「イ・チャンドン アイロニーの芸術」特別予告編&いがらしみきお、仲野太賀、西川美和、ライムスター宇多丸コメント公開
2023年8月23日 17:00
韓国の巨匠イ・チャンドンの全作品を初の4Kレストア上映する特集「イ・チャンドン レトロスペクティヴ4K」で上映されるドキュメンタリー「イ・チャンドン アイロニーの芸術」の特別予告編とイ・チャンドン映画を愛する著名人(いがらしみきお、仲野太賀、西川美和、ライムスター宇多丸)からのコメントが公開された。
初の本格的なレトロスペクティブとなる本企画のラインナップは、初期の傑作「ペパーミント・キャンディー」(過去唯一4Kで上映)に加え、第71回カンヌ国際映画祭国際批評家連盟賞受賞作「バーニング 劇場版」、第63回カンヌ国際映画祭脚本賞受賞作「ポエトリー アグネスの詩」、第60回カンヌ国際映画祭主演女優賞をチョン・ドヨンにもたらした「シークレット・サンシャイン」、第59回ベネチア国際映画祭最優秀監督賞ほか数々の賞に輝いた「オアシス」、長編デビュー作「グリーンフィッシュ」の6本。
併映される「イ・チャンドン アイロニーの芸術」は、イ監督の作品に魅了されたフランス人監督アラン・マザールによる新作ドキュメンタリー。本作は、43歳にして小説家から映画監督に転身したイ監督の異色のキャリアを、現在から過去へと遡りながら、かつてないほど率直な本人の述懐、ゆかりの地にふたたび自ら足を運ぶ“聖地巡礼”だ。
コロナ禍での困難を逆手に取り、イ監督の制作会社パインハウスフィルム全面協力のもと自身が水先案内人として本作に深く携わる。いままで発表された作品群のフッテージとともにソル・ギョング、ソン・ガンホ、チョン・ドヨン、ムン・ソリ、ユ・アインら、錚々たる豪華俳優陣が思い起こされる当時の記憶、その思いを口々に明かしていく。
「イ・チャンドン レトロスペクティヴ4K」は、8月25日から、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開。
イ・チャンドンは大学の先生でもあるが、我々の先生でもあるだろう。
創る前に無駄なことを考えるな、創っている時は集中しろ、創ったあとによく考えろ、と言われているような気がする。
どの作品からもそれを感じる。
―いがらしみきお(漫画家)
この映画に触れてしまった僕は、もう観る前には戻る事ができないと思った。
イ・チャンドン監督作品は人間の深部を覗き、人生の悲哀と美しさに魂を震わせ、映画の魔法に魅せられる最上の体験だと思う。
―仲野太賀(俳優)
「イ・チャンドン監督は、別格ですから」「あんな作り方は他にできませんよ」と、韓国の映画人たちも、敬意を込めつつも半ば諦めたように、その人を語る。
けれど、行く道を見失いかけるたびに思い返してきた。
私たちには、イ・チャンドンがいるではないか。北極星のように、静かに、いつもそこにある。
アジアの作り手たちに、誠実さと映画の奇跡を思い出させ、勇気づける。
―西川美和(映画監督)
なのに例えばその代表作にして圧倒的大傑作たる『シークレット・サンシャイン』も『ポエトリー』も、新たな観客がアクセスしづらい残念な状況が続いていた……その意味で今回の回顧上映には、快哉を叫びたい。
何せ6作(+1)しかないんだから、全部観りゃいいよ!
私自身4Kでの「再発見」を、心から楽しみにしています。
―ライムスター宇多丸(ラッパー/ラジオパーソナリティ)
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