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菊地凛子×熊切和嘉監督「658km、陽子の旅」第25回上海国際映画祭コンペ部門に選出!

2023年5月30日 08:00

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菊地凛子「私の宝物のような作品」
菊地凛子「私の宝物のような作品」
(C)2022「658km、陽子の旅」製作委員会

菊地凛子熊切和嘉監督が22年ぶりに再タッグを組む映画「658km、陽子の旅」が、第25回上海国際映画祭のコンペティション部門に選出され、ワールドプレミア上映されることが決定した。あわせて、菊地と熊切監督のコメントと、主人公・陽子の姿をとらえた海外版ビジュアルもお披露目された。

本作は「嘘を愛する女」「哀愁しんでれら」などの話題作を輩出する映画オリジナル企画コンテスト「TSUTAYA CREATORS’PROGRAM(TCP)」の関連作品。2019年に開催されたTCP2019脚本部門の審査員特別賞を受賞した室井孝介のオリジナル脚本を原案に、熊切監督がメガホンをとった。父の訃報を受け、東京から青森・弘前市の実家までヒッチハイクをすることになった陽子が、旅のなかで出会う人々とのトラブルや温かい交流を通して、後悔を抱え孤立した心を癒していく一夜の物語を紡ぐ。

第25回上海国際映画祭は、6月9日~18日(現地時間)に開催。日本からは本作と、山田洋次監督作「こんにちは、母さん」が、コンペ部門に選出されており、本作の関係者も渡航を予定しているという。

熊切監督は、「この度は、上海国際映画祭の栄えあるコンペティション部門に本作を選出いただきまして、ありがとうございます。世界中から選ばれた素晴らしい作品の中の一本となれたことを光栄に思います。コロナ禍の真っ只中で生まれた『陽子』の旅路が国境を越え、上海の観客の皆様や、世界から集まる映画人の皆様の心に届くことを願っております」と語る。

菊地は、「上海国際映画祭のコンペティションに、私の宝物のような作品が上映される事、本当に本当に嬉しく思っております。20年前に私を役者として最初に導いてくれた熊切監督。またこうして作品が出来た事、手を取って最後のゴールに辿り着いた時の事、今でも私を勇気づけてくれます。それが、またこの上海をスタートにたくさんの旅をして、観客の皆様のそれぞれのゴールに辿り着いてくれる事を願っております」と、コメントを寄せた。

なお、過去に同映画祭のコンペ部門には、第16回開催時の日向寺太郎監督作「爆心 長崎の空」、第19回の阪本順治監督作「団地」、第21回の犬童一心監督作「猫は抱くもの」、第22回の今泉力哉監督作「アイネクライネナハトムジーク」などが出品されてきた。第8回では、三原光尋監督作「村の写真集」が最優秀作品賞、最優秀男優賞(藤竜也)を受賞した。またTCP作品としては、第22回のアジア新人部門で、「ブルーアワーにぶっ飛ばす」の箱田優子監督が最優秀監督賞を受賞して以来の出品となる。

人生を諦め何となく過ごしてきた就職氷河期世代の在宅フリーター・陽子はある日、かつて夢への挑戦を反対され、20年以上断絶していた父の訃報を受ける。従兄の茂(竹原ピストル)とその家族とともに車で弘前へ帰ることになるが、途中のサービスエリアでトラブルを起こした子どもに気をとられた茂に、陽子は置き去りにされる。陽子は弘前に向かうことを逡巡しながらも、所持金がないゆえにヒッチハイクをすることに。北上する一夜の旅で出会ったのは、懸命に働くシングルマザー(黒沢あすか)、人懐っこい女の子(見上愛)、怪しいライター(浜野謙太)、心あたたかい夫婦(吉澤健風吹ジュン)。そして陽子の前に立ちはだかるように現れる若き日の父の幻(オダギリジョー)で、彼女の止まっていた心は大きく揺れ動く。果たして陽子は明日正午の出棺までに、実家にたどり着けるのか。

658km、陽子の旅」は、7月28日に東京のユーロスペース、テアトル新宿ほか全国で順次公開。上海国際映画祭プログラマーを務める徐昊辰のコメントは、以下の通り。


■徐昊辰(上海国際映画祭プログラマー)

巨大防潮堤、荒々しく激しい波、復興中の町、ほぼ車のない道……熊切監督は、旅の途中の風景を完璧に使い、自分の時間が止まった主人公・陽子を連れて、痛みと悲しみを乗り越える旅に出る。この激動の時代に、こんなパワフルの作品を上海国際映画祭でワールドプレミアができて、とても光栄に思います

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