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惹かれ合う青年たちは“世界旅行”の果て、凶暴な愛を予感する PFFスカラシップ作品「裸足で鳴らしてみせろ」8月6日公開

2022年6月14日 12:00

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盲目の養母のため、“世界の音”を記録する青年ふたりの旅
盲目の養母のため、“世界の音”を記録する青年ふたりの旅
(C)2020 PFFパートナーズ(ぴあ、ホリプロ、日活)/一般社団法人PFF

惹かれ合うも触れ合うことができない青年ふたりの愛情や欲望の行方を描く、PFF(ぴあフィルムフェスティバル)スカラシップ作品の第27弾「裸足で鳴らしてみせろ」が8月6日に公開されることが決定。あわせて、予告編とポスターもお披露目された。「オーファンズ・ブルース」がPFFアワード2018でグランプリを受賞した新鋭・工藤梨穂が監督と脚本を担い、本作で商業映画デビューを果たす。

画像2(C)2020 PFFパートナーズ(ぴあ、ホリプロ、日活)/一般社団法人PFF

橋口亮輔矢口史靖李相日荻上直子内田けんじ石井裕也ら、日本映画を代表する監督たちの商業デビュー作を送り出してきたPFFスカラシップ。PFFアワードの受賞監督からオリジナル企画を募り、毎年1名を選出し、企画・製作から劇場公開までをプロデュースしてきた。

オーファンズ・ブルース」がPFFアワード2018でグランプリに輝き、故青山真治監督、行定勲監督、永瀬正敏から絶賛された工藤監督が手がける「裸足で鳴らしてみせろ」は、フランソワ・トリュフォー監督作「隣の女」のセリフ「一緒では苦しすぎるが、ひとりでは生きていけない」から着想を得た物語。寡黙な青年ふたりの愛情や欲望の行方を、肉体のぶつかり合いと偽りの旅を通して描き出す。青年たちの内面世界を画、音、俳優の肉体によって観客に生々しく体感させ、「ブエノスアイレス」「汚れた血」「ラブバトル」「アデル、ブルーは熱い色」など恋愛映画の名作から受けたインスピレーションを、独自のセンスで登場人物の造形や物語に昇華している。

画像3(C)2020 PFFパートナーズ(ぴあ、ホリプロ、日活)/一般社団法人PFF

父の不用品回収会社で働く直己と、市民プールでアルバイトしながら盲目の養母・美鳥と暮らす槙。どこにも行けない彼らは、美鳥の願いを叶えるため、回収で手に入れたレコーダーを手に“世界の音”を記録し始める。

予告編には、「見てきてくれない? 世界を」という美鳥の言葉に続き、さまざまな場所をめぐる直己と槙を活写。しかし、「“世界旅行”の果て、二人の青年は凶暴な愛を予感する」という言葉が挿入され、ふたりの言葉にならない思いが、他愛のないじゃれ合いから暴力的な格闘へとエスカレートしてゆくさまが映し出されている。映像は、「カプリ島に来たよ。青の洞窟にいる……」と、夜のプールで音を収録する幻想的なシーンで幕を閉じる。

画像4(C)2020 PFFパートナーズ(ぴあ、ホリプロ、日活)/一般社団法人PFF

ポスターには、夜のプールにいる直己と槙をとらえた、印象的なカットを使用。予告編の後半に流れる、シンガーソングライター・somaによる主題歌「Primula Julian」の歌詞「どこへ行こう?」「どこへでも行ける。」が、コピーとして切り取られている。

画像5(C)2020 PFFパートナーズ(ぴあ、ホリプロ、日活)/一般社団法人PFF

オーファンズ・ブルース」のアキ役で鮮烈な印象を残した佐々木詩音が直己、「蝸牛」でMOOSIC LAB2019の最優秀男優賞を受賞した諏訪珠理が槙を演じる。直己に影響を与える朔子役に伊藤歌歩、直己の父・保役に甲本雅裕、美鳥役に風吹ジュンを配した。佐々木靖之(「ディストラクション・ベイビーズ」「寝ても覚めても」が撮影、黄永昌(「春原さんのうた」「リング・ワンダリング」)が録音を担当した。オランダの第51回ロッテルダム国際映画祭のハーバー部門に選出。今後は6月の第46回フレームライン(米サンフランシスコ国際LGBTQ+映画祭)のワールド・シネマ部門、7月にイタリアで開催される、世界最大級の子ども映画祭である第52回ジッフォーニ国際映画祭のコンペティション部門に選出されている。

裸足で鳴らしてみせろ」は東京・渋谷のユーロスペースほか8月6日に東京・渋谷のユーロスペースほか全国で順次公開。なお、同じくPFFスカラシップ作品である小松孝監督の「猫と塩、または砂糖」は、7月23日から公開される。

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