人魚姫

劇場公開日:

人魚姫

解説

「少林サッカー」「西遊記 はじまりのはじまり」のチャウ・シンチー監督が、人間界と人魚界という異なる世界に住む男女のロマンスを描いたファンタジー作品。若き実業家リウは香港郊外の美しい自然保護区域を買収し、リゾート開発計画のため海を埋め立てるプロジェクトを進めていた。この計画をなんとか阻止するべく、この海で暮らす人魚族はリウの暗殺作戦を決行。人間に変装させた人魚のシャンシャンをリウのもとへと送り込むが、シャンシャンとリウは互いに惹かれあい、恋に落ちてしまう。主人公の人魚姫・シャンシャン役をオーディションで12万人の中からチャウ・シンチーに大抜擢された新人女優リン・ユンが演じる。

2016年製作/94分/中国・香港合作
原題:美人魚 Mermaid
配給:ツイン
劇場公開日:2017年1月7日

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(C) 2016 The Star Overseas Limited

映画レビュー

3.5環境問題を織り込んだ予想不能のナンセンス・コメディ

2017年1月29日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

チャウ・シンチー自身、この映画が中国の歴代興収の新記録を打ち立てるなんて予想しただろうか。とはいえ、彼の『カンフー・ハッスル』や『西遊記』などに比べると、やや肩の力を抜いた状態で取り組んだ感もあるこのファンタジック・コメディ。序盤、前置きが長くてなかなか本題が始まらないという、シンチーならではのナンセンスぶりに翻弄されつつも、やがて中国が直面している環境問題を説教臭くならない程度に盛り込みながら「ロミオ&ジュリエット」的ラブストーリーへと帰着させていく点に好感が持てる。そして、この人、VFXを使ってスペクタクルを巻き起こすというよりは、むしろ小さな驚き(タコ足や人魚の尾ひれなど)や小ネタを細々と描いて見せるところも相変わらず。正直、力ワザで笑わせる部分も多いが、日本人としてはむしろ、本筋の大きな笑いよりも、脱線気味なシーンの意表をついたシュールな笑いの方が楽しめるのではないだろうか。

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牛津厚信

4.0ジャンル「チャウ・シンチー」

2024年2月23日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

チャウ・シンチー監督作は「少林サッカー」に続いて2作目の鑑賞。
何か気軽に観られるバイオレンス系ではないアクション物がないかなとたどり着いたのですが、予想通りのユルいストーリーとド派手なCGとおバカな笑いとワイヤーアクションで満足できる作品でした。
これはもうジャンル「チャウ・シンチー」と言ってもいいほどの確立された様式美があるよね。

特に戦わないからアクションという意味では少々薄味ではあったものの、水のある場面でのワイヤーアクションはさぞ大変だったろうと思う。
その中心だったシャンシャンを演じた愛くるしいジェリー・リンは本当に頑張ったね。
逆さ吊りシーンの多かったタコ兄も頑張った。

あとは、類人猿から分岐したという人魚の成り立ちは面白いと思った。
確かに、魚から上半身だけ人間のようになるよりも人間から下半身だけ魚になる方が自然な感じがするよね。あまり考えたこともないんだけどさ。
そうなるとタコ兄はすごい不思議な存在だよね。彼だけ違う進化をしたのか、それとも人魚とタコの交配により生まれたのか。
まあ、そんな疑問もぶっ飛び世界観でツッコミどころが多過ぎてむしろツッこまなくなるチャウ・シンチーワールドの前では何の意味もないけどさ。

とりあえず、しばらくの間の息抜き映画は、あと何作かある「チャウ・シンチー」になりそうだ。

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つとみ

5.0つまらない映画を選んでしまったかと後悔。 序盤を過ぎて中盤から面白くなってくる。 これは百パーセントコメディなのだが、 ラブストーリーでもある。 忍耐が必要な映画だと思うが最後まで見て損はない。

