【5月4日はスター・ウォーズの日】最新情報まとめ 新作映画3本の製作決定、タイカ・ワイティティ監督版はどうなってる?
2023年5月4日 10:00
本日5月4日は、SF映画の金字塔「スター・ウォーズ」の名ゼリフである「May the Force be with you.(フォースと共にあらんことを)」にちなんで制定された「スター・ウォーズの日」です。「スター・ウォーズ」といえば、4月に英ロンドンで開催された「スター・ウォーズ」最大の祭典「スター・ウォーズ セレブレーション ヨーロッパ2023」で、ルーカスフィルムが“過去”“現在”“未来”を描く新作映画3本の製作を発表し、大きな話題になったばかり。
そこで、製作が正式決定した新作映画3本について、現在分かっている情報をはじめ、いくつか浮上している企画に関する「いま、どうなってる?」という現状をまとめました。大型連休はぜひ、ディズニープラスで「スターウォーズ」関連作品を楽しみながら、はるか彼方の銀河系の“現在地”に思いを馳せてみてはいかがでしょうか?
タイトル・公開時期は未定で、舞台は旧三部作(エピソード4~6)の2万5000年前。監督には「LOGAN ローガン」「フォードvsフェラーリ」のジェームズ・マンゴールドが起用された。
「スター・ウォーズ・セレブレーション2023」に出席し、自分が描きたいと思ったのは「『十戒』のような聖書的なフォースの夜明け(Dawn of the force)についての大作で、フォースとは一体どこから生まれたのか、それをどう使うかを発見したのはいつ頃のことなのか」だと発言。正史に精通した製作陣、「スター・ウォーズ」の歴史家たちのサポートを得て、「2万5000年前の“フォースの夜明け”についてのすばらしい物語を紡ぐことができた」と明かし、「とてもエキサイティングな物語で、それをお伝えするのが待ちきれません」と語っている。
マンゴールド監督といえば、スティーブン・スピルバーグからバトンを受け継いだ「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」(6月30日公開)で、ルーカスフィルムの仕事をしたばかり。公開まで1カ月以上ものブランクがあるなか、今年の第76回カンヌ国際映画祭でワールドプレミアが行われることからも、関係者の確固たる自信がうかがえ、マンゴールド監督が「スター・ウォーズ」の新作映画に抜てきされたのも、納得がいく展開だ。
タイトル・公開時期は未定。“現在”を舞台とした帝国残党と新共和国の間で激化する戦いについての物語を描き、ルーカスフィルム社長のキャスリーン・ケネディによれば、「『マンダロリアン』『ボバ・フェット The Book of Boba Fett』『アソーカ』などを締めくくる作品になる」そうだ。
デイブ・フィローニが監督を務めると聞けば、ファンの期待は高まるはず。世界中を熱狂させた「マンダロリアン」をはじめ、かつてジョージ・ルーカスの下で、劇場長編アニメーション「スター・ウォーズ クローン・ウォーズ」や、数々のアニメシリーズを手がけた、いわば意思を継ぐ愛弟子(パダワン)なのだ。ルーカスフィルム売却後も、「スター・ウォーズ」神話の守護者としてファンの信頼が厚く、いまやルーカスフィルムのクリエイティブのトップである“エクゼクティブ・クリエイティブ・ディレクター”という役職に就くキーパーソンでもある。
「スター・ウォーズ・セレブレーション2023」に出席した際には、「『マンダロリアン』などのタイムラインで新しいものを作り、それが『スター・ウォーズ フォースの覚醒』の後に起きる、ヒーローたちにとって不幸な出来事でもある壮大な戦いへと続いていくのです」と語っている。
タイトル・公開時期は未定。続三部作(エピソード7~9)で主人公のレイを演じたデイジー・リドリーがシリーズに復帰し、第9作「スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け」から15年後の“未来”を舞台にした物語が紡がれる。監督はアカデミー賞を2度獲得したドキュメンタリー作家で、「ミズ・マーベル」などで知られるパキスタン出身のシャルミーン・ウベード=チナーイ。「スター・ウォーズ」関連の長編映画で、女性監督が起用されるのは、今回が初となる。
「スター・ウォーズ・セレブレーション2023」で、ケネディ社長は、「ジョージ・ルーカスは『スター・ウォーズ』の物語を神話的なタイムラインに沿って先に進めたり、遡ったりしたいと考えていた」と明かし、「豊かな未来を構築し、また過去に向かって掘り下げ、物語を紡ぐのです。世界有数の情熱的な映画監督たちを、過去、現在、未来へと広げて行くプロジェクトに迎えることをとてもうれしく思います」と、新たな映画三部作への思いを語っている。
なお、米バラエティによると、当初参加していた脚本家デイモン・リンデロフ(「LOST」「ウォッチメン」)、ジャスティン・ブリット=ギブソン(「ストレイン 沈黙のエクリプス」)は同企画から離脱。後任として「ピーキー・ブラインダーズ」の企画・制作総指揮を務めたスティーブン・ナイトが脚本を執筆することになっている。
「スター・ウォーズ・セレブレーション2023」での新作映画発表で、タイカ・ワイティティ監督による新作がアナウンスされなかったことは、ファンにとって大きな驚きだったはず。遡ること20年5月4日(現地時間)、ルーカスフィルムは、次なる「スター・ウォーズ」の監督を務めるのは、ワイティティ監督だと発表していたのだ。
