“若きウィリー・ウォンカ”ティモシー・シャラメは「最高」! 「ティーパーティ」イベントをレポート、監督のQ&A独占入手
2023年7月13日 14:00
「チャーリーとチョコレート工場」の“始まりの物語”を紡ぎ、ティモシー・シャラメが若きウィリー・ウォンカに扮する「ウォンカとチョコレート工場のはじまり」。予告編を初披露した「ティーパーティ」と銘打たれたイベントが、7月5日に英ロンドンで開催された。
この記事では、映画.comが独占で、世界観が再現されたイベントと、ポール・キング監督(「パディントン」シリーズ)のQ&Aセッションの模様をレポート。キング監督は、「主演のティモシー・シャラメは最高で、一緒に仕事をするのが楽しくて仕方がありませんでした。彼は脚本執筆時の私自身が想像し得なかった形で、ウィリー・ウォンカを体現しています」と、熱いコメントを寄せた。
本作は、世代を超えて愛されるロアルド・ダールの児童書「チョコレート工場の秘密」をもとにしたオリジナルストーリー。ジーン・ワイルダー主演の「夢のチョコレート工場」(1971)やジョニー・デップ主演の「チャーリーとチョコレート工場」(2005)に登場した工場主ウォンカとチョコレート工場の誕生秘話を描く。中世ヨーロッパを舞台に、いつか母と一緒においしいチョコレートの店を作ろうと夢見ていたウォンカが、一流のチョコレート職人が集まるチョコレートの町へと向かうことから、物語は始まる。
ロンドン市内のホテルのバーに作られた「ティーパーティ」の会場は、甘い匂いが充満する、カラフルで幻想的な空間。チョコレートファウンテン、キャンディなどのスイーツがちりばめられ、予告編でウォンカがぶら下がって空を飛ぶ風船のような装飾も用意されている。集まったジャーナリストやインフルエンサーたちは、煙が出る謎のドリンク、奇抜な色のジュース、綿菓子、そしてウォンカの「W」のロゴが入ったマカロンなど、一風変わったグルメを楽しんだ。
来場者がスイーツを存分に堪能したあと、試写室で予告編を上映。とりわけ、ヒュー・グラント演じるオレンジ色の小さな紳士“ウンパルンパ”が登場すると、どよめきと笑いが巻き起こった。続いて、舞台挨拶に登壇したキング監督が、Q&Aセッションに参加した。
原作「チョコレート工場の秘密」に登場するウォンカは、類まれな創作物だと思います。得体の知れないマジシャンであり、発明家であり、チョコレート職人であり、はたまた夢を叶える非凡な人物でもある。また、彼の周りではあり得ないことが起こっているように見え、非凡な人々、クリーチャー、そして驚くべき出来事に遭遇します。
私はウォンカを物語の中心に据えたらどうなるだろうと、その人物像を深く掘り下げることに興味をそそられたのだと思います。というのも、原作は子どもの頃のお気に入りの1冊だったからです。(中略)ただ、もちろん(原作の)物語で心情面の核となるのはチャーリーです。チョコレートを買う余裕もなく、毎日チョコレート工場の前を通り過ぎるしかない、とても貧しい少年と、その工場にいる非常に興味深く、人を惹きつける驚くべき人物の物語です。そこで、この人物のことをもう少し深く掘り下げて、ダールが前日譚を書こうとしたなら、きっと認めたであろうものを考案するのは、面白いんじゃないかと思ったのです。
本作はウォンカの自由奔放で素晴らしい物語を描いたもので、「彼のチョコレート愛はどこから来ているのか」「素晴らしい冒険の旅の行く先は?」「チョコレートを世界に広めることがなぜそんなに重要なのか」といった、皆さんが抱いたことがなかったような疑問に答えます。
彼は本当に驚異的ですよ。もちろん「君の名前で僕を呼んで」や、それ以降の出演作の数々を見たことはあったのですが、(ジョークで)彼は12歳かそこらだったと思います(笑)。嫌になるほど若く、成功している上に、ハンサムで魅力的だし、優しいときた。本当に憎らしいですよ(笑)。
