【レポート】「ウェス・アンダーソンの世界展」が開催 「フレンチ・ディスパッチ」の超レアポスター、人気作のフォトスポットも
2022年1月24日 15:00

ウェス・アンダーソン監督の最新作「フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊」の公開を記念して、1月22・23日の2日間に東京・渋谷のイベントスペース「Hz(ヘルツ)」で「ウェス・アンダーソンの世界展」が開催された。新作はもちろん、過去の長編作品を振り返るパネルや特別映像などが展示されたイベントの模様を紹介する。
本イベントは「映画とファンを繋ぐ新しい出会い」を作り出すプロジェクトを展開するチーム「uni (ユニ)」が企画。会場は各回30分間15人までの完全入れ替え制で、来場受付募集開始日に予定の枠が満員に。当日は感染対策が行われた状態で実施された。


会場は全面ガラス張りとなっており、傍を通るとガラス越しに「フレンチ・ディスパッチ」の巨大バナーや、人気作品「グランド・ブダペスト・ホテル」でおなじみのメンドルのボックスなどが目に入り、“ウェス・アンダーソンの世界”が広がっていることが外からもはっきりとわかる。受付を済ませると、「uni」が手掛けた「フレンチ・ディスパッチ」のデザインの特製チケットと、本作がカンヌ国際映画祭に出品された際にキャストや海外のプレスに配られたという貴重な冊子が手渡された。

本作は「フレンチ・ディスパッチ」誌の編集部が舞台となっているだけあり、冊子には場面写真のほかに、かわいらしいイラストや活字がずらっと並ぶほか、紙の素材にもざらつきがあり、さらには裏表紙にはタイプライターの広告のようなものもあり、一つの雑誌を読んでいるかのような細部までこだわったデザインとなっていた。


先に進むとまず目の前に広がるのは、アンダーソン監督の過去の長編作品を紹介するコーナー。「天才マックスの世界」「ザ・ロイヤルテネンバウムズ」「ライフ・アクアティック」「ダージリン急行」「ファンタスティック Mr.FOX」「犬ヶ島」「グランド・ブダペスト・ホテル」と、作品ごとにパネルが並び、ストーリーのあらすじや、劇中の名セリフ、さらには「uni」のメンバーが作品の魅力を語るコメントが掲載されていた。


その次には、「フレンチ・ディスパッチ」のパネルが展示され、作品の紹介や場面写真の展示に加え、レア・セドゥーやティモシー・シャラメ、ジェフリー・ライトといった豪華キャスト陣のコメントも紹介。大きな布のスクリーンには、アンダーソン監督やキャスト陣が作品の物語に迫るインタビューやメイキング映像、劇中で流れるジャービス・コッカーによるフランスの名曲「愛しのアリーヌ」のミュージック・ビデオが投影された。ミュージック・ビデオは本作のポスターのイラストと同じタッチのアニメーションとなっており、スクリーンの前に座った来場者は、映像が終わる最後までアンダーソン監督の世界観をじっくりと楽しんでいる様子だった。


会場には「フレンチ・ディスパッチ」のメインビジュアルとストーリーポスタービジュアルのオリジナルプリント版も展示。世界に各100点のみという貴重なポスターは本国からわざわざ取り寄せたもので、ポスターの隅にはナンバリングと、本イラストのほか劇中の「フレンチ・ディスパッチ」誌の表紙のデザインも手掛けたジャビィ・アズナレツのサインが入っていた。

外観からも目立っていた「グランド・ブダペスト・ホテル」のメンドルの箱が積み重ねられたフォトスペースでは、真ん中に人が入り、箱に囲まれながら撮影できる仕様になっているほか、劇中のホテルマンの制服を模した衣装も準備されており、ゼロとアガサの名シーンも再現できるように。日本でもヒットした作品だけに、ここも人気スポットとなっていた。


そのほか、「犬ヶ島」の公開時にチケットと共に発売されたキャラクターたちのパペット風のフィギュアや、「フレンチ・ディスパッチ」誌のアーカイブを模した雑誌も飾られていた。強い“ウェス・アンダーソン愛”にあふれた装飾が細部まで施され、来場者のSNSでも「夢のような空間」など満足する声が上がっていた。


「フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊」は1月28日から公開。
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