ワイティティ監督は、これまでのストーリーやキャラクターにとらわれず、物語世界を拡張させると構想を明かしており、英Total Filmsの独占取材に対しては「『スター・ウォーズ』世界において、みんなが『すごい! ミレニアム・ファルコンの設計図だ!』『チューバッカのおばあちゃんだ!』というような映画を作るようでは、私の存在価値がない」と、新キャラクターを登場させる強い意思も示していた。また、米バラエティなどは、ワイティティ監督自身が主演する可能性があるとも報じていた。
そんなワイティティ監督版「スター・ウォーズ」の現状について、ケネディ社長は「継続中」と明言。米バラエティの直撃に対し、「タイカも働き詰めなんです。いまは自分で脚本を書いています。脚本執筆に他人を招きたくないと思っているようで、そんな彼を責めるつもりはありません。彼はとてもとてもユニークな声を持っていますからね。いつかその作品を作りたいですね」と返答している。
同じく、ファンが「あれ?」と思ったのは、ショーン・レビ監督による「スター・ウォーズ」新作映画の行方だ。「ナイト ミュージアム」シリーズのレビ監督が、ルーカスフィルムと交渉を行っていると、米Deadlineが22年11月に報じている。引き続き、動向に注目したい。
レビ監督といえば、ライアン・レイノルズと立て続けにタッグを組んだ「フリー・ガイ」「アダム&アダム」で、ライトセーバー“ネタ”をぶち込み、あふれる「スター・ウォーズ」愛を披露。ファンの間にも「スター・ウォーズ」参加を望む声は少なくない。現状のスケジュールとしては、監督を務める「デッドプール3」(またしても、レイノルズとのタッグ)が優先されるため、仮にルーカスフィルムとの契約が結ばれても、レビ版「スター・ウォーズ」の始動は、しばらく先になるはずだ。
「ワンダーウーマン」のパティ・ジェンキンス監督がメガホンをとる「スター・ウォーズ」関連の新作映画「Rogue Squadron(原題)」は、現時点で、ディズニーの公開スケジュールから抹消されている。ジェンキンス監督によれば、戦闘機パイロットだった自身の父親にインスピレーションを得ており、「史上最高の戦闘機パイロット映画にしたい」と、強い意気込みを語っていた。
当初は、「スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け」以来の「スター・ウォーズ」映画として、23年12月22日の全米公開に向けてポストプロダクションに入り、22年中にクランクインする予定だった。しかし、「クレオパトラ(仮題)」など、多くの企画を抱えるジェンキンス監督のスケジュール調整がつかないため、製作延期を発表。現状ディズニーは、新作ラインナップから外している状態だ。
第8作「スター・ウォーズ 最後のジェダイ」のライアン・ジョンソン監督による、新たな三部作の企画をルーカスフィルムが発表したのは、いまや“はるか彼方”の17年11月9日(現地時間)。当時、ジョンソン監督は盟友プロデューサーのラム・バーグマンと連名で、「『スター・ウォーズ』は素晴らしい現代の神話であり、それに貢献できることは非常に幸運です。新しい映画シリーズを続けるのが待ちきれません」と声明を発表し、意欲を燃やしていた。
しかし、その後に公開された「スター・ウォーズ 最後のジェダイ」は世界中で賛否両論を呼んだ。19年には一部メディアが、ライアン監督の離脱を報じ、すぐさま本人が「それは事実じゃない。まだ三部作に関わっている」と否定する事態となった。同年11月には「僕らは、いまでもルーカスフィルムと深く関わっている。現時点では、何も発表はないけれど」と企画の存続を示唆したが、その後は現在に至るまで、具体的な動きを見せていない状況だ。
最新の取材に応じたケネディ社長は、「ライアンとはしょっちゅう話しています」と明かすも、「彼は信じられないほど忙しいんです。彼は『ナイブズ・アウト』シリーズをもう1本やっていて、その後は、神のみぞ知るという感じなので、いまのところ積極的に何かに関わっているわけではありません」と語る。「でも、彼は本当に『スター・ウォーズ』に戻りたいと思ってくれています。ただ、大きな時間を費やすことになるので、彼次第ということになりますね」と、希望は捨てていないようだ。
マーベル・スタジオのケビン・ファイギ社長が、新「スター・ウォーズ」の企画開発に関与していることが明らかになったと、米ハリウッド・レポーターが19年9月に報じた。当時の取材に対し、ディズニー映画を統括するウォルト・ディズニー・スタジオのアラン・ホーン会長(当時)は、ファイギ社長がケネディ社長と共同で新「スター・ウォーズ」の企画開発をしていることを認めていた。さらに“情報筋によれば”ファイギ社長は、いずれはルーカスフィルムを指揮する可能性もあると言われていたほどだった。
その後、米Deadlineが、マーベル作品「ドクター・ストレンジ マルチバース・オブ・マッドネス」を手がけた脚本家マイケル・ウォルドロンが、脚本を執筆していると報じたが、その後は大きな進捗報告はゼロ。ここに来て、ケネディ社長が「そもそも、ファイギ版『スター・ウォーズ』の企画はなかった」という趣旨の発言をしたと、にわかには信じがたい一部報道も。少なくとも、現時点で実現の可能性はかなり低そうである。
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