2023年1月29日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

幸せ

萌える

動画配信で映画「人魚姫」を見た。

劇場公開日:2017年1月7日

2016年製作/94分/中国・香港合作
原題:美人鱼 Mermaid
配給:ツイン

邓超
张雨绮
林允
罗志祥
周星馳監督

言語は普通語。

邓超を現代劇で見るのは初めて。
彼が出演している映画9本のうち4本は中国時代劇だった。

罗志祥は
ポリス・ストーリー REBORN(机器之血)
で見たことがある。

林允は
西遊記2 妖怪の逆襲(西遊2 伏妖篇)
に出演していた。

张雨绮は北川景子に似ていると思う。
盛っているのかもしれないが胸のふくらみがすごい。

邓超は大金持ち。
大金で海洋地域を買収した。
ここを埋め立てて財を成そうという魂胆だった。

そのあたりにいるというイルカを駆逐するために
ソナーを使っていたが、
その被害を受けているのは人魚族だった。

人魚族の女性、林允は邓超を殺すために彼に近づく。

冒頭からくだらないギャグが長く続いた。

またつまらない映画を選んでしまったかと後悔。
しかし、序盤を過ぎて中盤から面白くなってくる。

これは百パーセントコメディなのだが、
ラブストーリーでもある。

忍耐が必要な映画だと思うが最後まで見て損はない。

満足度は5点満点で5点☆☆☆☆☆です。

※『人魚姫』(美人鱼、The Mermaid)は、
2016年公開の周星馳監督作品。

アジア映画歴代興行収入No.1を樹立し、
世界で1億人以上の観客を動員した。

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ドン・チャック

3.0怒りに振り切りすぎ?

2023年1月19日
iPhoneアプリから投稿

チャウ・シンチーは基本的に金持ちとか高学歴とかいった「上流」的なものに対して常に一定の距離を取り続けてきた。思えば『少林サッカー』の主人公は配管まみれのビルの屋上で極貧生活を送っていたし、『カンフー・ハッスル』の主人公も九龍城のごときオンボロ団地に住んでいた。「下流」から開始される物語は常に透徹とした文体を拒む。芸術映画のようなレトリックは徹底的に排され、二次会のごとき下品で短絡的なナンセンスコメディが事あるごとに物語の進行を阻害する。

お世辞にも育ちがいいとはいえない俺からすれば、彼の映画には実家のような安心感がある。作中でリウ社長が安っぽい屋台のチキンを頬張って懐かしさに咽び泣くシーンがあったが、まさにあんな感じ。あとは美女が何人か出てきて、安っぽいヒューマニズムが達成されて、万雷の拍手喝采の中で物語が幕を閉じる。いい、いい、もうそれでいい。それはもう事なかれ主義なんかじゃない、お前自身の立派な文体だよ。見たらわかるもん「あ、チャウ・シンチーだ」って。

ただ本作に限っていえば少々やりすぎというか、メッセージが文体を押し退けて作品が中途半端な出来に終わってしまったような印象がある。具体的には環境破壊への警鐘を鳴らすことに固執するあまりか暴力描写が必要以上に苛烈だった。ルオラン一派による虐殺で皮膚がケロイド状になった人魚や、モリで思い切り胸を射抜かれるリウ社長などのあからさまな描写は言わずもがな、序盤でリウ社長やルオランが部下を叩いたり怒鳴ったりするあたりもけっこう酷い。ギャグシーンとして処理されてはいたもののシャンシャンの顔にウニが突き刺さったりタコ兄の足が切り刻まれたりといったシーンもエグい。

たぶんチャウ・シンチーとしては皮肉を目指した露悪芸をやってるつもりはあんまりなくて、ただいつものようなナンセンスギャグを手癖で挿入してるだけなのだとは思うけれど、それがこういう苛烈な形態で表出したあたりに、彼の怒りの感情の強さが伺える。また役割意識が異様に強い戯画的な人物が出てくるのはいつものことだが、ルオランのような一切の媚態もない悪の権化みたいなタイプはあんまり見かけない。混じり気のない悪というやつはコメディに転化させようがないので、彼女のせいで作品全体がどっちつかずなものになってしまったといっても過言ではないかもしれない。別にそんなに社会派になろうとせんでも、アンタほど強い文体があるんなら自ずと作品に社会が反映されてくるから大丈夫しょ、と思うんだけどな。

ただ、荒唐無稽で縦横無尽なCG処理に関してはいつも通りのチャウ・シンチーだったから安心した。これからもものすげえ金をかけてものすげえしょうもない(マジで本当にしょうもない)ことをして俺たちを笑わせてほしい。

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