母性

劇場公開日:

母性

解説

ベストセラー作家・湊かなえの同名小説を映画化し、戸田恵梨香と永野芽郁が母娘役を演じたミステリードラマ。ある未解決事件の顛末を、“娘を愛せない母”と“母に愛されたい娘”それぞれの視点から振り返り、やがて真実にたどり着くまでを描き出す。

女子高生が自宅の庭で死亡する事件が起きた。発見したのは少女の母で、事故なのか自殺なのか真相は不明なまま。物語は、悲劇に至るまでの過去を母と娘のそれぞれの視点から振り返っていくが、同じ時間・同じ出来事を回想しているはずなのに、その内容は次第に食い違っていく。

語り手となる母のルミ子を戸田、娘の清佳を永野が演じ、ルミ子の実母を大地真央、義母を高畑淳子、ルミ子の夫を三浦誠己が演じる。「ナミヤ雑貨店の奇蹟」「ヴァイブレータ」の廣木隆一監督がメガホンをとり、「ナラタージュ」の堀泉杏が脚本を担当。

2022年製作/115分/G/日本
配給:ワーナー・ブラザース映画
劇場公開日:2022年11月23日

スタッフ・キャスト

監督
原作
湊かなえ
脚本
堀泉杏
製作
高橋雅美
池田宏之
勝股英夫
名倉健司
田中祐介
エグゼクティブプロデューサー
関口大輔
プロデュース
谷口達彦
プロデューサー
古賀俊輔
湊谷恭史
ラインプロデューサー
金森保
キャスティングプロデューサー
楠本直樹
音楽プロデューサー
安井輝
ポスプロスーパーバイザー
佐藤正晃
撮影
鍋島淳裕
撮影(Bカメラ)
堀部道将
照明
北岡孝文
録音
深田晃
美術
丸尾知行
装飾
藤田徹
スタイリスト
高橋さやか
ヘアメイク
永江三千子
大地真央専属メイク
持丸あかね
編集
野木稔
音響効果
佐藤祥子
音楽
コトリンゴ
主題歌
JUJU
助監督
藤江儀全
スクリプター
菅谷雪乃
制作担当
小沼秀剛
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受賞歴

第46回 日本アカデミー賞(2023年)

ノミネート

最優秀助演女優賞 永野芽郁
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(C)2022映画「母性」製作委員会

映画レビュー

3.5湊かなえが書き続けてきた“母と娘”。その破滅的な愛のミステリーを映画化

2022年11月28日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

思い起こせば湊かなえのデビュー作「告白」は、勤務先の学校のプールで命を落とした幼い娘のために壮絶な復讐を仕掛ける女性教師の話だった。実生活でも作家になる前に結婚し長女を出産しており、育児をしながら執筆に取組んだことが影響しているのか、湊かなえの小説は母と娘の関係が重要な要素になっている話が多く、映像化されたものだけでも、WOWOWのオムニバスドラマ「ポイズンドーター・ホーリーマザー」(6話中の「ポイズンドーター」と「ホーリーマザー」)や、菊地健雄監督の映画「望郷」(2編のうちの「夢の国」)などがある。そして本作「母性」もまた、母と娘の“愛”をめぐるディスコミュニケーションを「藪の中」タイプのミステリーに仕立てた小説であり、映画化では超売れっ子の廣木隆一監督(今年の公開作は5本!)がメガホンをとった。

1988年生まれの戸田恵梨香と1999年生まれの永野芽郁、11歳差の2人に母娘を演じさせるというのも思い切ったキャスティングだし、ドラマ好きならさらに興味のポイントが加わるのではないか。というのも、戸田は2019年の「スカーレット」、そして永野は2018年の「半分、青い。」と比較的最近のNHK朝ドラで明るく元気なヒロインをそれぞれ演じたし、2021年のコミカルな連ドラ「ハコヅメ~たたかう!交番女子~」では先輩後輩の婦警役でW主演を務めていた。そんな2人が母・ルミ子と娘・清佳、しかも愛情のねじれや心の闇を感じさせるキャラクターで共演するのだから。