ウォンカを演じられる一握りの人たちのリストのなかでも、彼こそがウォンカだったのです。稀有な才能の持ち主なので、彼をぜひ起用したいと思いました。とても愉快で、魅力的だし、見た目も完璧。彼の世代で最も素晴らしい俳優だと思います。自身の個人的な感情に深く入っていき、眼差しやちょっとした仕草で表現することができる素晴らしい能力を持っているのです。
非常に抑制が効き、頭が切れ、信じられないほど感情面で直感的。そんな資質が、ユーモア溢れる、歌って踊ることができる人にあるなんてすごいことで、彼を起用できて本当に幸運でした。これまでに同役を演じた偉大な人たちの後に続くという重責を負うわけですが、彼はそれに十二分に応えていると思います。(中略)ウォンカの映画は、ウォンカ役を誰が演じるのか、そしてその役に何をもたらしてくれるのかに全てがかかっているものですが、彼はあの破天荒さや茶目っ気、根底にある深い感情を見事に表現しており、本当に素晴らしいのです。
彼には大変な覚悟が必要だったのです。撮影期間はかなり長く、歌とダンスがあるので、撮影に入る前にやらなければならないことがたくさんありましたからね。(中略)あの年頃なら「スーパーヒーローの衣装をまとい、世界を救いにいきたい」と思うものだというのに、水が染み込んできそうな古い革靴を彼に履かせ、タップダンスを踊らせることに成功しました。それは彼があらゆることに挑戦し、さまざまな種類の映画を作りたいと思うからこそであり、それが、観客の心をとらえるものであればと願っています。
彼と一緒に仕事ができるのは嬉しいものです。彼が演じた中でも一番小さな役ですね(笑)。(中略)幸いヒューとは以前一緒に仕事をしたことがありました。彼は信じられないほど面白い人です。原作をもう一度読み返すことについて、話したかと思います。ウンパルンパはオリジナル映画ではほとんどの場合歌っていますが、セリフはあまりありません。ところが(原作には)、子どもたちについて語る、素晴らしい長編の詩があるのです。彼らは子どもたちに対して、信じられないほど皮肉で、批判的で、残酷で、ロアルド・ダール的なのです。遠慮は一切ありません。だから、そのキャラクターについて考えてみて、「ああ、ヒューだ」と思いましたね(笑)。
本作は明らかに、自分がこれまで手がけたどの作品よりもスケールの大きな映画です。そして、コロナ禍で移動が難しい時期に撮影しようとしていました。直感的に思ったのは、「夢のチョコレート工場」の“姉妹編”を作りたいということ。そこで、同作の撮影場所を参考にして、その雰囲気をとらえようとしたのです。海外に渡航して撮影するのは不可能だったのですが、幸いなことにスケールを決めようとしていたときに、「それなら自分たちで街をつくろうじゃないか」ということになり、「いいね。早速、筆箱を持ってくるから、描き始めよう!」となったのです。本当に楽しかったし、素晴らしい人たちとの共同作業もまた最高でした。
「夢のチョコレート工場」と同じで、本作も歌が中心となる映画です。あのような楽曲があれば、遊びたくならない方がおかしいでしょう。だから、「Pure Imagination」と「ウンパルンパのテーマ」の一部を使いましたが、最高に楽しいものですね。先月、音楽をレコーディングしていたとき、フルオーケストラが「ウンパルンパのテーマ」を演奏しているのを聞いて、「今日はいい日だ!」と思いました。とにかく最高です。それから、ヒューが歌って踊るのもいいものです。それは彼が得意とすることなんですからね。(中略)そのほか、私がずっとファンだったバンド「ディヴァイン・コメディ」のニール・ハノンが書いたオリジナル曲もあるのです。
「ウォンカとチョコレート工場のはじまり」は、12月15日に日米同時公開。
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