「いのちの停車場」で広瀬すず&佐々木みゆが初共演 是枝監督に見出された才能に注目
2021年6月5日 11:00
現役医師でありながら作家としても活躍する南杏子の小説を映画化した「いのちの停車場」(公開中)。吉永小百合、松坂桃李、西田敏行ら演技派が出演する本作では、是枝裕和監督作品でそれぞれ経験を積んだ広瀬すずと佐々木みゆが初共演を果たしている。
長年、東京の救命救急の現場で働いていたが、とある事件をきっかけに、在宅医療専門医として故郷・金沢の「まほろば診療所」で働き始めることとなった白石咲和子(吉永)。患者たちと身体の治療だけではなく、支える家族や患者たちの心と向き合うことの大切さに次第に気づいていく。
広瀬は「海街diary」「三度目の殺人」など、佐々木は第71回カンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールを受賞した「万引き家族」に出演している。是枝監督に才能を見出された2人は、本作でも観客の心を揺さぶる繊細な演技を披露している。
広瀬演じる麻世は、亡くなった姉の子・翼を母親代わりに育てながら、「まほろば診療所」の訪問看護師として、院長の仙川(西田)と二人三脚で在宅医療に携わってきた頼もしいキャラクター。
佐々木は小児がんを患う少女・若林萌を演じており、麻世と医大卒業生の野呂(松坂)が大きく成長するきっかけともなる重要な役どころを担う。とりわけ心揺さぶるシーンが多く、すでに本編を鑑賞した人からは「特に涙が止まらなかった」と感動のコメントが多く寄せられている。
眠っている萌に麻世が優しく語りかけるシーンについて、メガホンをとった成島出監督は「麻世が、萌ちゃんに『死ぬって苦しい?』と聞かれるシーンは、この2人だからこそ成立したと思います。必死で『怖くないよ』と言うすずちゃんの表情を見て、ああ、麻世になりきったな」と回想する。
広瀬は「萌ちゃんに、まっすぐな目で『死ぬって苦しい?』と聞かれた時、お芝居とか関係なく、何か言ってあげなきゃ!と思ってしまって。ピュアなセリフのやりとりがすごく切ないシーンでした。撮影の後、監督に響くものがあったと言われましたが、みゆちゃんのおかげだと思います」と振り返っている。
また、涙の跡を残しながら萌が眠っているシーンでは、萌の切ない願いが秘められた「人魚姫」の絵本が側に。海へ行きたい萌の理由とは何なのか。そして、反対する両親に麻世、野呂はある行動を起こし、萌とかけがえのない時間を過ごすことになる。
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