戸田と永野による、ドラマでお馴染みのポジティブな役柄とは大きく異なる複雑な演技に加え、ルミ子の実母(大地真央)とルミ子の義母(高畑淳子)、それぞれの子への思い入れが絡み合い、観客も改めて“母性”って何だろう、と考えさせられるはずだ。

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高森 郁哉

3.5役者の演技の上手さという視点で見ると面白い一方、物語としては期待し過ぎずに見るのが良さそうな作品か。

2022年11月23日
PCから投稿

本作は、「告白」という名作映画の原作を書いた湊かなえの同名小説を映画化した作品です。
「告白」(2010年)は中島哲也というノリに乗っていた鬼才監督によって映画化されたこともあり、「R15+」指定を受けながらも第34回日本アカデミー賞で最優秀作品賞、最優秀監督賞、最優秀脚本賞、最優秀編集賞と、文字通り総なめの状態になるくらいのクオリティーでした。
そんな背景もあり、本作を原作者の湊かなえが「これが書けたら作家を辞めてもいい」とまで語っていたため、否が応でも期待値が上がってしまいました。
さらには、「母の証言」「娘の証言」と、それぞれの視点で描かれていくため、勝手に「どんでん返し」的な物語なのだろうと思っていました。
ただ、個人的に「どんでん返し」的なものは、思っていたほどには感じませんでした。
「告白」のようなものを期待して見ると、やや肩透かし状態になるのかもしれないので、見る際には役者の演技の応酬を中心に見るのがいいかと思います。
中でも戸田恵梨香の演技の使い分けは注目に値します。
また、義母役の高畑淳子の怪演ぶりには、場内からたびたび笑いが飛び出すほどの状態になっていました。
個人的には、本作が中島哲也の監督・脚本バージョンだとどうなるのか興味を持ちました。
ネタバレ要素になり得るため詳しくは書きませんが、時代設定がやや分かりにくいのかもしれません。
見る人によってはタイトルの「母性」というキーワードにハマって、より物語に入り込めるのかもしれませんし、癖の強い、割と極端な登場人物たちが多く出てくるため、そのセッションを楽しむのが良いと感じました。

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細野真宏

3.5☆☆☆★★ 嗚呼惜しい!そして勿体ない。 原作読了済み。少しだけの...

2024年3月15日
iPhoneアプリから投稿

☆☆☆★★

嗚呼惜しい!そして勿体ない。

原作読了済み。少しだけの感想…そしてどうでも良い話し。

やっぱり…と言うか、どうしても製作側としては感動作品として作りたいって事なのだろう。
しかしながら、原作自体が【名うてのイヤミス】でもあるだけに、、、それはどうなんだろう?と。

原作の構成としては実にシンプルには一見して見えた。
6っの章仕立てによって母親目線で語られる話は、直ぐに娘目線の語りによって真実が暴かれて行く。
それを章の最初に導くのは、謎に満ちた(おそらくは)学校の先生による、〝 ある場所 〟での話し合いだ。
読み進めて行くに従い、シンプルに見えた構成だったのだが。実に強かで大胆な構成であったのに、次第に気付かされる内容だった。

それだけに映画本編で、【憲子と英紀】の話を完全にカットしているのは、尺の都合上だったとは言え〝 母性 〟を巡る内容としては、どうしても不完全に思えてしまったのです。

この母親にとって、何よりも1番に愛していたのは、〝 自分にとっての母親 〟である。
その1番愛する人を《自分から奪った者》を、心の中ではどうしても赦す事が出来ない。

この気味の悪さが実に半端ない。

だがこの母親は、それを周りに気付かれない様に振る舞って居るのだけれど。その想いを中和させるに値する強烈な存在の人物を、原作は登場させる。
とにかく、義母のキャラクターの強烈具合は最高で。この義母の存在感の強さゆえに、母親の《娘に対する要求》の気味の悪さは増幅される。

