橋本愛、2年連続で東京国際映画祭アンバサダーに就任「背筋が伸びる思い」
2022年9月21日 17:02
女優の橋本愛が9月21日、都内で行われた第35回東京国際映画祭のラインナップ発表会見が出席。昨年に引き続き、同映画祭のアンバサダーに就任することになり「本当に光栄で、ありがたいこと。役目を果たさなければと、背筋が伸びる思い」と抱負を語った。
2年連続の大役で、「アンバサダーとして、どういったことが発信できるか模索していた」と語り、「ハラスメントや労働環境など、もの作りの現場に立ちはだかる課題について、自分の気持ちをお話できれば」とも。具体的には「一番感じるのは、世代間の溝」と指摘し、「お互いに歩み寄って、もっとすてきなもの作りの環境になればという願いがあります」と熱弁。「若い世代も表現を鍛えて、自分の意見が伝わるようにスキルを磨くことが大切」だと説いていた。
今年のコンペティション部門は2022年1月以降に完成した長編映画を対象に、107の国と地域から1695本の応募があった。舞台演出家で映画監督のジュリー・テイモアがコンペティション部門の審査委員長を務めるほか、シム・ウンギョン(俳優)、ジョアン・ペドロ・ロドリゲス(映画監督)、柳島克己(撮影監督)、マリークリスティーヌ・ドゥ・ナバセル(元アンスティチュ・フランセ館長)が審査員として、コンペティション部門の全15作品を審査する。
日本映画では今泉力哉監督「窓辺にて」、福永壮志監督「山女」、松永大司監督「エゴイスト」の3本が選出された。今泉監督は「競うというか、いろんな国の作品と並んで見てもらえることは、作品にとってもプラスになる」と喜びの声。稲垣吾郎が主演し、好きという感情そのもの”について深く掘り下げる大人のラブストーリーで、「稲垣さんと一緒に、何か撮りませんかというところから企画が始まった」と製作の経緯を説明した。
東京国際映画祭に初参加の福永監督は、「日本を代表する映画祭で、規模もインパクトも大きい。発信の場であり、理解を深める機会なので、さまざまな人たちと交流し、次につながる経験がしたい」と期待を寄せた。鈴木亮平と宮沢氷魚が共演するラブストーリーで、コンペティション部門に初めて選出された松永監督は、「コンペは映画祭の花形。非常に光栄ですし、自分にとっても挑戦しがいのある企画(作品)だったので、どんな反応があるか楽しみ」と話していた。
第35回東京国際映画祭は10月24日~11月2日、日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区で開催。オープニング作品は「ラーゲリより愛を込めて」(二宮和也主演、瀬々敬久監督)、クロージング作品は「生きる LIVING」(カズオ・イシグロ脚本、オリバー・ハーマナス監督)が上映される。
特別招待作品にあたる「ガラ・セレクション」部門には、オリビア・ワイルド監督の長編2作目「ドント・ウォーリー・ダーリン」、音楽家のエンニオ・モリコーネのドキュメンタリー「モリコーネ 映画が恋した音楽家」、戸田恵梨香と永野芽郁が母娘役を演じる「母性」、藤ヶ谷太輔が主演する「そして僕は途方に暮れる」など、全14本がラインナップされた。
また、2004年~08年の過去5回にわたり行われていた黒澤明賞が、本映画祭で久々に復活。東京フィルメックス共催の「ツァイ・ミンリャン監督デビュー30周年記念特集」、Nippon Cinema Now部門の特集「追悼 青山真治」、国立映画アーカイブ共催の「長谷川和彦とディレクターズ・カンパニー」、ジャパニーズ・アニメーション部門など、多彩なプログラムが企画されている。
「1976」(チリ/アルゼンチン/カタール/監督:マヌエラ・マルテッリ)
「アシュカル」(チュニジア/フランス/監督:ユセフ・チェビ)
「ザ・ビースト」(スペイン/フランス/監督:ロドリゴ・ソロゴイェン)
「窓辺にて」(日本/監督:今泉力哉)
「エゴイスト」(日本/監督:松永大司)
「ファビュラスな人たち」(イタリア/監督:ロベルタ・トーレ)
「輝かしき灰」(ベトナム/フランス/シンガポール/監督:ブイ・タック・チュエン)
「カイマック」(北マケドニア/デンマーク/オランダ/クロアチア/監督:ミルチョ・マンチェフスキ)
「ライフ」(カザフスタン/監督:エミール・バイガジン)
「マンティコア」(スペイン/監督:カルロス・ベルムト)
「山女」(日本/アメリカ/監督:福永壮志)
「孔雀の嘆き」(スリランカ/イタリア/監督:サンジーワ・プシュパクマーラ)
「テルアビブ・ベイルート」(キプロス/フランス/ドイツ/監督:ミハル・ボガニム)
「This Is What I Remember(英題)」(キルギスタン/日本/オランダ/フランス/監督:アクタン・アリム・クバト)
「第三次世界大戦」(イラン/監督:ホウマン・セイエディ)
まさか2年連続務めさせていただけるとは思わず、驚きとともにうれしい気持ちです。映画が好きで、どんな厳しい状況でも作らずにはいられないような、そんな状況を少しでも変えようともがきながら、それでもなお映画を撮ることを選んでしまうような、そんな熱量を持った方々の、光になるような映画祭になったらいいなと、勝手ながらに思っています。
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