演の石原さとみをはじめ、真木よう子らのディフェンス時の腰の落し方を見るにつけ、喝采をおくらずにはいられない。なお、メガホンをとったのは今をときめく瀬々敬久監督。
「俺たちフィギュアスケーター」のウィル・フェレルによる痛快スポ根コメディ。1970年代前半のプロバスケットボールリーグは、競技性重視のNBAとエンタメ主義のABAが人気を二分していた。ABAのダメチーム「フリント・トロピックス」のオーナー兼コーチ兼選手でソウルシンガーのジャッキー・ムーンは、過去の栄光にすがりながらも何とか試合を盛り上げようと奔走するが……。ウッディ・ハレルソンが共演している。
実在したプロバスケットボールリーグ「アメリカン・バスケットボール・アソシエーション」をモチーフにした映画……ではあるんですが、内容はおふざけ満載。初っ端からウィル・フェレル(監督で選手でオーナー、そして過去にヒット曲を出したシンガーというてんこ盛りの役どころ)がかましてくれますが、特に唖然としてしまったのは“ある動物とのガチンコバトル”を利用した客寄せアイデア。そこまでやるか、いや“やらなければならない”のか。“エンタメ”としてのバスケをどうとらえるか?……なんて堅苦しい疑問は抜きで、肩の力を抜いて楽しめる1本です。
ハンディキャップを持つ選手たちによるバスケットボールチームと人生迷走中なコーチの出会いと絆を描き、スペインのアカデミー賞といわれるゴヤ賞で作品賞など3冠に輝いたドラマ。バスケットボールのプロリーグでコーチを務めるマルコは、短気な性格が災いして問題を起こし、チームを解雇されてしまう。知的障がい者のバスケットボールチーム「アミーゴス」を指導することになった彼は、選手たちの自由すぎる言動に困惑しながらも、彼らの純粋さや情熱、豊かなユーモアに触れて一念発起。全国大会でまさかの快進撃を見せる。「アミーゴス」のメンバーには、実際に障がいを持つ600人の中からオーディションで選ばれた10人の俳優を起用している。
プロバスケチームのコーチが、知的障がい者チームを指導することになったことから巻き起こるハートフルコメディ。初めは言葉でのコミュニケーションが苦手な選手たちに手を焼いていた主人公ですが、嘘のない彼らと接するうちに、父親のようなあたたかい眼差しを向けるように。選手たちもまた、できなかったことができるようになる楽しさ、チームで勝利する喜びを知り、大きく成長していきます。コーチと選手がお互いに相手から学び合い、絆を深めていく姿にグッと心を掴まれます。実際にハンディキャップをもつ10名の俳優たちの生き生きとした表情が印象的。爽やかな物語を通して、個性や多様性について問いかける良作です。
「ザ・コンサルタント」の監督ギャビン・オコナーと主演ベン・アフレックが再タッグを組み、アルコール依存症に陥った元バスケットボール選手が、母校の弱小チームの指導を通して再生していく姿を描いたヒューマンドラマ。工事現場で働く中年男性ジャックは、妻と別れ、酒に溺れる日々を送っていた。そんなある日、彼は母校からバスケットボール部のコーチを依頼される。ジャックは高校時代にバスケットボールの天才選手として活躍したが、なぜか突然バスケットボールの世界から去ってしまったのだった。迷いながらもコーチを引き受けた彼は、自分が在籍していた頃とは程遠い弱小チームに成り果てたバスケットボール部の立て直しを図るが……。
落ちぶれてしまった人物が、他者の指導を通じて“再生への道”を歩んでいく。オーソドックスかつ王道のストーリーラインですが、特筆すべきは、ベン・アフレックの存在感。実際にアルコール依存症と闘ったアフレックが、アルコール依存症に苦しむ主人公を演じる……まさに自分自身と向き合った役どころなんです。弱小チームが勝利への道を突き進むさまに胸が高まりますし、クライマックスの展開もグッとくるはず。
アダム・サンドラーが製作・主演を務め、プロバスケットボールの世界を舞台に描いたスポーツドラマ。運に見放されたNBAスカウトマンのスタンレーは、仕事でスペインを訪れた際、ストリートで賭けバスケに興じていた青年ボー・クルスに目を止める。ボーの並外れた才能にほれ込んだスタンレーは、過去に問題を抱える彼をチームの了承なしに渡米させることに。スタンレーとボーはNBAで成功を勝ち取るべく、様々な逆境に立ち向かっていく。ボーを演じたのは、NBAの現役選手フアンチョ・エルナンゴメス。
「本当は現場で指導がしたい」と常々感じているスカウトマンが“天才”を発見。二人三脚でいくつもの“壁”を乗り越えていく胸アツサクセスストーリー。キーワードは「決して屈しない」。理不尽で絶望的な仕打ちに遭いながらも、最後の最後まで屈しなければ、活路は見出せるのだ…と教えられているかのような。製作にはレブロン・ジェームズの名前も! NBAの現役選手&レジェンドが続々登場するのも嬉しいポイントです。
1990年から96年まで「週刊少年ジャンプ」で連載され、現在に至るまで絶大な人気を誇る名作バスケットボール漫画「SLAM DUNK」を新たにアニメーション映画化。原作者の井上雄彦が監督・脚本を手がけ、高校バスケ部を舞台に選手たちの成長を描き出す。
バスケの映画といえば、絶対に外せないのが大ヒットした「スラダン」。原作は桜木花道の成長を見守るように読んでいましたが、映画では未経験者でもわかる試合シーンの説得力に圧倒され、その場で実際に観戦しているような気分になりました。人間の動き、表情、試合中の空間の捉え方、息遣いや体温までも伝わってくるような熱量。かっこよすぎるオープニング映像で鳥肌が立ち(かっこよすぎて泣きそうになるという初めての体験も)、終盤、加速する宮城リョータに合わせて音楽がかかるタイミングも完璧です。
ベン・アフレックが盟友マット・デイモンを主演に迎えてメガホンをとり、ナイキの伝説的バスケットシューズ「エア・ジョーダン」の誕生秘話を映画化。1984年、ナイキ本社に勤めるソニー・ヴァッカロは、CEOのフィル・ナイトからバスケットボール部門を立て直すよう命じられる。しかしバスケットシューズ界では市場のほとんどをコンバースとアディダスが占めており、立ちはだかる壁はあまりにも高かった。そんな中、ソニーと上司ロブ・ストラッサーは、まだNBAデビューもしていない無名の新人選手マイケル・ジョーダンに目を留め、一発逆転の賭けと取引に挑む。
バスケを知らない人でも「エア・ジョーダン」という靴ならご存じという方も多いのではないでしょうか? 本作はそんな「エア・ジョーダン」ができるまでというナイキのビジネスが主題となる、一味変わったバスケ映画です。ビジネス映画としても非常に興味深く、引き込まれる内容なんですが、なんてったってこの作品の魅力はチームワークです。バスケ部門の立て直しを命じられた企画発案のソニーとそれをささえるマーケッター、シューズデザイナー、営業、そして経営者。そんなバスケチームのような5人の絶妙なチームワークで、今でも多くの人に愛されるブランド「エア・ジョーダン」を生み出していく、それはまるでスポーツ映画で味わえるような爽快感や達成感を与えてくれます。そして彼らはスポーツビジネスに革命を起こすのです。スポーツが好きな人にも、ビジネスに興味がある人にも必見です。
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