その増幅感を更に倍増させる存在だったのが、【憲子と英紀】により、この母親が味わう《流産》であり。その《流産》がキッカケとなり、ママ友との交流が生まれる。

【 愛 能 う 限 り 】

しばしば原作でも語られるこの言葉。
母親は事ある毎に「神父様…」と語り、自らの回想に入る。

何故に「神父様…」だったのか?
映画本編では、最初と最後に神父が登場していた。
何故母親は神父に悩みを訴える事になったのか?
原作でのママ友との交流によって、この母親が《新興宗教の餌食》になって行く過程が、すっぽりと抜け落ちてしまっている為。映像化での、この神父が〝 登場する意味 〟が薄まってしまっているのです。

更に言えば〝 ある場所 〟でのこの男女の会話。
この会話自体が、《新興宗教の餌食》になっているのが【この母親だけではない!】とゆう事実。
静かに、そして日本中に深く進行している…とゆう事に結び付いているのを、読者に悟らせて締めくくっている。
この気味の悪さのイヤミス感。
嗚呼!なのに映画本編でのこの無理矢理な《押し付けによる母娘の感動作》に、ちょっとだけイラっとしてしまったのでした。

その後の義母への介護であったり。最後に自分もやがて母親となる…と言った、確執が有った母親との関係性の修復等。この辺りの(確か)原作には無かったと思う無理矢理な展開が、感動作品としての押し付け感に思えてしまい。観ていてどうも、、、と言った感じではありました💦

ここから先はどうでも良い話しなんですが、、、
映画本編を観終えてから丸1日以上が過ぎてしまった。
普段は鑑賞し、なるべくその日のうちにレビューを書き留める。
本当は帰宅して直ぐに書こうとしたのですが。テレビを点けたら何と生放送での【鈴木軍解散8人タッグマッチ】

もう涙でテレビが見れねえじゃねえかよ〜!

号泣ですよ旦那!

流れの中で生まれた4人対4人が、いっの間にか1対7に。
最後は 「thank you SUZUKI」 からのザックドライバーの終止符。
オマケのオマケで〝 あの登場曲から【あの人】まで登場。《iron finger globe》をひったくって行ってしまった。
「身体仕上がってんな〜!」(by ミラノ)

理屈じゃないんですよ!
無理矢理に作った訳じゃあなく、11年に渡る〝 絆が導いた結果 〟があの結末だったんですよ!
もう号泣しちまってしまい、レビューどころじゃ〜有〜馬温泉!

こちとら、人生に於いて大事な事は。全〜部プロレスから学んで来たんですよ旦那!

…って事でレビューが遅れた理由で有〜馬温泉!

2022年 12月23日 109シネマズ木場/スクリーン6

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松井の天井直撃ホームラン

3.5母と娘、特有のなにか

2024年2月28日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

結構引き込まれて見てしまう。

自分の母との関係を「私はどうだったっけ?」と自然と振り返ってしまう。

ここまでじゃないにしても、
自分の母にもそういう部分はあったのかもしれないな、とか。
愛してもらった記憶、というのは曖昧でもある。
ただ自分が忘れただけなのか?

母と娘特有の、なにかってある。
同性だからこその、距離感。
近いのか、どうなのか。

戸田恵梨香さんの、
違和感あるセリフ、心がこもってない感じの言い方、
なんか掴めない母親役、絶妙に不気味さもあり、
残酷さもあり、引き込まれた。
弁当を落としたところ、ひやっと、こわくなった。

子どもにとって、母親って「全世界」なんだよな
そんな母親に嫌われたかも、と感じるのって
全世界から拒絶された気持ちになるんだよな。
それに多分、「ひやっ」とするんだと思う。

なんかそれを、思い出した。

***
高畑淳子さんの姑役、本当に嫌気がさした。笑
なんか既視感、、、と思ったら
ドラマ「オリーヴ・キタリッジ」のフランシス・マグドーナンにそっくりだ。
うるさい姑感も同じだしね。

高畑淳子さんのパワー、
大地真央さんのエレガンス母、

ベテラン女優たちの演技をしっかり感じれた

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cris
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