第17回大阪アジアン映画祭、チャン・リュル監督作「柳川」&森山未來、阿部純子ら共演「MISS OSAKA」上映決定
2022年2月9日 14:00

第17回大阪アジアン映画祭(3月10日~20日)のオープニング作品とクロージング作品が決定した。オープニング作品は中国・日本・韓国による合作「柳川」(監督:チャン・リュル)、クロージング作品は「MISS OSAKA(原題)」(ダニエル・デンシック監督)。ともに“外国人監督が日本を舞台に撮影した作品”となっている。
「柳川」の監督・脚本を手掛けたチャン・リュルは、中国出身の朝鮮族。これまで韓国映画を送り出し、ベネチア、カンヌ、ベルリンなど世界の映画祭で高く評価されてきた。日本でも「キムチを売る女」「慶州(キョンジュ) ヒョンとユニ」「春の夢」が劇場公開され、大阪アジアン映画祭では、2019年に「群山 鵞鳥を咏う」を上映。本作は「福岡」に続く、日本を舞台にした第2作。中国出身だが、韓国を中心に活動してきたチャン・リュル監督にとって、「豆満江」以来11年ぶりの中国語映画となる。


中年になり自分が不治の病であることを知ったドンは、長年疎遠になっていた兄・チュンを柳川への旅に誘う。柳川は北京語で「リウチュアン」と読み、2人が青春時代に愛した女性「柳川(リウ・チュアン)」と同じだった。20年ほど前、チュンの恋人だったチュアンは、ある日突然姿を消してしまったが、今は柳川で暮らしているという。誰にも理由を告げずに消えた彼女の存在は、兄弟の中で解けない謎になっていた。2人は、柳川でついにチュアンと再会する。

チュアンを演じるのは、チャン・イーモウ監督作「金陵十三釵」でデビューを果たし、中華圏で絶大な人気を誇るニー・ニー。兄弟を演じるシン・バイチンとチャン・ルーイーは、「空海 KU-KAI 美しき王妃の謎」でも共演している実力派俳優だ。さらに日本からは「アジアの天使」など国際共同制作作品にも積極的に参加している池松壮亮、「君よ憤怒の河を渉れ」などで中国での圧倒的な知名度を誇る中野良子が出演している。

「MISS OSAKA(原題)」を監督したダニエル・デンシックは、プロデュースと脚本も兼任。長編2作目となった本作は、雄大なノルウェー北部と喧騒に包まれた街・大阪が舞台。アイデンティティが溶け合う現代において「自分であること」「人を愛することとは何か」をテーマにすえ、真実と虚偽が交差するスリリングなミステリー映画となっている。「大阪は私がずっと魅かれていた場所です。少年時代には、まったく別世界のような気がしていました。私はこの映画に子どものころから抱いてきたテーマを詰め込みました。それは、運、運命、偶然の産物、偽物と本物、アイデンティティを変えるということ、つまり人生という冒険についてです」とコメントを寄せている。
24歳のイネスは自分に自信が持てず、「別の誰かになりたい」という願望をいつも抱いていた。恋人のノルウェー出張に同行したイネスは、大阪からやってきた謎めいた女性・マリアと出会う。そして、マリアの事故死をきっかけに、自分自身を葬りマリアになりすますことを決意。新しい人生を求め、すべてを捨てて大阪へと旅立つイネス。ナイトクラブ「MISS OSAKA」の名刺を手にした彼女は、ネオンが輝くパラレルワールドの奥深くへと導かれていく。


イネスを演じるのは、ベルリン国際映画祭シューティング・スター賞を受賞したデンマークの新星ビクトリア・カルメン・ソンネ。恋人役のミケル・ボー・フォルスゴーは「ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮」でベルリン国際映画祭主演男優賞を獲得したデンマークのスター俳優だ。日本からは、ナイトクラブ「MISS OSAKA」の闇を彩るメンバーとして、森山未來、阿部純子、南果歩が出演。音楽を手掛けるのは、サキソフォン奏者、作曲家の清水靖晃。デンマークのプロデューサー、マイケル・ハスランド=クリステンセンのもと、日本側のコプロデューサーとして山本晃久(「スパイの妻 劇場版」「ドライブ・マイ・カー」)が参加している。
「柳川」は3月10日に梅田ブルク7にて日本初上映、「MISS OSAKA(原題)」は3月20日にABCホールにて日本初上映。なお「柳川」は、Foggy、イハフィルムズの共同配給により2022年秋公開。「MISS OSAKA(原題)」は、カルチュア・パブリッシャーズの配給で2022年内公開を予定している。
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